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森鴎外の旧家と、都内第一号の天然温泉。水月ホテル鷗外荘(台東区池之端) #東京出張メモ

月1回前後のペースで東京に行っています。
仕事やライブ、その他の用事で。

ここ1年ほどは友人宅に泊めてもらうことが多かったのですが、その友人が彼氏と同棲を開始したのでお祝いしつつ、宿泊施設をあれこれ調べて泊まる元々の形に戻ったところです。

選ぶ際の目安としては
・23区内
・ゲストハウス、ドミトリー、カプセルは微妙
・キャビンは大浴場付きならアリ
・民泊は考え中
というところでしょうか。

普通のビジネスホテルではないところに泊まるのも面白いので、メモします。

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盛岡での法事を終えて夜に上野着、泊まって翌日は都内で結婚式に出席して長野に戻るというやたら移動する日程が決まったのが、行程の20日前。
連休中でもあり手頃な宿泊地は残っていませんでしたが、上野駅から徒歩圏内、天然温泉付き、しかも森鷗外が暮らした家が敷地内にあるというホテルを見つけて予約しました。

法事と結婚式の荷物を詰めたキャリーを引いて、Googleマップのルート案内に従い夜の上野公園を歩きます。
そこで早速の凡ミス。マップの示す経路は上野動物園の敷地内を突っ切るコースでした。このとき21時30分、当然閉園しています。
まじかーやっちゃったなあと動物園の表門前で右に曲がり、東京都美術館の横を出ます。上野公園の北西って案外住宅地なんだなあと散策気分も入りつつ、車も通行人もほぼ皆無の夜道をてくてく。

上野駅から計25分ほどでホテルに到着しました。

スタッフの方々は襟付きシャツの上に揃いの法被を羽織った懐かしいスタイル。チェックインして東館の部屋へ。

部屋はキュッと小ぶりな真四角です。ベッドも小さい。寝るだけなのでOKです。

なんだか嬉しい雷おこし。

この日の予約は「ビールとおつまみ付きプラン」でした。ソフトドリンクに変更もできますとのこと。

大浴場の利用時間が23時までなので、浴衣と半纏に着替えて急ぎます。
宿泊した東館からはエレベーターを降り、外通路を通って新館に入り、またエレベーターか階段を上がって隣接する本館へ。という5分少々の道のり。

到着するとめっちゃ混んでる……しかもタオルを部屋に忘れてきた。
疲れたので戻り、ビール飲んで寝ました。

翌朝、廊下を歩く人のスリッパ音と会話が何度も聞こえて早朝に起床。シニアの宿泊客が多いんだなあ。古めの建物だし耳栓を持ってくるべきでした。
寝不足だけど目が冴えてしまったので、お風呂入ろーとタオルを持って大浴場へ。

「大理石風呂」と「古代檜漆塗り風呂」が男女日替わりになるそうで、この日は「大理石風呂」。カルシウムやラジウムなどを含んだ重炭酸ソーダの天然温泉とのこと。
広くはないけどいいお湯で、温度もいい塩梅。あったまりました。

お風呂から戻る外通路の横には、お宿の売りである森鴎外の旧家。宿泊者は見学無料、一般の見学は540円とのこと。寄ってみます。

幕末の津和野藩に御典医の息子として生まれた鷗外は、幼少時代から学業優秀、神童と呼ばれて育ちます。19歳8カ月という若さで東大医学部を卒業、陸軍軍医となり、ドイツへ留学します。帰国後、28歳の時に、海軍中将赤松則良の長女登志子と結婚し、上野花園町の赤松家の持家に住みます。それが当ホテル所有の鷗外荘。ここで「舞姫」をはじめ、「うたかたの記」「於母影」などの作品が執筆されました。
ーー ホテルの公式サイト「森鷗外と水月ホテル鷗外荘」より

庭園がまた良くて、きっちり整えられているというよりは緑の多さに安心する、お邪魔する機会の少ない旧邸宅のお庭という感じ。
お風呂上がりの浴衣に半纏姿でぷらぷら散策していると、温泉旅行気分も増します。上野近辺なのに。

すっかりリラックスできました。
支度を終えてチェックアウトすると、上野駅までの送迎があるとのこと。
ロビーで数分待ち、ハイエースでの乗り合いで送って頂きました。

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部屋があまり快適ではなかったのが残念でしたが、それ以外は良いホテルでした。予定や料金が折り合うときは再訪するかもしれません。

◯よかった点
・温泉や見学で旅情あり
・チェックアウト後、JR上野駅・京成上野駅へのお送りサービスあり
・外が静か

△いまいちな点
・廊下から部屋への音漏れ
・建物が古く、ユニットバスのにおいや全館空調の効きが微妙(東館)
・大浴場の混雑(タイミングにもよりますが、宿泊キャパ+日帰り入浴もある施設にしては小さい印象)
水月ホテル鷗外荘
https://ohgai.co.jp/
地下鉄千代田線根津駅から徒歩5分、JR上野駅から徒歩12分
宿泊時の価格:8,500円(休前日)

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