小説『BALI HIGH』 都市迷宮シリーズ 5 サンスワン・ハードレイン 6 バリ・ハイ(完結)
5 サンスワン・ハードレイン
三つのタンブラーに入った、薄いオレンジ色のカクテルが運ばれてきた。パッションフルーツの強い酸味が鼻をくすぐる。
紫月は手近な丸テーブルに、それを置いたまま。
オーダーした男は、三口目で飲み干しグラスを置いた。
「部下が到着する時間だな。私は、船の出港準備をする」
『Z』は、自分の端末を閉じ取り上げた。
「少し待って下さい。こちらを片付けて、私も行きます」
「沿岸警備隊の動きを追っていろ。最初の関門は奴らだ」
「私が……! 私が行きます」
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ここまで、お読み頂き有難うございました。感謝致します。心の支えになります。亀以下の歩みですが、進みます。皆様に幸いが有りますように。