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マエさんは虹の向こうの「田園」へ

〜一五一会10年記〜

マエさん。今頃は虹の向こうの田園あたりで好きな歌でも弾き語りしてるかなぁ。
もう、コロナになる前の話。
だから、これは今から6年くらい前なのかな。むーさんがいて、マエさんが元気で、モモちゃんは辞めた後だけど、あの頃は何も考えないで一五一会が弾けたからよかったなぁ。いわゆる、ただ弾き語れればよかった、ある意味ではまた幸せな時期の話。
これがあったから、今でも一五一会が弾きたくなる時があるんだよね。楽団は辞めたけどさ。

♪ルールールールールー〜ルルル⁈
「ちょっと、声合わせてよー‼︎」
「自分のパートわかってる?」
「できないならやめるよ。いくらでも曲あるし」
先生から鬼のような激が飛ぶ。
何度もダメ出しを食う。
それでも楽しかったような気がする。
それは私が入団して、最初で最後になった一五一会にコーラスを取り入れた曲であった。
玉置浩二「田園」。

何しろ、あの玉置浩二さんですから。
音楽始め、アミューズメント業界界隈にはファンも多く、私が現在勤めるゴルフ場にも全通とまでは行かなくとも、仕事の合間にライブに行き倒している先輩スタッフがいる。ただ、それは今年の話であり、自分が数日後に同じ北海道にTMG(TAK MATSUMOTO GROUP)のライブに行っていたのがバレて、なんだかバツが悪かった覚えがあるのだけど。
そういえば及川光博が「プルシアンブルーの肖像」カバーしてたよなぁ。あれはあれでいいけど、やっぱり玉置さんの声が1番なんだよなぁ。
ともあれ、当時の楽団のメンバーの殆どが何らか1曲ぐらいは思い入れのある曲や聴き慣れた好きな曲があったりするアーティストであることには変わりはない。
ちなみに私は田園以外ならば、安全地帯の熱視線なんか背筋がざわざわして好きだ。

で、お約束の歌いたいけど、やったら最後、上手くいくまでが時間がかかる難産の曲「田園」。
何ヶ月練習しただろう。
夢にまでコーラスの楽譜が出てくる。現実は相変わらず厳しい。
私が音を外せば、マエさんが大丈夫頑張れって言ってくれるし、むーさんやきょん姉さん。(彼女は、また詳しいエピソードを先々用意しています。)が方法をいろいろ考えて、何とかうまくいく方法を模索していた。それでも、
コーラスが思うように合わないまま、本番の日を迎えてしまった。
本番はどんよりとした曇り。雨はさすがに降らないけれど、いつ降ってもおかしくないような状態。
最後のリハーサル。何となく成功しそうな雰囲気で終わり、いよいよ発表会本番。完璧ではなかったけど、初めて楽しく歌えたような気がする。
不思議と空も晴れていた。
いつまでも楽しい日々は続く。
そう思いたかった。
しかし、翌年のバレンタイン近くに大澤誉志幸さんを観に東京に行った私と彼のファン友と話す中で感じた何となく未来に何か起こりそうな不穏な空気は「コロナ禍」という大きな暗い嵐となり、私たち楽団も活動休止に追い込まれた。
その時だった。マエさんが病気でしばらく休むと連絡があった。
その時はマエさん戻って来るよね、と思いながら練習をしていたが、思いもかけず、早い別れの知らせが私たち楽団に伝えられることになる。
病名はコロナではなかった。
マエさんの話、もう少しお付き合いください。
次回は「遠くへ行きたい」。お好きなアーティストの声にて脳内再生下さい。私はちなみにCHAGE兄さんのがお気に入りです。
それではまた。

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一本柚美子
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