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手足ブルブル、プレッシャーとの戦い

今日はシネマトグラファーに転職してから初めて大規模な作品の現場でメインカメラマンとして撮影させていただいた時の事を書こうと思います。

シネマトグラファーに転職したのが37歳、現在39歳(4月で40歳)

シネマトグラファー1年目は割と小規模〜やや中規模の現場で撮影させていただきながら少しずつ経験を積んでいました。

1年目の終わり頃だったか2年目のはじめの頃

お世話になっているDIRECTORさんからTVCMでメインカメラマンとして撮影のお仕事をいただきまして、企画書や絵コンテをいただいた時に

ん?待てよ?これ、、、めちゃくちゃ大規模、、、

というように正直な所、嬉しい反面、超ビビってました。

打ち合わせ、ロケハンをしていく中で

それぞれの部署のスタッフの皆さんはゴリゴリに大きい現場をやっている人たち

その中に、どこの馬の骨かもわからない名前も聞いた事もないカメラマンがいる状態。

(自分には名刺になるような代表作がまだないというプレッシャー)

助手経験なしでシネマトグラファーになっちゃったもんだからバンバン飛び交う業界用語?のほとんどがわからず状態(汗)

(このスピード感についていかないといけないプレッシャー)

そんな中で大きい現場をたくさん経験している撮影部チーフの方から言われたのですが、助手経験なしで1、2年でこの規模のTVCMでカメラマンやってる人は他に知らない。スゲーっすよ。と

(その言葉もまたプレッシャー。実際は他にいると思います)

いつか大規模な現場でカメラ回したい!とずっと思っていたのですが

実際そういう環境やチャンスが来た時に

(やべえ、、、プレッシャーが半端ねえ、、、俺大丈夫か?、、、

待て待て!今活躍しているベテランのカメラマンの人たちも最初は同じように怖かったはずだ!)

と自分にひたすら言い聞かせてました笑

撮影本番日の前日にアングルチェック

(みた事もない照明機材の量、美術の建て込み、スタッフの数)まずこれにびっくり。

翌日いざ本番の日(緊張で一睡もできてない)

なんでもいいからプレッシャーに負けないようになにか方法はないかと色々考えた結果。

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赤い帽子(情熱のパッション)を被っていればこのプレッシャーに俺は勝てる!勝つんだ!と

NY Yankeesの赤いCAPを被って行きました。

緊張と恐怖で表情もカチコチになってるのを隠すために帽子も深めに被ってました。

そしてリハをしてテストして本番が始まるのですが困った事に

プレッシャーで手と足がずっとブルブル震えてるんです笑

手汗も尋常じゃないくらいダラダラ出る出る汗

そんな中、心の中では

(今まで頑張ってきたじゃないか、鈴木がんばれ!おい!がんばれ!お前ならやれる!誰しもが最初は大変なんだ!とにかく邪念を捨てていい絵を撮れ!せっかくチャンスをくれたDIRECTORさんの顔に泥を塗るような事はするな!お前ならやれる!)と延々と唱えてました。

今まで経験した事のないようようなプレッシャーの中、無事に現場が終わり、ホッとしていた時にDIRECTORさんが声をかけてくれました。

まだまだ課題はたくさんあるけど、いい絵だったよ。これから頑張っていこう。と

それを聞いた僕はプレッシャーから解放されたのか安心したのか目から涙ちょちょぎれちゃってました。

(こんなプレッシャーの中、先輩カメラマンの方たちはやっているのかと知りました。そして先輩方に追いつくためには今の何十倍、何百倍も頑張らないといけないと思いました。)

そして家に帰って死んだように寝ました!寝すぎだろというくらい寝ました。

DIRECTORさんは僕のような何処の馬の骨かわからない名前も聞いた事もない新人カメラマンを起用するためにプロデューサーを説得したり、僕の知らない所で色々とやってくれていたと思うと本当に感謝しかないです。たまに本番当日にNY Yankeesの赤いCAPを突然被ってきたJUNPEI君は面白かったと笑い話をしてくれます笑

(DIRECTOR推薦でカメラマン候補出してもらっても実績や経験不足だったりが不安材料でバンバン落とされるというのもたくさん経験してきたました)

現在も大規模な現場で撮影する時、変わらずプレッシャーは半端ないのですが

その都度

(鈴木!お前ならできる!今まで頑張ってきたじゃないか!)と延々と心の中で唱えています。

普段やっている作品撮りや実験動画等は

突然やってくるビッグチャンスやプレッシャーに負けないように。いつでも最高のパフォーマンスができるように。

という意味でも自分をいじめつつ続けています。

(作品撮りに関してはSNSでバズりたい、評価されたいというのは正直どうでもいいかなと思ってまして、とにかく3年後、5年後を見据えてブレないように気を付けております)

本当にスポーツとカメラは似てますね。

そしてお世話になっているDIRECTORさんからはいつも

カメラマンはすぐに飽きられて仕事がなくなる職業なので

常に自分をアップデートしないといけない。とアドバイスをいただいております。

そんな環境なので正直、毎日不安っすw

まだまだ映像業界で無名シネマトグラファーなのでこれからもどんどん人間力も技術もセンスも進化するためにチャレンジしていきます。

(人間力が一番大事なのかもしれないと最近思っています。)

下の写真は初めてのALEXA MINIとアナモレンズとパンサーが嬉しくて撮ってました。

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