シドニーで子宮頸部円錐切除術 (LLETZ)を受けた話
注意
私は医学の専門家ではありません。この記事は個人的な体験談です。
私の英語力:必要なことは自分から伝えられるが相手が特別な配慮無しにペラペラとネイティブスピードで話してしまうと聞き取れなくなってしまうレベル
まとめ
Medicare(健康保険)に加入していれば手術は無料
手術は9時に病院に行き、12時頃開始し、帰宅は16時頃だった
GPや医師によって言うことが違うことがある
病状や手術説明などは私の英語力では分からない部分もあった。英語力に不安がある方は付添人と一緒に行くことをオススメする。
通訳が必要の場合は手術直前説明まで部屋にいられるようだった(要確認)
痛みはタンポンの擦れたような痛みのレベル(個人の感想)
ミレーナに違和感は感じていない(術後1日時点)
もし日本で施術が受けられるなら日本で受けたほうが長く待たされない
診断
2020年の秋 イギリスで
婦人科検診で「要経過観察」の結果がでる
…その後複数回の引っ越しのバタバタですっかり忘れる(忘れるなよ)
コルポスコピー検査
2022年8月 オーストラリアで
婦人科検診で要ポルコスピー検査※ という結果が出る
※ より精密な検査。詳細
コルポスコピー
2022年9月 日本で
日本の婦人科でコルポスコピー検査を行う
この検査は酢酸を使うのでちょっと染みます。
1週間後ぐらいに結果が出た。
→何かよからぬものが検出される。
(数年以上放置すればがんになる可能性があるらしい)
このときに日本ですぐ手術を受けるべきだった!
そうすれば1週間後とかに施術を受けることが可能だった。
でも、一時帰国でさまざまな予定があったので延期。延期すんなよ!
日豪両方のお医者さんに、今受けても数カ月後になっても特に問題は無いということを確認した。
2022年12月 オーストラリア帰国
日本のコルポスコピーの英文診断の結果をGP※に持っていく。
この診断から3ヶ月以上経っているから自然消滅している可能性もあるので、再度コルポスコピー検査が必要だと言われる。
GPいわく、この診断書を持っていけばすぐにその場で施術してくれるらしい。
※オーストラリアは何事もまずGPという総合外来の診断を受け、そこから紹介状をもらって初めて専門的な医療機関に行くことのできるしくみです。
2度目のコルポスコピー
2023年1月半ば
専門医にようやくかかれた。
診療台に乗って検査。
この際に妊娠を希望しているか聞かれる。
子宮頸部円錐切除術は流産や、ごくわずかに早産の危険性を高めるらしい※
※参考。特に1つ目の記事はGoogleの自動翻訳をするととても分かりやすく読めるのでオススメです。
私は妊娠を希望していないこと、そして術後にミレーナの装着も希望していることを伝えた。
お医者さんはミレーナ※の処方箋を書いてくれた。
手術のときについでに入れられるらしい。
手術前に自分で薬局で買って下さいとのこと。
お医者さん:思ったよりも部位が大きいからこの診療室では施術できない。
完全に手術施設が整ったところで施術する必要がある。
今から手術を予約する。
それに関してお手紙が行くけど、手術は1ヶ月後から3ヶ月後になると思う
私:えっ3ヶ月後ですか?本当に絶対大丈夫なんですか?私、最初に診断受けたの去年の9月で、もし手術が4月だったらだいぶ期間経っちゃうんでしけど…
お医者さん:心配になる気持ちは分かるけど、でも大丈夫。
私:手術後はすぐ仕事していいですか?
医師:3日は安静にしてないと。
私:え?新しい仕事始めたばっかで休めないんですけどそんなに
医師:金曜の夜とかに予約入れてあげるから大丈夫。
この日にいろいろと手術の同意書(分厚い)を書く。
様々なチェックリストとたくさんのサインを書いた。
英語は夫が読めたからよかったけど私にはとうてい太刀打ちできないレベルだった。
保険番号などもいろいろ書くので個人加入の保険カードを持っている人は持っていきましょう。
手術待ちの期間
1月27日 手紙が届く
手術待ちのウェイティングリストに入りました。手術は最大3ヶ月後になります。とのこと。
いままで言及してたのはすべて公立の病院(基本無料で施術が受けられる)で、イギリスでもオーストラリアでも待ち時間が長いことが問題になっているらしい。
私立の病院は、お金がかかるが、待ち時間も短く、待遇がいいらしい。
そこで私立の婦人科にも電話したところ、そこで手術を受けるにはそこで診断を受け直して(?なんでやねん)、それで手術待ちリストに加えられるから、結局3ヶ月以上かかるから、公立病院で手術受けなさい、とちょっと怖めの受付けの人に言われる。
こわ。けどそーなんだ。それでおとなしく待つことにした。
3月の頭
病院からうんともすんとも連絡が来ないので、電話。
私:あのう、手術待ちリストに加えられたって1月末に手紙来たんですけど、まだ予定わからないんですかね?
病院の人:手術日が決定したらこっちから連絡しますけど、まだですね。
私:仕事の予定とかもあるんですけど、手術のどれぐらい前に分かるもんなんでしょうか?
病院の人:全然分からない。明日かもしれないし、2週間後かもしれないし、3ヶ月後かもしれない。予定についてあなたの希望を聞くこともできない。
私:・・・(3ヶ月後、ってマジかよ。金曜の夜に入れてくれるって言ってたのは一体??)わかりました。失礼します。
連絡は手術前日の朝
4月13日
朝9時
夫に着信通知履歴が。
私もケータイを確認すると8時半頃に電話が鳴ってたみたい。
Chat-GPTで遊んでたから気付かなかった。
病院の人:明日手術です!また午後、詳しく看護師から電話します!
午後の電話:朝9時に病院に来て下さい。食事は今晩の8時まで。
飲み物は当日朝8時まで飲んでいいです(水、ブラック紅茶、ブラックコーヒー、りんごジュースのみ、ミルク不可)
アクセサリーは全て外して、マニキュアも全て落として来て下さい。
手術の所要時間聞き忘れた。
ミレーナ
まさか前日に連絡が来るとは思っていなかったので急いでミレーナを買いに行く。
専門医に書いてもらったの処方箋をもって、マツキヨみたいな大きめのドラッグストア※に行って、自分でミレーナを購入して、手術の日に自分で病院に持っていかなければならない)
※chemist warehouse. 店舗に行く前に電話をして、ミレーナありますか?って聞いたほうがいいです。最初amcalに電話したけど、在庫無いって言われました。
ミレーナはこれぐらいで結構大きいです。大きめのかばんを持っていきましょう。
ミレーナは30豪ドル(3000円ぐらい)でした。
メディケアカード忘れないで下さいね。
この日は普通に仕事して、傷病休暇2日と有給1日の申請。
手術当日の朝
持ち物リスト
ウェットティッシュ
ヘアゴム(ピンはだめ)
夜用ナプキン(術後のショーツに当てるため)
ミレーナ(これは入れる人だけ)
でかいカバンとビニール袋(手術中は、自分の服や靴も含め、すべてカバンに入れることが必要です。カバンには名前シールを貼ってもらえます)
書類用クリアファイル
キンドル本など暇つぶしのもの
診察
9時。受付で渡された紙を医師に渡します。(私はファイルが無かったからちょっとくしゃくしゃになっちゃった)
以前書いた同意書の確認。アレルギーや内服薬、コロナ歴やワクチン歴など、いろいろ聞かれます。
ワクチンを何回摂取したのか、最後のワクチンのブランドが何だったかなど、メモがあったほうがいいかも。私は覚えてなかった。
私:術後は何日休む必要がありますか?
医師:ゼロ日。まあ1日ぐらい休んでもいいですけどね。
私:え。
3時間の待ち時間
診療台で横になって待たされます。ベッドがたくさん並んだ待合い室で、ベッドごとにカーテンで仕切られている。
病院にWi-Fiがあってよかった。けど、Wi-Fiはかなり遅いので、キンドル本を読んでいました。
待ち時間中にすること
・妊娠検査
・ガウンを着る(全裸で)
・手術用の血栓防止のめちゃキツイストッキングを履く
ガウンとストッキングは12時ギリギリに着ればよかった。
お手洗いに行くたびに再度ズボンを履かなければいけません。
わたしは運良く月経と重ならなかったんですが、月経中でも手術できるらしい。その場合は全裸じゃなくてショーツを着用したままで待機。
子宮頸部円錐切除術 手術
12時15分
ベッドごと搬送されます。医療ドラマと同じです。
付添の人はここまで。(通訳が必要の場合は次の段階までいられるようだった)
夫:何時間ぐらい待ちますか?
看護師:2〜3時間
まず、手術助手みたいな方に、食事時間やアレルギーの再度確認、手術について理解してるのかとかも聞かれます。
この手術助手の方が私と同い年ぐらいのアジア系女性ですごく安心した。
英語ネイテイブの方であっても、アジア系女性だとなんか安心するんですよね。対等な感じを勝手に感じちゃう。多様性は神。
この確認が終わると次は麻酔チームの部屋に行きます。
麻酔
ここでめっちゃ気さくな麻酔医の先生と、医学生が私に点滴の針を打つ。
再度食事やアレルギーについての確認があります。
麻酔医:この手術から4週間はタンポンの使用や性行為、激しい運動はできません
あと、このときに初めて全身麻酔であることを知る。
私:私、めっちゃ麻酔に弱いんです。歯医者さんの局部麻酔とかでも、しばらく下とか唇でベェ〜とか変なことをし続けちゃうんです
麻酔医:局部麻酔とこの麻酔薬は全然違う薬だから安心してね。局部麻酔は一部の神経を麻痺させるものだけど、この麻酔薬は脳をシャットダウンする薬だから。
へ〜そうなんだ。
ちなみにこの麻酔チームだけで4人も担当者がいて、安心。
麻酔医:麻酔中に呼吸ができるように酸素マスクを着けます。
だから目覚めたときに喉が変な感じがするかもしれないけど、それはそのためですからね。起きた後はめまいとか吐き気とかがすることもあるかもしれない。
肉グサグサ事件
私、点滴の針、まじで刺さらない血管なんです。
点滴するときはいつも、この流れ
1人目の看護師さん:失敗
2人目の先輩看護師さん:失敗
看護師長:成功(まれにここも失敗→お医者さん呼ぶ)
みたいな流れで申し訳ない。
だから、麻酔医さんに医学生が
ほら、どこの血管がいちばんいいと思う?ここをこうやってさするの。このバンドももっとキツく締めちゃって大丈夫。
この血管はまずこっち向きにさしてそれからカーブしてね。
とかめちゃめちゃ指導されながら時間をかけて私の肉にグサグサ突き刺してきて本当に痛かった。ここが手術で一番痛かった。
けど、この先輩麻酔医さんがすっごくいい先生で、感激した。
結局医学部生の失敗×2,先輩麻酔医の失敗×2,リーダーが来てようやく点滴できた。
最後に「それじゃ、これ打つとハッピーになれるから。シャンパンどうぞ!」と言われて麻酔薬を打たれた。
それから本物のドラマに出てくる手術室に運ばれて、診療台から自分の力で手術台に移動した。
目が覚めた。
看護師さん:もうすぐ14時ですよ。2時間近く寝てましたね。手術は無事に終わりましたよ。
このとき13:50で、それから30分ぐらいはネミネミの世界と現実の世界へゆっくりと移行している感じだった。
この部屋は経過観察の部屋みたいな感じで、ナースがいっぱいいた。看護師さんはずっと私のベッド脇に立っててくれてた。
手術中の記憶はまったく1ミリも無い。
人生で一番熟睡できた2時間だった。
この時は全裸+ガウンのままですが、股に夜用のナプキンが挟まれた状態です。
ナースに2回出血が無いかナプキンを確認されました。
手術後
それからまた朝にいた待合いベッド室に戻る。ここに更に1時間ぐらい経過観察で滞在しました。
嬉しいことに軽食を提供してくれた
看護師:手術レポートが出来上がったので説明していい?
私:あ、ちょっと夫呼ばせて下さい
ここで待合のカフェで待ってた夫を呼び出す。
そしたら看護師さんどこかに行ってしまって30分ぐらい更に待った。
看護師:そしたら2週間後にまたこの病院で診察があります。(小さい紙に日時を書いてくれる)
私:今日受けた手術は何ていう名前ですか?
看護師:LLETZ(紙に書いてくれた)
※このときに仕事を休むための診断書などが必要なら言う必要があります
全て無料だった
手術費用などはすべて無料でした。
でもGPにかかるときはお金払うのに不思議ですよね。
私はオーストラリアに引っ越して、個人保険(Medibank)に加入してから10ヶ月しか経っていなかったので、個人保険利用はなくMedicareだけです。
個人保険は12ヶ月加入後初めて手術用に使えるらしい。
16:00 帰宅
手術の痛みは、タンポンが擦れて痛いなあ、みたいな感じです。
ミレーナの違和感とかも全く感じません。
点滴針の失敗跡だけが青あざになって痛い。
あとは排卵痛みたいな鈍痛がちょこっとした(気のせい?)ので寝る前に1錠パラセタモール(痛み止め)を飲みました。
もう麻酔とか効いてなかったけど特に家事とかする気は起きないですね。
全身麻酔後なんで普通にゆっくりして下さい。
この日は夜用ナプキンをして寝ましたが驚くほど出血なしでした。
翌朝10時 電話
病院から電話がかかってきました。
気分はどうかなどは尋ねられました。
特に出血なども起きてないし、吐き気などもないことを伝えました。
私は朝起きたときも全く出血はありませんでしたが、稀にすごく出血してしまうこともあるようです。
抗生物質など何も処方はなかった
私:きのう何も抗生物質などの飲み薬の処方はなかったが大丈夫ですか?
看護師:きのうドクターが判断して、必要がないと診断された場合は何も処方はありません。でももし何か異変を感じたらすぐGPにかかってください。
オーストラリアすごい
すごく待たされたのはかなり不安だったけど、こちらに来て10ヶ月の外国人が、国民保険料の支払いだけで、無料で手術を受けられるなんて有り難いなと思いました。
病院でいろいろな人種の人が活躍してて本当に嬉しくなった。ちなみにわたしのGP、専門医1人目、手術当日の診察のお医者さん、手術担当医の4人中3人が女性でした。素晴らしい!!
けど、日本の病院は行きたければすぐ行けるし、検査のときなどたくさんたくさん説明資料をくれるし(オーストラリアでは一枚も説明資料なんてなかった、すべて口頭説明のみ。それも聞かないと教えてくれないこと多い)日本の医療はやはり素晴らしいです。でも高いよね。
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