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第135怪~耳憑夜・大阪邪宗門を終えて
夢か真か怪奇劇場。電柱の影から赤マントがニヤリと笑い、卵はヒビ割れ、そのヒビ割れた隙間から湧き出る欲望を、瓶の中に閉じ込めて、燐寸一本火事の元…
夕闇に貼りついたモレクの札。火の無い所に煙は立たぬとはよく言ったもので、これもまた一つの事件に過ぎないのである。一つ言葉を紡ぎ、言葉を綯交ぜてしまえば、それは血の濫觴という事件に発展する。
それが赤蝙蝠、盲目の影男、年老いた男娼、顔の無い郵便配達夫、そしてケムリという名の事件を生み出すのだ…
さあ、事件の始まりだ!今宵も眼球映写機がスクリーンに犯罪を投影する!
と、まあ、海馬郡鏡町仏壇仏具長屋六ノ三上ガル借家より死神三寸離れた区画に於いて、吐血塗れの花魁地獄、懐紙咥えた唖と、親の借金形見に両の光を奪われ、安っぽい硝子玉を埋め込んだ瞽とで、世に蔓延る怪奇幻想文学、古き書物の魂をコトノハと月絵で瀉血、そして葬り去る片端者。
唖と瞽による幻想書肆、瀉葬文幻庫でございます。宜しくお願いしたします!
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と云った口上でお馴染みの(日本橋と狭いかなり限られた界隈)瀉葬文幻庫主催『耳憑夜~身捨つるほどの祖国はありや・大坂邪宗門』、無事閉幕しました!
お越しいただいた皆さん、そして出演していただいた日比谷カタンさん、松原タニシ君、月の裏方衆の皆さん、会場の心光寺・丈徳さん、関わっていただいた皆さん、本当にお憑かれ様デス!
まだ今週末に控えている『耳憑夜~中京疱瘡譚』そして『耳憑夜~帝都阿呆船』の公演が残っているので(チケットも残っている)瀉葬文幻庫の内容はここでは明かせませんが、目劇していただいた皆さん如何だったでしょうか?
5月に行いましたストロベリーソングオーケストラの本公演『鉛筆のドラキュラ~テラヤマ迷宮譚』をご覧いただいた共犯者の皆さんは「あ!」と糸が繋がる瞬間があったかもしれない今作である『異-トミノの地獄』。明治から昭和にかけてコトノハを連ねてきた詩人・西條八十の『トミノの地獄』を瀉葬怪釈でリライトした作品でありました。
で!なんと、今怪の出演者であるカタンさんも『トミノの地獄』をカタンさん怪釈で、まあなんとも怪異な語り部と共にまた奇怪な歌を連ねていただきまして、イベントのコンセプトに見事あわせていただき、僕はご本尊の後ろで隠れて聞きながら感動しておりました(何ちゅうシチュエーション!)
いやいや、今怪の耳憑夜なんデスが、本番前の21日水曜日にプロジェクターの確認や、照明の確認をしに現調に向かったんデスよね、瀉葬と今怪の音照をお願いしていたブッキー、そしてプロジェクターを段取りしてくれたマロン(いつも配信や収録をお願いしている)とで。
するとどうでしょう!心光寺さんに常設している機材だけでは我々が行いたい内容の公演をするのが不可能じゃないか!となり、急遽土曜日の本番にのマロンが助っ人で入ってくれる事に!(心強い!)
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で、現調でプロジェクターの設置やら照明やらの確認をして本番に向けて整えてきたんデスが、いざ本番当日、瀉葬のリハから始めるかと機材をセッティングするじゃないデスか、するとどういった神様仏様の仕業か解らないのデスが、水曜日の現調時にはバッチリ反応していたプロジェクターが全く反応しなくなったんデスよね…ってマジかい!?瀉葬、ちゃんとゲネプロもしたいのに!!と、設置だけでめちゃくちゃ時間を使ってしまい、ほぼほぼ瀉葬のリハが出来ないまま、ギリギリ映像と音声が漸く出力出来たところで瀉葬のリハ時間がタイムアップ!本当にチョロっと最後のシーンのきっかけを返すしか出来なんだ。か、かなり不安!!
カタンさん、タニシ君はバッチリとリハは出来たところで開場。
今怪は40名の客席で満席。当日になりキャンセルがあるも、なんとか客席は埋まり、寂しくない感じでカタンさんのステージ、、いや、本堂での怨歌が始まります。
カタンさんから紡がれる仏像で物騒な奇異ワード達。
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美空ひばり命日、神戸芸能社、飛田新地、浅川マキ、結合双生児、日本赤軍、事故物件…
とてもお寺の本堂で聴けるようなコトノハでは無い幾つものパズルの破片が組み合わさり、カタン篇トミノの地獄が完成されてゆき、客席もヒートアップし、拍手喝采!本堂裏から離れた楽屋となる部屋で聴いていて「おー!凄い!めっちゃ盛り上がってる!」と、唖と闘志を燃やしている中、本堂裏で椅子に座りながらカタンさんの歌を聴いていたタニシ君が出番になるので楽屋に帰って来たので「カタンさん凄いなー、手拍子とか拍手凄かったやろー?」と言ったら「え?そんなのありましたっけ?」って、Oi!めっちゃ拍手喝采やったで!タニシ君は事故物件に住みすぎて膝に動物霊が憑いてたりするけれど、耳も何かに憑かれているのか?まさに耳憑夜!
タニシ君、いつものように少し笑いを入れつつも人間の持つ怖さ、そして霊的なものを重ねて心光寺をタニシワールドへと変えていく様は流石の貫禄。今怪も白塗りしてくれましたよ。
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タニシ君、新刊『恐い食べ物』が発売という事で、発売前に新刊をいただきました。少し読みましたが、これまたジワっと恐い内容で、人間とは食べる事が生きる事ってな当たり前の現実が突きつけられるモノとなってます。ゆっくり読めるのは瀉葬本番終えてからかな。
そして我々瀉葬文幻庫は、数少ない稽古を数えてみて恐らく今怪の本番で一番状態の良いモノが魅せれたんじゃないかと思う出来でした(冷汗)
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充分なリハ、ゲネプロも出来ずだったので、登場する際、舞台のハナ迄どれくらい距離があるのかも唖、瞽共々本番で気が憑き、ええいままよ!と出発したタイミングでバッチリいけてたのが何か「今日はやれる!」と感触を得た瞬間でした。まあ、安定のちょい甘噛みしたのは御勘弁を。
と、この瀉葬文幻庫の電影紙芝居なる出し物、ご存知の方は認識してるかと思うのデスが、この出し物、影像のポン出しを1発叩いたらあとは本編が終わる迄、影像と音声はノンストップゲーム!関西ローカル番組大好きっ子な僕は横山ノック師匠の「DIE!DIE!DIE!DIE!」ってなコールアンドレスポンスを思い出しながらコトノハを連ねておる訳で、少しでもタイミングを間違えようものなら後方の月絵や音楽ともズレてしまうので、かなり神経を集中しながらやっております。
本来の劇団とかだと、影像、音声を役者の喋るタイミングとかでシーン毎にポン出ししてくれるスタッフが居てるのデスが、瀉葬文幻庫は超絶ストロングスタイルなので、今怪みたいにブッキーやマロンが居てくれる怪ばっかりじゃなく、次の名古屋、東京なんかは専属スタッフが居ない為、リハ時間30分足らずの当日あわせでのきっかけ渡しを会場スタッフさんに出来る訳も無いので、こういったストロングスタイルで挑むしかないのデス。うーん、瀉葬もスタッフを毎怪連れていけるくらい動員を増やしたい!!(切実)
と、無事公演を終えて登場人物全員でパシャリ。
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と、本番が終わったら降霊の、いや、高齢の打ち上げ大会でございます。
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こんな土曜日の22時なんかに打ち上げ会場抑えれるん?と何件もあたってみたけれどことごとく断れ続ける中、開いてて良かった相生橋筋の『まぐろセンター』にて9人で打ち上げ。よう入れたな!満席やったで!
と、まぐろセンターにて、本日の耳憑夜を観ていただいた現・特殊清掃をされているNさんも合流し、僕も昔に遺品整理の仕事をしていた流れで怪話に菊の花が咲き、一次会を終え、二次会へ。
その二次会を終えて、唖に悲劇が訪れるのでございます(暗転)
お憑かれ様デス!やってて良かったnote! アナタのお気持ち(サポート)宜しくお願いします! いただいたお気持ちは今後の執筆活動・創作活動にドバっと注いで逝きます!!褒めたら伸びる子なんデス(当社比)