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addict50plus keyboardビルドガイド


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先日参加した天キーVol.7でキーボード設計されている方々から色々刺激された勢いでキーボード設計にチャレンジしてみました。

QAZキーボードをベースに左1列、数字行を少々、
右手側上部空きスペースにArtisanKeycap置き場を設置したデザインにしてみました。
最下段真ん中の1Uエリアはロータリーエンコーダかキースイッチのどちらか片方を選択でき、全キー数は50キー+ロータリーエンコーダ又は50キー+1キーになります。

世界中のオープンソースキーボード設計者さん達の基板デザインに影響
され、自分も基板裏側にオリジナルイラスト&メッセージをデザインしてみました。
イラストはうちの娘氏に描いてもらい、
メッセージは
「There are no drugs for keyboard addicts.」
と書かれております。
部品を実装すると文字が隠れすぎてほぼ読めなくなりますが…(苦笑)
親子で一緒になにか作れたらいいな〜と思っていたのでとても良い機会になりました。
キーボードの名前は色々考えた結果、addict50plusにしました。

Punk風のフォントにしたのはPunksのD.I.Y.精神が、
自作キーボードに共通するなぁと思いデザインに取り入れてみました

◯部品構成

はんだづけする部品
◯メインPCB基板
◯SMDダイオード1N4148W ×51
◯MXスイッチ用ソケット ×50 or 51
◯ロータリーエンコーダ ×1 or 0
◯LED SK6812MINI-E ×50 or 0
◯MOSFET BSS138 ×1
◯3216角形チップ抵抗器 1kΩ ×2
◯マイコンRP2040-ZERO ×1
ケース用の部品
◯トップアクリルプレート2mm ×1
◯トップ側ミドルプレート3mm ×1
◯ボトム側ミドルプレート3mm ×1セット
◯ボトムアクリルプレート2mm ×1
◯M2 3mmネジ ×16
◯M2 3mmスペーサー ×8
◯ゴム足大 2(好みの形状と数量)
〇ゴム足小 3(好みの形状と数量)
になります。

パーツリスト
基板と各アクリルプレート
ボトム側ミドルプレートは枠状になっております
左からSMDダイオード、LED、チップ抵抗、MOSFET
各部品は秋葉原の電子部品店さんなどで購入できます
下段のMXスイッチ用ソケットは遊舎工房さんなどで購入できます
左からM2スペーサー&M2ネジとRP2040-ZEROマイコン
下段がゴム足2種類
スペーサーとネジは遊舎工房さんで購入できます
マイコンは秋葉原の千石電商さんなどで購入できます
ゴム足は千石電商さんで購入しました
ロータリーエンコーダ
ロータリーエンコーダはこの型番を使ってます

〇ファームウェア

まず最初にマイコンにVialファームを入れ動作するかテストをします
RP2040-ZEROのBOOTボタンを押しながらUSB Type-CケーブルでPCと接続します
マスストレージで起動するので、自動で開くフォルダの中に
addict50plus_Vial.uf2ファイルをコピーします
ファイルは後述します私のGithubからダウンロードできます
マイコン再起動後にVialアプリかブラウザでVialホームページから接続できるか確認します
うまく接続できるとデフォルトのkeymapが表示されます
こちらの画面でキー設定を自由に変更可能です
詳しくはVial keyboardのサイトを参考にしてみてください

〇はんだづけ

基板に部品をはんだづけします
まずダイオードからはんだします
D1と表記された文字の左側の枠部分がダイオードの取付場所になります
ダイオード表面の縦線が左に来るように取り付けます
あらかじめ基板の片側にはんだしておくと作業がやりやすいかと思います
ダイオードの向きはロータリーエンコーダが取付け可能なD51以外同じ向きではんだします
次にLEDのレベルシフト回路用のMOSFETとチップ抵抗をはんだします
画像の小さい部品がMOSFETです
LEDを付けない場合、こちらの作業は省略できます
ダイオードと同じく、あらかじめ基板の一箇所にはんだしておくと取付しやすいと思います
こちらの2つあるのがチップ抵抗
こちらも同じく基板片側にはんだしてから取付けます
取付完了
抵抗は方向性が無いのでどちらの向きでも大丈夫です
次にLEDを取付けますが、LEDを付けない場合は省略できます
温調はんだごてであれば鉛入りはんだで通常330℃くらいではんだしますが、
それより温度を少し下げたほうがLEDの破損を予防できるかと思います
温調はんだごてが無い場合、1個のLEDに対して長い時間連続してはんだごてをあてないように作業すると良いと思います
テスト用のマイコンがあればここでLEDの動作確認をします
RED
GREEN
BLUE

RGBの色全て明るく光ればOK
光らない場合、はんだ不良かLEDが破損してるのでやり直します

LEDは全て切り欠きがある端子が右上の印のある位置になるように取付けます
他の実装部品同様、あらかじめその部分だけはんだしておくと取付け作業しやすいと思います
次にMXスイッチ用のソケットを基板のマークと同じ向きに取付けます
こちらも写真のように片側のパッドだけはんだしておくと作業しやすいと思います
SW51番だけキースイッチかロータリーエンコーダの選択式になっております
ロータリーエンコーダを付ける場合は先にマイコンを
はんだしてから取付けたほうが良いと思います
D51番のダイオードは縦線が下にくるように画像の向きで取付けます
マイコン取付けは写真のとおりにセットします
RP2040-ZERO付属ピンヘッダの短い方をマイコン側に
セットすると高さが丁度良く作業しやすいと思います
ピンヘッダの短い方をはんだします
高さが丁度良くなるので切り取る必要はありません
各ピンヘッダの端からはんだしてズレないようにしてから全てのピンをはんだします
はんだ完了
こちら側は余分な長さのピンヘッダをニッパーで切り取り、全てのピンをはんだします
はんだ完了

〇ケースの組み立て

各プレートの取り付け順序
1. PCB boardの上面からネジを差し込み、スペーサーを取り付けます。
2. Bottom側3mmのアクリルプレートをスペーサーの穴に収まるように置きます。
3. Bottom側2mmのアクリルをネジで固定します。
取付けたスペーサーを横から見た画像
上下は逆さまです
ボトム側ミドルアクリルの保護シートを剥がします
細いので割れないように注意してください
スペーサーをアクリルの穴にはめるようにミドルプレートを取付けます
画像のようにミドルプレートを枠状に置きます
ボトム側アクリル2mmをのせてネジでとめます
ゴム足は画像の位置が安定しました
ロータリーエンコーダを使う場合、ロータリーエンコーダの近くに
ゴム足を取り付けるとプッシュ操作がやりやすくなると思います
トップ側アクリル2枚は保護シートを剥がして基板にのせます
ミドル→トップの順番にのせるだけ
外側の角の部分からキースイッチをはめていきます
キースイッチを全て取り付けました

〇動作テスト

パソコンとUSBケーブルで接続し、LEDを付けた場合はLEDをONにしてテストします
キースイッチのデザインやハウジングの色によって見え方が変わると思います
マイコンのすぐ左のLEDはレイヤーインジケーターになっているので独立して色が変わります

〇完成

キーキャップを取付けて完成
ロータリーエンコーダのノブは直径17mmくらいです

〇詳細説明

自宅ではキーボードをPCゲームに使う事が多いのですが、比較的キー数が
必要なオープンワールドゲームで問題なくプレイできております。
LEDをプログラム制御して色々なパターンで光らせることもできます。
LED動作などの詳細はTwitterに動画を掲載しましたので下記のリンク先を
参照してみてください。


2024年末のKEEB_PDに参加した時のリンクを貼らせていただきます。

以上、addict50plusのビルドガイドでした。

設計したプレートデータやVialファームは私のGithubにございます
英語版ビルドガイドもこちらにあります

今回の基板はJLCPCBさんで製造
アクリルプレートはelecrowさんで製造してもらいました

最後までご覧いただきありがとうございます


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