【読書記録】呪術廻戦読んだ感想|キャラクターまとめ
虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)
本作の主人公。都立呪術高専1年生。宮城県仙台市出身。2003年3月20日生まれ。常人離れした身体能力の持ち主。元々は非術師であったが、宿儺の指を口にしたことで呪力を手にし五条の計らいによって都立呪術高専への入学した。宿儺の指の影響により、両目尻の下には開眼したもう一対の目の名残りの溝がある。
快活・素直な性格で、誰に対してもフレンドリーに接している。また祖父の遺言の影響で「正しい死」に強いこだわりがあり、常に仲間や一般人をはじめとする目の前の人間を手の届く範囲で出来る限り救おうと心がけている。未成年でありながらパチンコを嗜む習慣がある。好みのタイプはジェニファー・ローレンス。
身体能力の高さを生かした肉弾戦をメインに「逕庭拳(けいていけん)」という殴打を習得する。初期は呪力をうまくコントロール出来ていなかったが、交流会での東堂の指導により上達し黒閃を経験した。黒閃1日5回記録。また毒の耐性も非常に高く、元来猛毒である宿儺の指を食しても死亡せず宿儺が受肉した後も自我を保った上で宿儺を抑え込むことができており、ゆえに宿儺の封印から1000年間生まれなかったとされる「宿儺の器(すくなのうつわ)」となった。このことにより他の指を探すレーダーの役割を持っているが、宿儺の性格故に都合よく機能していない。また、常に宿儺の魂を宿していることから自然に魂の輪郭を捉えることができ、術式無しで真人に直接ダメージを与えることができる。加えて宿儺の魂によって真人の「無為転変」の影響を完全に受けない。なお、体に生得術式は刻まれていないが五条曰くそのうち宿儺の術式が刻まれるらしい。
また、これとは別に虎杖と対戦した相手の脳内に「過去に虎杖と何らかの良好的な関係を持っていた」という主旨の偽りの記憶を与える現象が生じているが、これは虎杖自身の能力ではない事が作者から語られている。
両親はおらず(生死・行方ともに不明)、祖父に育てられた。両親についての記憶は特にないらしく、祖父から話を切り出された際も一切の興味を示さなかった。後に母親が羂索が乗っ取っていた肉体だと判明している。羂索が呪胎九相図を作る際自らの血を混ぜたことから、脹相には虎杖は弟だと認識された。
渋谷事変では脹相戦での敗北、宿儺に代わってしまった際の大量虐殺、七海の死、釘崎の死を立て続けに経験してしまったことで一度は心折られてしまうが、東堂の言葉で再起し、真人に挑み勝利した。渋谷事変後は五条の封印で再度処刑対象となったことで、呪霊の蔓延る東京を腸相と共に呪霊を払いながら彷徨っていたが、伏黒に協力を乞われて死滅回游平定を目指す。死滅回游では秤達に協力を仰ぎ、五条悟の封印の解除と、伏黒の姉の離脱を目指して東京第1結界から参加した。
逕庭拳(けいていけん)
呪力を纏わせた拳で相手を殴り、その直後に呪力がぶつかることで一度の打撃で二度の衝撃を与える技。これは呪力のコントロールが未熟なうえ、素の力が人間離れしているせいで瞬発力に呪力が追い付けないことで生まれた悪癖。
呪力を留める技術も未熟な影響で軌跡に残り、変則的な流れが生まれることで呪力の流れを読まれにくい。五条や七海はそれなりに評価しているが、交流会の際に東堂から「特級には通じない」と指摘された。黒閃を経験した後はコントロールの向上と引き換えに使用できなくなった。しかし渋谷で腸相との戦いの際に再発し、自らの技として習得した。
伏黒 恵(ふしぐろ めぐみ)
都立呪術の高専1年生で、虎杖の同級生に当たる2級呪術師。2002年12月22日生まれ。甚爾の息子であり、恵という名前は父から付けられた。御三家・禪院家の血筋であり、その分家出身と見なされている。実の両親は共に亡くなっており、小学1年時から1つ年上の義姉・津美紀と共に暮らしている。さいたま市立浦見東中学校を卒業した後、都立呪術高専に入学した。また、担任である五条とは入学前からの知り合い。
任務で杉沢第三高校の百葉箱に保管されていた宿儺の指の捜索に来た際に虎杖と出会う。虎杖が両面宿儺の指を呑み込んだ際、一度は虎杖を「呪い」として祓おうとするも五条に虎杖の処遇を尋ねられた際には虎杖を救うよう懇願している。反面、無免許運転で子供を撥ねるなどの罪を犯した少年院在院者に対しては「ただでさえ助ける気のない人間を死体になってまで救う気は無い。」と発言するなど自らの善悪の価値判断を重視している。
中学生の時は荒れていたが、津美紀が呪いで寝たきりになったことにより不平等な現実のみが平等に与えられ、幸せになるべき善人が報われないことに疑問を抱き少しでも多くの善人が平等を享受できるよう不平等に人を助けるため呪術師となった。上記の出来事があり、好みのタイプとして津美紀のように「揺るがない人間性」を持つ女性を挙げている。好きな食べ物は生姜に合うもの(生姜そのものではないらしい)。嫌いな食べ物はパプリカ。実話系の本を読むことが多い。部屋着はとにかく楽なものを選ぶ。
使用する術式は自身の影を媒介とした十種の式神術「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」であり、御三家・禪院家相伝の術式の一つでもある。式神を用いた遠距離攻撃が主流の戦闘スタイルで、複数の式神を連携させるなど攻撃の用途が広い。ただし近接戦闘は苦手で、影絵のために両手を空けておく必要もあり呪具も使い慣れていなかったが、交流会前の真希との練習で呪具を使い慣れてきた。交流会直前にあらゆる呪具を自身の影の中から出し入れ可能なことがわかり、真希の呪具も運搬している。「奥の手」として魔虚羅という式神を有している。
応用力のある術式や宿儺さえも警戒させる術を持っているが、それらを十分に使いこなせていないようであり宿儺には「宝の持ち腐れ」と評されている。五条には、「奥の手」を出して最悪自分が死ねば全て解決出来ると思っているから本気の出し方を出来ていないと指摘される。
埼玉の八十八橋での特級仮想怨霊との戦いで本気を出し、不完全ながら領域展開を取得して呪霊を倒した。渋谷事変では敵の降霊術により蘇った伏黒甚爾と再会するが、父親であることには気づかなかった。その後、満身創痍の状態にあったところを重面春太に襲われ、死を覚悟の上で「奥の手」である魔虚羅を出現させるも駆け付けてきた宿儺によって救出された。渋谷事変終結直後には直毘人の死去に伴い禪院家当主となり、死滅回游の平定のために東京第1結界から参加する。
十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)
手で作った影絵を実体化させる形で式神を呼び出す。並の式神より強力で、完全に破壊されると二度と顕現できないが破壊された式神の遺した術式と力は他の式神に引き継がれる。基本的に一度に二種類顕現されることができ、拡張術式によって二つの式神を合体させることも可能。また、影を呪力の媒介にする特性を利用して自身の影に呪具を収納させることも可能。
「玉犬(ぎょくけん)」犬の式神。2体存在する。
白(しろ)真っ白な犬の式神。額には道返玉の紋様がある。嗅覚による呪力の探知機能があり戦闘も可能。英集少年院の任務中に少年院の特級呪霊によって完全に破壊された。
黒(くろ)真っ黒な犬の式神。額には足玉の紋様がある。能力は「白」と同等で、よく二体同時に呼び出される。
渾(こん)破壊された「白」の術式と力を「黒」が引き継ぐことで生まれた式神。体の一部が白い巨大な黒犬。額には二種の紋様がある。特級呪霊・花御に傷をつけ、不意打ちとはいえ八十八橋の特級呪霊を一撃で祓う攻撃力を持つ。
「鵺(ぬえ)」頭半分を覆う骸骨の面をつけた怪鳥の式神。額に大蛇と同じ生玉の紋様がある。飛行能力があり、移動手段として利用するほか帯電した呪力をまとって体当たりを行うこともできる。対象との間に顕現させることで防壁にすることも可能。
「大蛇(オロチ)」巨大な蛇の式神。額に生玉の紋様がある。少年院で宿儺を一瞬だけ拘束したが、彼に完全破壊された。
「蝦蟇(がま)」大きな蛙の式神。腹部には沖津鏡の紋様がある。長い舌を伸ばすことで遠くにいる仲間を救助したり敵を拘束したりできる。
拡張術式「不知井底(せいていしらず)」「鵺」と「蝦蟇」を合体させた拡張術式であり、羽の生えた「蝦蟇」を数体呼び出す。通常の式神と違い完全に破壊されても再度顕現できる。
「満象(ばんしょう)」象の式神。額には辺津鏡の紋様がある。重量による踏みつけや鼻からの高圧放水を武器とする。交流会の時点では呪力の消費が激しいため単体でしか顕現できなかった。また、水を具現するために使う呪力を「満象」そのものに使い巨大化させることも出来る。
「脱兎(だっと)」兎の式神。数十匹の群れで顕現される。攻撃には向いていないが敵を囲うことができる。腹部に品々物之比礼の紋様が付いている個体がおり、それを破壊されると全て消滅する。
「円鹿(まどか)」鹿の式神。首の側面に死返玉の紋様がある。反転術式による治癒を行う。
「貫牛(かんぎゅう)」牛の式神。額に蜂比礼の紋様がある。突進による攻撃を行う。直線でしか動けない代わりに進む距離が長いほど突進の威力が増す。
「虎葬(こそう)」名前のみの登場。詳細不明の式神。
「八握剣 異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)」
歴代十種影法術師の中でも誰ひとり調伏できていない最強の式神であり、伏黒の奥の手である。両手を前に出す掌印と、布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)と呪詞を唱えることで呼び出せる。
能力は「あらゆる事象への適応」。背後に法陣がついており、適応前に仕留めない限り、後ろの法陣が回ることで負傷を治癒し、それまでに喰らった攻撃への耐性が付与され、よりダメージが通りやすい攻撃をするようになる。また対呪霊に特化した特級相当の呪具「退魔の剣」を装備している。伏黒は調伏ためではなく、他人を調伏の儀式に巻き込んで諸共自滅する運用をしている。式神を呼び出した時点で対象範囲内に存在する術師が式神を倒すか全滅するかしない限り儀式は続き、儀式に参加した術師以外が式神を倒すと調伏の儀はなかったことになる。
領域展開「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」
伏黒の領域展開。ただしまだ不完全で、屋内など空間が仕切られた場所を領域として転用することでのみ使用できる。領域内を液状の影で覆い、その影から式神が多数出現して相手を攻撃をする。必中の術式は付与されていないが、術式効果が飛躍的に向上する。自身の分身も作ることや、相手の攻撃に対して影の中に入り避けることも可能。
釘崎 野薔薇(くぎさき のばら)
本作のヒロイン。都立呪術高専1年生。3級呪術師。本人曰く「盛岡まで4時間かかるクソ田舎」出身。身長は160cmないくらい。2002年8月7日生まれ。
虎杖と同時期に呪術高専に入学したが、入学自体は以前から決まっていた。東京(都会)に対しての強い憧れを持つ一方で、彼女が小学校1年生の時に東京からの転校生である沙織ちゃんが村人たちの僻みによって追い出されたため、自身の故郷である田舎を嫌っている。
非常にサバサバした気性の持ち主で、口が悪く素人であるにも関わらず「呪いは危ない」と忠告してきた虎杖を蹴り飛ばすなど手が出るのも早い。一方で呪霊に人質に取られた少年を助けるため自ら武器を捨てて丸腰になる、罪人である少年院の在院者を当然のように助けようとするなどの優しさも見せる。自らのアイデンティティーを強くもっており、丸腰の状態で真依に背後を取られていても平然と喧嘩を売るほど度胸がある。
自身の呪力を篭めた釘を打ち込んで相手を攻撃する術式「芻霊呪法(すうれいじゅほう)」の使い手であり、対象から欠損した一部に釘を打ち込むことで対象本体にダメージを与える「共鳴り」(ともなり)や、対象に直接打ち込んで破壊する「簪(かんざし)」などを駆使する。武器として五寸釘・金槌(交流会ではピコピコハンマー)、場合によっては藁人形を使用する。近接戦闘が苦手。呪術高専に入学して以降は、暇があったら買い物に出るなどそこそこに東京を満喫している。
埼玉で呪胎九相図に遭遇した際、黒閃を経験する。2018年10月31日の渋谷事変では直毘人と真希の3人で渋谷へ向かうが、伊地知に連絡がつかなくなったので新田明を安全な場所へ避難させる為に別行動をとる。その中で重面春太と交戦し、七海に助けられた。七海から五条が封印された話を聞かされ戦闘区域に入るのを止められるが、新田明を救護に引き渡した後、単独で戦闘区域に戻った。その後、真人の分身と交戦し優位に立っていたところを本物の真人に触れられ、虎杖の目の前で左顔面を吹き飛ばされ倒れる。その後は東堂と共に加勢に来た新田の応急処置を受けるも生死に関しては不明。
五条 悟(ごじょう さとる)
都立呪術高専の1年生のクラスを受け持つ特級呪術師で、自他ともに認める最強の呪術師である。1989年12月7日生まれの29歳。御三家・五条家の出身であり、憂太とは非常に遠い親戚に当たる。
細身の白髪の男性で、端正な顔を持つ。六眼(りくがん)と呼ばれる特殊な目を持ち、初見の術式情報の視認や緻密な呪力操作を可能とする。これに関連し、戦闘時以外は常に布やサングラスで目隠しをしているが周囲はサーモグラフィーの様に見えている。また、幼少期はその六眼ゆえに多額の懸賞金がかけられ、粟坂らに命を狙われたが誰も彼を殺せなかった。またこのころから呪術界のパワーバランスが大きく変わり、世界の均衡が崩れたとまで言わしめられ多くの呪詛師・呪霊の活動が制限された。
飄々として掴みどころがなく、いいかげんな言動やふざけたような態度で周囲を振り回す。また基本的に誰に対してもフランクに接し、生徒は全員下の名前で呼ぶ。その性格故に周囲からは「バカ」呼ばわりされ、本人も自身を「性格が悪い」と評している。ただしその実力によって周囲から非常に厚い信頼を得ており、虎杖からは好印象を抱かれている。高専生時代の一人称は「俺」だったが、夏油に「年上に失礼で、年下にも怖がられる。」と注意されたことを機に「僕」にあらためた。頭を回す為に甘い物を食べ続けたらそのまま甘党になり、特に仙台銘菓の喜久福を気に入っている一方、下戸である。
保身に走る現在の呪術界を憂いてその革新を目標に掲げており、保守派筆頭の楽巌寺とは折り合いが悪い。一方で若い呪術師たちには期待を込めて接しており、後進を育成するために教師となった。また、上層部の差金により虎杖が一時命を落としたとしたときには激しい怒りを見せた。
御三家・五条家相伝の術式「無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)」の使い手であり、「無限」を現実に作り出し周囲の空間にある物体間の距離を自在に操る。対象を押し潰す・弾き飛ばすといった高威力の攻撃や、対象の移動速度を低下させるといった防御ができる。反転術式や結界術の帳・領域展開「無量空処(むりょうくうしょ)」も習得していることに加え、身体能力も高い。これらの才能と実力から、漏瑚からは「逆に何を持ち合わせていないんだ。」と評された。学生時代から高い実力を持ち親友の夏油と2人で最強だったが、ある事件によって彼は1人でも最強となる。それが皮肉にも彼と夏油の道を分かつ原因の一つとなってしまう。
五条が力を最大限発揮するのは「1人でいるとき」であり、常に周りの人間を自身の攻撃に巻き込まないように気を配っており、必要時に巻き込む際もその被害を最小限に抑えようと心がける。ただし「呪霊による被害」は「ある程度の犠牲」として割り切る冷酷さも兼ね備えている。
呪術師として強大な存在であるがゆえに五条家は彼のワンマンチーム状態であり、高専内でも強い発言力を持つ。また、虎杖をはじめとする彼の融通(ワガママ)で救われた術師やパワーバランスによって活動を制限された呪詛師・呪霊が数多く存在する。そのため彼の封印は大量の術師の抹消によって内輪が混乱状態にある高専とパワーバランスの崩壊後に活動を始めた数多の呪詛師・呪霊との戦争を意味し、その敗北によって日本国内の人間が殲滅される危険がある。
渋谷事変は羂索と呪詛師・呪霊の集団が五条悟を封印するために起こした事件であり、五条は羂索の持つ特級呪物・獄門疆に封印されてしまった。
無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)
五条家相伝の収束する無限級数を現実にする術式。自身の周囲に術式によって現実化させた無限を作ることで攻撃を防いだり、応用して瞬間移動や空中浮遊なども可能にする。この術式には原子レベルに緻密な呪力操作が必要で、彼の六眼がそれを可能にしている。その呪力操作と先代のマニュアルを応用して術式対象の自動選別と術式のほぼ常時発動も可能になっている。
術式順転「蒼(あお)」
無下限呪術の本来の術式を強化することで収束を現実に発生させる。物体を吸い寄せる力で周囲を更地に変えることも可能だが、大きな反応を自分の近くで発生させられない弱点がある。打撃に重ねる形で蒼で相手を吸い込むことで攻撃の威力を向上させている。
術式反転「赫(あか)」
蒼とは逆に無限を発散させることで対象を吹き飛ばす。反転の威力は順転の二倍なので、街中などでは使用が制限される。
虚式「茈(むらさき)」
五条家でも一部の人間しか知らない術。順転と反転の力を衝突させることで生成された仮想の質量を押し出す複合術式。その威力は姉妹校交流会の舞台となった森を広範囲にわたって地中深くまで抉り取るほど。
領域展開「無量空処(むりょうくうしょ)」
五条悟の領域展開。領域内に引き込んだ相手に知覚と伝達といった、あらゆる生命活動に無限回の作業を強制させる。引き入れた時点で勝ちが確定する領域で、対象は無限の情報量を流し込まれることで何も行動が出来ず、そのまま緩やかに死亡する。
乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)
東京都立呪術高等専門学校の主人公。都立呪術高専2年生。特級呪術師。2001年3月7日生まれ。一般人の家庭出身だが、後に、日本三大怨霊の1人にして御三家・五条家の先祖に当たる超大物呪術師・菅原道真の子孫であり、五条の「超遠縁の親戚」であることが明らかになる。
人の強さや優しさに敏感で、仲間想いな性格。当初は気弱で自己評価が低く、後述の理由で不本意に周囲に危害を加えてしまうことから、人との関わりを極度に避けていた。しかし、高専編入後は、前向きでたくましくなった。特級過呪怨霊・祈本里香に取り憑かれた「特級被呪者(とっきゅうひじゅしゃ)」。乙骨に危害を加えると里香が顕現し、その人物に危害を加える。当初は里香の制御ができていなかったが、高専編入後の初任務にてできるようになった。左手の婚約指輪は自身と里香をつなぐものであり、里香の制御や呪力の媒介にも使われる。乙骨自身が呪術を習得した際は、「最愛の人の魂を抑留する縛り」により、里香の「底なしの呪力」や「無条件の術式模倣」が使用できた。一方で、パンダからは感知能力の低さを指摘されている。刀に呪力をこめて使う戦法を取る。
小学生の時は宮城県仙台市に住んでおり、肺炎で入院していた里香と病院で出会い、共に同じ小学校に復学する。2人は互いを深く愛し合い、2011年、乙骨は里香から婚約指輪を渡され、彼女の婚約者となった。しかしその後、里香は交通事故で死亡すると同時に怨霊と化し、乙骨に取り憑いた。以降、里香によって周囲に危害を加えるようになってしまい、家族からも離れた。
2016年11月、東京のある学校で乙骨が同級生の4人の男子生徒たちにイジメを受け、里香がその4人をロッカーに詰めたことで呪術師に捕らえられる。その後、里香の危険性から完全秘匿での死刑執行が決定し本人も了承するが、五条の提案より、死刑の保留の上で2017年に1年生として呪術高専に編入する。入学後は、里香の解呪のために呪術師を目指し、同級生の狗巻らとも親しくなる。
2017年12月24日の百鬼夜行では、安全上の理由から呪術高専で待機させられていたところ、仲間たちを襲撃した夏油に対して怒りを爆発させ、里香を完全顕現させただけでなく、呪力の制限解除をして「純愛」による莫大な呪力を夏油に放出したことで勝利を収める。
のちに、里香が乙骨に呪いをかけて怨霊と化したのではなく、乙骨が彼女への執着心から、彼女に呪いをかけたことで怨霊にしていたことが判明し、乙骨が主従制約を破棄したことで解呪が実現した。本来の姿を取り戻した里香は、乙骨に感謝の言葉を述べ、成仏した。
里香解呪後は四級術師になるが、三ヶ月で特級術師に戻る。現在の乙骨は五条悟を超える呪力量と、外付けの術式及び呪力の備蓄である里香の遺志が残された「リカ」を使う。リカは制限時間内で完全顕現が可能で、その間の乙骨は自身の術式として、条件付きで術式をコピーする「模倣(コピー)」を使用できる。
2018年の高専2年時では海外におり、交流会にも参加しなかった。33話の扉絵やアニメのオープニング映像に、ミゲルと同行している姿が描かれている。後に黒縄の残りがあるか海外で探していたと語られている。渋谷事変終結後に帰国。上層部から虎杖の処刑執行人に任命され、虎杖の前に姿を現し、上層部と結んだ縛りのため一度は虎杖の心臓を止めるが、それと同時に反転術式で治癒した。その後、虎杖達と別ルートで死滅回遊に参加する。仙台結界にてまたたくまに点を獲得し、結界内の強力な術師達(ドルゥブ、烏鷲亨子、石流龍、黒沐死)を立て続けに倒し大量の得点を得る。
リカ
里香成仏後に乙骨が連れている式神のような存在で、外付けの術式及び呪力の備蓄。特級過呪怨霊折本里香を簡易化したような見た目で、里香と同じく乙骨を守る意思がある。虎杖を拘束するパワーの持ち主。乙骨が指輪を通してリカに接続すると、5分間の制限時間があるが、リカの完全顕現、リカから乙骨への呪力供給、乙骨の術式の使用が可能となる。また体内には複数の呪具が収められている。
模倣(コピー)
乙骨自身の術式。他者の術式をコピーして使用する。里香解呪前は無制限にコピー出来たが、現在はリカの完全顕現中のみに使用可能で、コピーにはリカが対象の肉体の一部でも捕食する必要がある。
天元(てんげん)
不死の術式を持つ呪術師で、高専関係者や盤星教信者からは「天元様」と敬称される。術式の影響で呪霊のような見た目だが、元は女性。高度な結界術の使い手で、呪術高専を始めとする主要結界、補助監督の帳などその他多くの結界術全てが天元の力で強度を底上げしている呪術界の要。日本国内には天元により、呪霊発生抑制と補助監督の結界術の精度を底上げするための数多の浄界(より優れた結界のこと)が主要箇所に張り巡らされている。高専の呪物なども結界術によって守られている。ただし、天元の結界術は「守る」ことより「隠す」ことを重視している。また、高専を囲う結界は、植物や呪力を持たないものに機能しない。そのため、花御や甚爾等、限定的な条件下で他者の侵入を許してしまうことがある。本人は結界の運用以外に現に干渉しない。
一定以上の老化を終えると術式が肉体を創り変え、人ではなくなり意思のない高次存在に進化する。その場合は天元としての機能を失い、最悪の場合には、天元は人類の敵になり世界が崩壊する。そのため、500年に一度のペースで天元と適合する人間「星漿体」と「同化」し、肉体の情報を書き換える必要がある。奈良時代には、社会的少数者としての呪術師の道徳的基盤を説き、それが後の「盤星教」となった。五条と夏油が学生時代のときに、星漿体であった天内理子が天元との同化前に甚爾に殺害されてしまったことで、高次存在に進化を果たしてしまい、個としての自我が消え今は天地そのものが自我となっているが、結界術のおかげで理性を保てている。
なお、2人の側近は高専内にある忌庫の番人を務めているが、2018年の交流会で真人の「無為転変」で呪殺された。渋谷事変後に虎杖たちが高専に戻った際に自分のいる薨星宮に接触を図ってきた際、薨星宮への扉を閉じた状態で彼らを迎え入れ、偽夏油こと羂索の正体とその目的を語る。またその際自分は羂索の呪霊操術の対象となっていることを伝え、護衛として数人残ることを頼む。
夜蛾 正道(やが まさみち)
都立呪術高専の学長である1級呪術師。47歳。「気づきを与えるのが教育」という信条のもと、生徒のことを想い、入学時の虎杖を自身の呪骸と闘わせたり、五条に拳骨や絞め技で説教するといった厳しい教育を施す。
呪骸を作り操る「傀儡呪術学(かいらいじゅじゅつがく)」の第一人者で、突然変異呪骸のパンダも彼の手によるものである。術式は呪骸を操る「傀儡操術(かいらいそうじゅつ)」。呪骸は高い戦闘能力を持つことに加え、人形であるが故に痛覚や恐怖心を持っておらず、殴られても怯むことなく襲ってくる。また、可愛いものを好む一面があり、呪骸のデザインにも影響を与えている。意思を持った突然変異呪骸の製造方法を確立させており、容易に軍隊を所持できるため本来なら特級案件だが、夜蛾はこの事実を秘匿している。
かつて五条、夏油、家入の担任の教師を務めていたころは自分勝手な三人(特に五条)を叱っていた。その一方で、彼らを内心で大切に思っていたようで、夏油が両親を殺したことなどを五条に話した際はショックを受けていた。渋谷事変編では元教え子の家入を守るなど尽力したものの、総監部により渋谷事変発生を教唆したとして死罪を通達され、楽厳寺の手で処された。
日下部 篤也(くさかべ あつや)
都立呪術高専2年担任。1級呪術師。逆だった黒髪を持つ強面の男性。常に棒付きキャンディを舐めている。息子を失い精神を患った妹がおり、妹の心を救ってくれた夜蛾に感謝している。自分が死ぬことを恐れており、渋谷事変でも特級呪霊が犇く地下へ向かわないように時間稼ぎをしていた。
腰には刀を帯びている。シン・陰流の使い手であり、生きるために仕方なくその技を修めた。シン・陰の「抜刀」や居合「夕月」を使う。特級呪霊を感知出来る。冥冥曰く「術式無しで1級まで上り詰めた」実力者で、彼以降、同様に昇級した1級術師はいないという。渋谷事変では、パンダとともに渋谷入りし、居合わせた夏油一派の幹部2人ととともに漏瑚と宿儺の戦闘に巻き込まれる。終盤には偽夏油のうずまきで攻撃される三輪を守った。
家入 硝子(いえいり しょうこ)
呪術高専の医師。28歳。五条と夏油の同期にあたる。反転術式による傷の治療が出来る数少ない人物であり、高専卒業後に医師免許を取得した。少年院の出来事で死亡した虎杖の身体を解剖して、彼が猛毒に耐えられた理由を調べることに意欲的な姿勢を見せ、後に虎杖が蘇生した際には「ちょっと残念」と口にするなど、少々エキセントリックな一面を持っている。その一方で、正体を知らなかったとはいえ真人が作った改造人間を殺めてしまった虎杖が気に病まぬよう、「死因は身体を変えられたことによるショック死」とフォローするなど、優しさを垣間見せるときもある。
2006年の時点では呪術高専2年のクラスに在籍しており、この時点から治療術を体得していた。五条と夏油とは同級生であったほか、庵とも親しかった。3年生に進級した2007年、新宿で夏油に遭遇した後、五条に連絡をした。渋谷事変編では夜蛾に守られながら後方で負傷者を治療している。死滅回遊では回遊のルールにおける術式の剥奪についてアドバイスをしていた。
秤 金次(はかり きんじ)
都立呪術高専3年生。五条が特級術師の乙骨・宿儺の器の虎杖と併せて「僕と並ぶ術師になる」と評している。保守派の呪術師たちのことは毛嫌いしているものの、五条や夜蛾に対しては感謝の意を示してもいる。「熱」とはギャンブル、ギャンブルとは人生という独自の考え方をしており、熱を愛している。
秤の呪力はヤスリのようにザラつく特性であり、通常の呪力で殴るよりも痛みを相手に与える。領域展開「坐殺博徒(ざさつばくと)」がデフォルトで組み込まれている術式を持つ。能力は実在する漫画、私鉄純愛列車のパチンコ台を模した領域を展開し、領域内のスロットで図柄を揃えて大当たりを出せばボーナスを得ることが出来るというもの。領域を展開しなくてもパチンコの演出(電車の扉など)を具現化して攻撃する。大当たりになると時間制限付きで秤から無制限に呪力が溢れ、全自動で反転術式が発動するため、その間は不死身になる。再生速度は五条悟と宿儺を上回る。
百鬼夜行の際、保守派の人間と揉めたため他の3年生と共に停学となり、交流会に参加できなかった。ファイトクラブを使い日本の熱を支配するという目的のため、停学中に呪術規定を無視して呪術師にファイトマネーを渡して闘わせ、非呪術師を客とした賭博の胴元をすることで金を稼いでいた。当初は敵とみなしていた虎杖らを認め、死滅回游平定に協力する。死滅回遊は東京第2から参加。
星 綺羅羅(ほし きらら)
都立呪術高専3年生。秤と共に停学中の術師。女性にも見える格好をしている男性。南十字星の位置関係をモチーフとして指定した物の動きに条件を加え、あるいは互いに引き合わせる術式「星間飛行(ラヴランデヴー)」を用いる。停学後は秤と行動を共にしており、拠点に侵入してきた伏黒達を迎撃する。協力後、死滅回游には参加せず結界の外で待機する。
禪院 真希(ぜんいん まき)
都立呪術高専2年生。御三家・禪院家の出身だが、苗字で呼ばれることを嫌う。男勝りで反骨精神が強い上、口調が荒く、やや不遜な言動も目立つが、実際は面倒見が良く仲間想い。釘崎からも「姐さん」として慕われている。また、初対面時の乙骨を毛嫌いしていたが、成長していく彼に徐々に惹かれており、パンダからは「ツンデレ」と指摘されている。
術式を持たず一般人並みの呪力しかない代わりに、人間離れした身体能力を持つ「天与呪縛(てんよじゅばく)」によるフィジカルギフテッドという特性を有しており、肉眼や素手で呪霊を見て祓うことが出来ないため、呪霊が見える特殊な眼鏡をかけ、呪具を用いて戦闘を行う。実力としては2級に相当するが、相伝の術式と最低限の呪力を持たないことから、禪院家からは「落ちこぼれ」として邪険に扱われ、その妨害によって階級も4級止まりである。このため、禪院家の次代当主になって、家の人間を見返すことを目標としている。また、双子の妹である真依とは幼少時は仲が良かったが、真希が出奔してからは憎まれるようになった。しかし、本人は真依を今でも可愛い妹として接している。
渋谷事変では直毘人、七海と行動を共にし陀艮と交戦して退けるが、突如現れた漏湖に上半身を焼かれる重傷を負い離脱。その後回復し、死滅回游平定を目指して呪具を回収しようと禪院家を訪れる。そこで実父の扇に襲撃され瀕死となるが、真依の命と引き換えに全呪力を失くし、甚爾と同様に身体能力が劇的に上昇、全てを壊すために禪院家を壊滅させた。その後は死滅回游の結界をすり抜ける特性を使い、各地の結界内でも凶悪な術師と呪霊を倒していき、桜島結界で加茂憲紀と共に禪院直哉の呪霊と交戦を開始する。
狗巻 棘(いぬまき とげ)
都立呪術高専2年生。準1級呪術師。狗巻家出身の「呪言師(じゅごんし)」の末裔であり、一族に伝わる高等術式「呪言(じゅごん)」の使い手である。この術式は、自身の声に呪力をのせて言霊を増幅・強制させることで自身が喋ったことをそのまま実現化するというものであり、たとえば「爆ぜろ」と発言すると相手を爆発させることができ、「捻れろ」と発言すると文字通り相手を捻じることができる。携帯電話を介しての音声も有効で、拡声器で有効範囲を広げることも可能。ただし、連続で使用したり、より強力なものを使用したりするほど身体への負荷がかかるほか、乱用によって自身が呪言そのもののダメージを受けることもある。
術の性質上、意図せず人を呪うことを防ぐため、会話の語彙をおにぎりの具に限定している。作者の芥見は彼の語彙について、「しゃけ」は肯定、「おかか」は否定を意味するなど、一定の法則性があることを示唆している。加えて、口の両端と舌には狗巻家の呪印「『蛇の目』と『牙』」があり、戦闘時以外は常にハイネックで口元を隠している。
その会話の困難性から周囲の人間から怖がられることがしばしばあるが、実際は温厚で心優しく、常に仲間に気を配っている。また、生まれた時から呪言が使えたため、幼少期は意図せず人を呪ってしまっており、呪術高専入学後は(里香によって不本意に周囲を傷つけてしまっていた)乙骨のことを気にかけていた。また、虎杖や真希のせいで目立たないが、身体能力も高い。渋谷事変では暴走した虎杖(宿儺)の攻撃に巻き込まれ、左腕を失う重傷を負う。
パンダ
都立呪術高専2年生。準2級呪術師。人語を解すパンダであり、その正体は夜蛾の最高傑作である、感情を持って生まれた「突然変異呪骸(とつぜんへんいじゅがい)」である。2年生達の中でも最も常識的な言動を取る。常に仲間に気を配り、注意役も担当する。その一方で、真希に乙骨に対するツンデレを指摘してイジったり、釘崎と共に西宮を挑発する等、悪ノリが好きな一面もある。また、葛藤しながらも行動し続ける人間の心情を「自分に無い部分」とし、それを「キモイけど好き」としている。また、交流会でメカ丸に嫉妬と苛立ちを向けられた際は、「俺はオマエの敵じゃない。何か叶えたいことがあるなら手伝うぜ」と素直に述べた。
呪骸の核は本来一つだけだが、通常の核と「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と呼ばれる核を計3つ持ち、メインの核を入れ替えることで、それぞれの「モード」に応じたパワーアップができる術式の持ち主。行動不能なほどダメージを負っても核を入れ替えることで継戦可能になる。怪力の持ち主で体術にも優れており、肉弾戦を主流とする。また、味方のサポートとして、真希の呪具を持ち運びする。
渋谷事変では日下部と行動を共にするが、暴走した虎杖(宿儺)の攻撃に巻き込まれ、通常核が大ダメージを受ける(本人曰く、「残機2機」)。死滅回游では東京第2から参加、鹿紫雲といきなり出会ってしまい、パンダ核以外を完全に破壊され殺されかけるが、秤の乱入で助かる。
ゴリラモード
「お兄ちゃん」こと「ゴリラ核」をメイン核にすることでパンダはゴリラが混ざったような姿になる。この時は防御不能の掌打「激震掌(ドラミングビート)」が使用可能。通常よりも高いパワーを得られる反面、呪力の消費が激しい。
楽巌寺 嘉伸(がくがんじ よしのぶ)
呪術高専京都校の学長。階級は不明だが、準1級呪霊に躾を施すほどの実力者。76歳。顎髭をはやした禿頭の小柄な老人男性。耳・鼻・口にピアスをし、着物の下にTシャツを着ている。呪術界の保守派筆頭で、虎杖を断固として処刑対象と考えており、呪術界の改革を目指す五条とは折り合いが悪い。
奏でた旋律を増幅させ呪力として撃ち出す術式を使う。自身をアンプとし、V型ボディのエレキギターの音から衝撃波を生成する中距離攻撃を主流とする。渋谷事変後、五条の封印に伴い保守派が力を持った際には呪術総監部の命令で夜蛾殺害を実行したが、夜蛾が隠していた突然変異呪骸の作り方を総監部に報告しなかった。
庵 歌姫(いおり うたひめ)
呪術高専の京都校で2年生のクラスの担任を務めている準1級呪術師であり、仕事中は巫女装束を着る。左頬から鼻梁を通して右頬中央にまでまたがる幅の広い傷痕がある。やや勝気・短気な性格。学生時代は後輩の五条や夏油からは弱いとなめられていた上に、本人も五条のことをよく思っていない。その一方、五条は内心で彼女を信頼している。また、同じく後輩の家入とは仲が良く、彼女に禁煙も勧めた。趣味はスポーツ観戦・カラオケ。ビール好き。
術式範囲内の任意の術師の呪力総量・出力を一時的に増幅させる術式「単独禁区(ソロソロキンク)」の使い手。2006年の時点では2級術師であり、1級術師の冥冥と任務を請け負ったことがある。また、この時期に顔の傷はなかった。交流会では京都校の引率として参加する傍ら、五条の依頼で京都校側の内通者を探していた。渋谷事変では他の京都校の生徒と共に渋谷へと向かう。
東堂 葵(とうどう あおい)
呪術高専京都校3年生。1級呪術師。非術師の家系出身。筋骨隆々の巨体を持ち、ドレッドヘアが特徴の強面の男。左頬から額にかけて大きな傷跡がある。
傲慢かつ粗暴な性格をしており、退屈さと他人からの指図を極度に嫌い、自分がつまらないと判断した相手には非常に攻撃的になるため、周囲からも嫌われている。一方で、自身が「親友」とした人物には友人思いの熱い一面を見せ、「親友」もそのペースに自然と合わせてしまう。
また、「性癖にはソイツの全てが反映される」「性癖がつまらない人間はそいつ自体つまらない」という考えの持ち主で、初対面時の男性には必ず女の好みについて尋ねる癖がある。「身長(タッパ)と尻(ケツ)がデカイ女」を好みとタイプとしており、高田ちゃん(声 - 黒沢ともよ)という高身長アイドルに対して結婚したいほどの好意を抱いている。また、身嗜みには気を使っており、全身からは常にいい匂いを発しているが、京都校の女性陣からは不快がられている。
術式範囲内にある「一定以上の呪力を持った2つのモノ」の位置を入れ替える術式「不義遊戯(ブギウギ)」の使い手。術師や呪霊と言った生物だけでなく、呪骸や呪具などの無生物にも有効である。手を叩くことで発動し、これを利用して、手は叩くが術式を発動させないというフェイントもできる。
術師としての実力は、1級呪霊を術式無しで祓えるほど高く、過去には術式を使って特級呪霊を祓っている。肉弾戦を主体とした戦法を取るが、頭脳戦にも長けている。その性格上、他者との連携は基本的にしないが、性癖と戦闘スタイルの相性が良い虎杖とは連携できている。
小学3年の時点で高校生を打ち負かすほどケンカが強く、退屈した日々を送っていたある日、九十九由基に退屈から解放されることを期待して彼女についていき、呪術師の道を歩むきっかけとなった。東京校との交流会当日、虎杖抹殺を企む京都校の加茂達から離れ、単独行動に入る。1回戦では虎杖と対峙し、当初は彼を一方的に痛めつけるが、途中で「女性の好み」を聞いた際、彼が自身と同じ性癖を持つことを知った東堂は、虎杖と東堂と高田ちゃんは同じ中学校の出身だったという「存在しない記憶」を持ち始め、虎杖を「親友」とする。その後は、呪術師として未熟な虎杖に、より良い呪力操作を指導する。交流会終了後も、未だに虎杖を「親友」としているが、当の本人は、彼に感謝しつつもやや嫌気をさしている。
八十八橋の事件後に冥冥と共に虎杖・伏黒・釘崎・真希・パンダを1級術師に推薦するが、冥冥から昇級査定で推薦者は被推薦者と同行できないことを知らされた際、愕然とした表情を見せた。
渋谷事変では新田新とともに虎杖に加勢。真人の無為転変を顔面に受けた釘崎を目の当たりにして心が折れかけていた虎杖を鼓舞し共に真人と戦うが、戦いの中で左手を切断し、右手は真人の術式を受けて術式が使用できなくなる。その後も虎杖の勝利に貢献し、九十九の仲間に救助された。
加茂 憲紀(かも のりとし)
呪術高専京都校3年生。準1級呪術師。御三家・加茂家の出身で、表向きは嫡流とされるが、実際は側室(声 - 中村千絵)の息子で、正室が加茂家相伝の術式を継いだ男児を産めなかったため、術式を継いでいた憲紀が6歳の時に嫡男と偽られる形で家に迎え入れられた経緯を持つ。母への強い思いから次代当主としての自覚を持っており、それ故に、宿儺の器・虎杖を即刻処刑すべきと考えている。冷静沈着な性格をしている。
御三家・加茂家相伝の術式「赤血操術(せっけつそうじゅつ)」の使い手であり、自分の血液もしくは血液がついた物を自在に操ることができるほか、血液パックの血液も有効である。自身の血流の操作による自己強化に加え、排出した血液を操作して相手を攻撃したり、矢に血液をつけておくことで、放った矢の軌道を自在に変えたりできる。武器は弓矢。近接戦闘も可能。
当初、虎杖を東堂を除いた京都校のメンバー全員で殺そうとしたが、東堂の妨害を受ける。その後、伏黒らとともに校内に現れた特級呪霊の花御と戦う。渋谷事変では終盤に他の京都高生徒達と共に現れて虎杖達に加勢した。渋谷事変後、上層部の通達を取り下げさせるために実家に戻るが、加茂家は既に羂索に乗っ取られており追い出される。その後は死滅回遊を平定するために桜島結界から参加、禪院直哉の呪霊を真希と迎撃する。
西宮 桃(にしみや もも)
呪術高専京都校3年生で、アメリカ人の父を持つ。2級呪術師。術式は「付喪操術(つくもそうじゅつ)」。箒に乗ることで空を飛ぶことができ、索敵を得意とする。また、人ひとり浮かせる程度の呪力の風を放つことで攻撃可能。
小柄でかわいらしい見た目だが、機嫌を損ねた際は口が悪くなる。辛苦を重ねながら呪術師として生きる真依を敬愛しており、真依を蔑む相手には激しい敵対心を燃やす。女の呪術師の立ち位置の難しさを知り、ルックス・実力ともにある完璧な呪術師でないとナメられると考えている。また、見た目でナメられたくないという理由でピアスをつけ始めた。死滅回游では、秤へのメッセンジャーとして東京第2結界から参加。
禪院 真依(ぜんいん まい)
呪術高専の京都校の2年生で、真希の双子の妹にあたる。3級呪術師。身長170cm。術式(表向きは持っていないことになっている)の関係で基本的に銃などの武器に呪力を籠めて打ち出すことしか出来ない。呪力を持たない真希のことを見下すと同時に、姉のせいでなりたくなかった呪術師として努力せざるを得ないという恨みも抱いている。また、伏黒や釘崎に向かって死亡した(と思われていた)虎杖をあからさまに侮辱するなど、真希とは対照的に皮肉屋で冷笑的な性格をしている。アニメでは東堂にチケットを渡されて高田ちゃんと握手し、悪くないと感じていた。
無から物体を作る術式「構築術式(こうちくじゅつしき)」を使う。ピストルを愛用していて、リボルバーを使うのは弾数でブラフをはるためであり、弾を全部使ったと思わせておいて構築術式で弾を作り敵の不意をつく戦法を用いる。ただし、この術式は呪力の消費が激しく、体への負担も大きいため、真依では一日に弾丸一発を作るのが限度となっている。
渋谷事変後に禪院家へ行った際父の扇に攻撃されて瀕死の状態に陥り、自らの命と引き換えに作り出した釈魂刀のレプリカを真希に授け絶命した。
三輪 霞(みわ かすみ)
呪術高専京都校2年生。3級呪術師であり、刀を用いた戦法を取る。楽巌寺の秘書のようなことをしており、アポなしで楽巌寺の元にやってきた五条に厳しい態度を取る。だが実際は五条のファンらしく、きつい表情の裏では間近で彼を見られたことに大興奮し、一緒に写真を撮っていた。京都校の生徒の中では常識的であり、虎杖の暗殺にも乗り気ではない。弟が二人いて貧乏な生活をしており、自立するために昇級したいと考えている。中学1年生の時にアルバイト先でシン・陰流の最高師範からスカウトを受け、流されるように入学した。
武器は刀で、シン・陰流の使い手。簡易領域は領域内(半径2.21m)に侵入したものを全自動(フルオート)で迎撃する。刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させる、正面の敵に特化したシン・陰流最速の技「抜刀(ばっとう)」を使う。
作者によると、三輪の名前の由来はミーハーから。渋谷事変では、もう二度と刀を振るえなくなってもいいと縛りを科し、渾身の抜刀を羂索に振るうが片手で止められてしまった。死滅回游では、乙骨へのメッセンジャーとして仙台結界から参加。
与 幸吉(むた こうきち) / 究極 メカ丸(アルティメット メカまる)
呪術高専京都校2年生。準1級呪術師。通称である「究極メカ丸」は、与が昔観せてもらったロボットアニメに出てくるロボットの名前に由来している。
「天与呪縛」の持ち主で、生まれながらにして右腕と膝からの下の肉体と腰から下の感覚がなく、肌は月明かりでも焼かれるほどもろく、常に全身の毛穴から針を刺されたような痛みがある。その代わり、日本全土に渡る広大な術式範囲と強大な呪力放出能力を有している。
傀儡を作り操る術式「傀儡操術(かいらいそうじゅつ)」の使い手であり、普段は人型ロボットの傀儡「究極メカ丸」を遠隔操作して戦闘やコミュニケーションを行っている。この傀儡には刀剣や砲台など様々な兵器が内蔵されており、攻撃から防御にいたるまで幅広い局面で対応できる。また、複数体の傀儡を同時に操作し、相手を袋叩きにすることもできる。
当初は全身に包帯が巻かれた状態である建物の地下室にいたが、真人の術式によって健康な肉体を手にしてからは高専の制服を着ており、左頬には傷がある。
彼の呪術は、本人にとっては望んで手に入れた力ではないため、それと引き換えに健康な肉体になれるなら喜んでそうするとさえ発言している。また、人前に出られない姿と体質故に、周囲と完全に打ち解けることが出来ていないため、もし健康な肉体を手にしたら、仲間の術師達に直接会いたいと思っている。当初、人間で無いにも関わらず、日の下を自由に動くパンダに嫉妬と苛立ちを見せたが、交流会で交戦してからは、やや親密な関係になった。
健康な肉体を手にしてからは、術式範囲は縮小したが、同時に巨大装甲傀儡「究極メカ丸 絶対形態(モード・アブソリュート) “装甲傀儡究極メカ丸試作0号”」へ肉体を縛った年月で得た分の呪力をチャージし、消費することで特級クラスの莫大な呪力を一時的に放出できるようになった。
実は、真人の「無為転変」で体を治すことと、京都校の人間には手を出さないことを条件に、偽夏油(羂索)達の内通者をしていたが、呪霊たちが交流会で京都校の人間を襲撃したことを理由に内通者を辞退する。そしてとある山中のダムにて決裂、縛りの関係で一度真人に健常な肉体に変えられ巨大装甲傀儡で戦ったが、偽夏油及び真人との戦いの末に敗死する。ただし、自分が死ぬ前に、五条が封印されたら自身の作成した機械が作動するように仕向けており、虎杖らに呪霊側の情報が伝わるきっかけとなった。また、東堂を除く京都校の仲間が渋谷事変当日に東京から離れた僻地での任務に就くよう配慮を施していた。
新田 新(にった あらた)
呪術高専京都校1年生。新田明の弟。金髪で三白眼。関西弁を話す。1年だったため2018年の交流会に参加出来なかった。傷の悪化を止める術式の使い手。しかし、治ったわけではなく、さらに後からつく傷は術式対象外。渋谷に東堂と一緒に現れ、虎杖と釘崎に術式をともに施し釘崎をつれて離脱した。その際、虎杖のことを東堂の本当の弟と勘違いしている。
伊地知 潔高(いじち きよたか)
呪術高専において、会議の報告・司会進行や術師の任務の割り振り等を担当する、補助監督の中心的な存在に位置する男性。26歳。良くも悪くも事務的な態度で任務にあたるが、根は常識的で善良であり、子供の術師を危険な現場に送り届けることに対して内心で葛藤している。呪術界の革新を目指す五条と保守派の上層部との板挟みで心労が絶えない。
元々は呪術師志望であったが、五条に呪術師は辞めるように促された。五条・夏油・家入は彼の2つ上、七海・灰原は1つ上の先輩に当たる。また、補助監督ではあるがそれなりの戦術や耐久力を持っており、頑張れば3級呪霊までは倒せる。渋谷事変では重面春太に背後から3回刺されたものの、一命をとりとめた。死滅回遊では伏黒津美妃を死滅回遊から離脱するための身代わりとして真希に同行していた。ガイドブックによると名前の由来はアジアン・カンフー・ジェネレーションのドラマー、伊地知潔から。
新田 明(にった あかり)
呪術高専の補助監督を務める女性で、言葉の語尾に「…っス」とつけてしゃべる。新田新の姉。渋谷事変では釘崎と行動していたが重面に襲われ、駆けつけた七海によって救助される。
禪院 直毘人(ぜんいん なおびと)
禪院家26代目当主。特別1級呪術師。71歳。着物を着た老人男性。術式により五条悟を除いて「最速」の術師と呼ばれる。見たり触れたりした対象を二次元フレームに捕縛し、フレームを破壊しつつ対象に攻撃可能な「投射呪法(とうしゃじゅほう)」を使用する。1秒を24分割、自身の視界を画角とする。あらかじめ画角内でつくった動きをトレースする能力[29]。術式の発動中に直毘人の掌で触れられたものにも効果を発動。1/24秒で動きを作れない限り1秒間フリーズしてしまう。作った動きは途中で修正不可能。過度に物理法則や軌道を無視した動きを作れば自らもフリーズする。自由に使いこなすには天性のコマ打ちセンスと時間感覚が必要。
渋谷事変では陀艮との戦闘で右腕を失う重傷を負い、本来のポテンシャルを発揮できず漏瑚の隙をついた攻撃により全身を焼かれ、戦線を離脱。重体となり生死の境を彷徨っていたが渋谷事変終結後に息を引き取る。
禪院 直哉(ぜんいん なおや)
直毘人の息子。特別1級術師。27歳。禪院家最強の術師集団「炳(ヘイ)」の筆頭。関西弁で話す男性。父と同じ「投射呪法」の使い手。上昇志向が強く、他の禪院家の親族に対して不遜な態度をとる。「3歩後ろを歩けない女は死ねばいい」など男尊女卑思考を持っており、特に真希の事は毛嫌いしている。反面、生前の甚爾に対しては畏敬の念を抱いていた。
直毘人の死後、自身が次期禪院家当主になると自負していたが、遺言により伏黒恵が次期当主に決定した事に反発。伏黒の行方を聞き抹殺するため虎杖の前に現れる。時を同じくして虎杖を処刑するために現れた乙骨と分け合う形となり、自身は脹相と交戦するも敗れ、計画は途絶した。その後は禪院家屋敷に戻り、覚醒した真希と戦うが敗北して撤退、しかしかねてより恨みを買っていた真希の母親に殺される。
直哉の呪霊
呪力で殺されなかったため呪霊として復活した直哉。見た目は巨大な芋虫であるが、それは呪胎であり、変態を遂げると蛹のような姿になる。また切断された際、切断面から生前の直哉そのものの姿まで変化した状態で現れている。直哉としての自我が残っており、真希を殺すために桜島結界から死滅回游に参戦する。元の術式を使用できるだけでなく、領域展開「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」を習得した。
禪院 扇(ぜんいん おうぎ)
直毘人の弟で真希・真依の父。特別1級術師。長髪を後ろに結わえた壮年の男性。術式は炎を放出する「焦眉之赳(しょうびのきゅう)」で、刀が折られても炎で刀身を作れる。自分が当主になれなかったのは子供が出来損ないだからと考えており、渋谷事変後に呪術総監部の通達に乗じて殺そうとするが、覚醒した真希の攻撃を受けて死亡する。
禪院 甚壱(ぜんいん じんいち)
特別1級術師。「炳」に所属する術師。額に傷、ぼさぼさの髮に無精髭と荒々しい風貌の男性で直哉からは「甚爾くんと逆なら良かったのに」と挑発される。巨大な拳を複数顕現させて攻撃する術式を持つ。蘭太、長寿郎と共に真希と交戦するも死亡する。
九十九 由基(つくも ゆき)
特級呪術師。飄々とした陽気な女性。東堂のように初対面時の男性に女の好みを聞いてくる。また、高専関係者でありながら、天元のことを呼び捨てにしている。一人称は「私」。呪霊を狩るだけの高専の方針を「対処療法」として呪霊被害の根本的解決にはならないと考え、呪霊の発生を防ぐ「原因療法」で呪いの無い世界を作るために世界を回っている。一方で、任務を全く受けず海外を放浪する「ろくでなし」としても知られている。移動の際はバイクに乗る。
術式は自らに仮想の質量を付与する「星の怒り(ボンバイエ)」。切り札として呪力出力の高い拡張術式を有するとされ、領域展開も習得しているが詳細不明。術式で呪具化した「凰輪(ガルダ)」という式神をつれており、唯一自分以外の術式対象にできる。元星漿体で、天元とも一度会ったことがある。呪術総監部に術式情報を握らせていないなど謎も多い。過去に当時小学3年生の東堂葵に出会い、彼が呪術師となる大きなきっかけを作った。
2007年に呪術高専を訪問した際、当時3年だった夏油と会話する。その際、非術師を守ることに疑念を感じ始めていた夏油の「(呪いのない世界を作るには)非術師を皆殺しにすればいい」という発言を「それもアリだ」とあっさり肯定した上で、自分はそこまでイカれていないと言い、彼に「『非術師を見下す自分』と『それを否定する自分』のどちらを本音にするかは君次第」と述べた。最後は夏油に「星漿体(天内理子)死亡後も、何らかの理由で天元は安定している」と伝え、高専を去った。
渋谷事変終盤、虎杖・偽夏油の前に姿を現し、部下に負傷した呪術師の保護を命じ、自身は偽夏油と舌戦。過去に夏油に問うた答えの続きを尋ね問答を繰り広げるも、偽夏油一派の撤退によって決着はつかなかった。その後は天元と話すため、天元の要請に従い脹相と共に天元の護衛として薨星宮に残る。死滅回遊では薨星宮に侵入してきた羂索を脹相と迎え撃ち彼を追い詰めるが敗北。自身は脹相を逃して捨て身で術式を発動して自爆する。
七海 建人(ななみ けんと)
1級呪術師。27歳。五条の1つ下の後輩であり、灰原とは同期だった。非術師の家系出身で、母方の祖父がデンマーク人。薄茶色のスーツを着た、茶髪で七三分けの男性。見られていることに気付くと襲ってくる呪霊がいることから、自身の視線を隠すためにツル部分の無いゴーグルのような眼鏡をしている。常に真顔で、あまり表情を崩さない。冷静沈着で物事を俯瞰的に観ることができる。誰に対しても丁寧に話すものの、基本的に無愛想である。その内心では情に熱く、自身が認めた相手には相応の敬意を示し、仲間を殺した敵には激怒して本気で攻める。自らの立場への責任感は強く、困難と認めた問題に対しては油断せず本気で挑む。先輩である五条からは信頼されている一方、本人は五条に対して信用・信頼はしているが尊敬はしていない。
また、当初は虎杖を「子供」と見なし、呪術師として認めてはいなかったが、共に活動をすることで徐々に彼の実力や志しを認め、最終的に1人の「呪術師」と認めた。虎杖からも「ナナミン」という愛称で呼ばれたり、メカ丸から受け取った情報を真っ先に伝えたりと信頼されている。好物はパンで、カスクートを特に気に入っている。
対象の長さを線分した時に7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す術式「十劃呪法(とおかくじゅほう)」の使い手。弱点を的確に攻撃することができれば、格下であれば峰打ちでも身体を両断し、格上にもそれなりにダメージを与えられる。全長だけでなく、頭部や腕など部分までを対象として指定することが可能。そして、術式で破壊した建造物の瓦礫に呪力を込める「瓦落瓦落(がらがら)」という拡張術式を用いることができる。また、「時間」による縛りを自ら課しており、普段は呪力を制限しているが、彼の定めた時間を超えて戦闘をすると呪力が上昇する特性を持ち、本人はこれを時間外労働にたとえている。「時間外労働」の際はネクタイを右手に巻き、術式を併用した右の拳の一撃で建物を破壊するほどの攻撃力と、並の斬撃や一蹴りが一切効かないほどの耐久力を持つ。
武器は大鉈で、普段は呪符を巻いている。領域展開は習得していないが、黒閃の連続発生記録の保持者であり、4回という記録を残している。高専1年の時は灰原と共に行動しており、五条に振り回されていた。2年の際に2級呪霊(本当は1級案件)を祓う任務で灰原が死に、そのショックから高専卒業後は逃げるように一般の証券会社に入社した。「自身はやり甲斐とは無縁」と言い聞かせ、金のために重労働を繰り返す日々を過ごしてきたが、行きつけのパン屋の女性(声 - 植田千尋)との出会いをきっかけに、自分が「やり甲斐」を求めていたことに気付き、呪術師の道へと戻った。
渋谷事変では、五条封印後に重面春太を倒した後、禪院班に合流し陀艮を祓ったが、漏瑚の奇襲により上半身を焼かれ、渋谷駅構内にて真人の無為転変で殺される。
猪野 琢真(いの たくま)
七海の助手を務める2級呪術師。21歳。七海の任務を一度手伝って以来、彼のことを非常に尊敬しており、七海からも期待されている。一方で、後輩である虎杖と伏黒に対しては本人なりに先輩としての振る舞いを徹底している。また、「筋」を通すことを重要視し、七海には準1級くらいすぐなれると考えられているが、「尊敬している七海サンから認められずに1級になる訳にいかない」という理由で、彼の推薦で昇級することにこだわりを持つ。単純な性格の持ち主でもあり、七海の口車によく載せられる。
顔を隠すことで自らが霊媒となり四種の瑞獣の能力を降ろす降霊術「来訪瑞獣(らいほうずいじゅう)」の使い手で、術式の都合で戦闘時は常に目出し帽を被っている渋谷事変の際は七海から虎杖と伏黒を託され、オガミ婆とその孫が帳を降ろしているのを見つけ、戦闘に持ち込む。その際、「禪院甚爾」を降ろされた孫によって、ビルの屋上から落とされるが、伏黒の救助により一命をとりとめた。死滅回遊後は回復しており、五条に何らかの話を持ち掛ける。
一番「獬豸(カイチ)」1本の角を顕現し、相手を追尾する。人間の肉体を抉る攻撃力を誇る。
二番「霊亀(レイキ)」体に呪力の水を纏ってクッションとして防御する。足に纏えば滑るような特殊な歩法が可能。
三番「麒麟(キリン)」脳内麻薬を大量分泌して体の痛感をオフにする。使った後はしばらく動けない。
四番「竜(リュウ)」詳細不明。
灰原 雄(はいばら ゆう)
七海と同期であった2級呪術師。非術師の家系出身。呪いが見える妹がおり、彼女には高専に来ないように強く言いつけていた。七海と対照的に、常に周囲に明るく愛想良く振る舞っている。先輩の夏油を非常に尊敬している。呪術高専2年の時、2級呪霊の討伐任務に失敗して死亡した。
冥冥(めいめい)
1級呪術師。五条や庵の先輩であり、彼らからは「冥さん」と呼ばれる。高専の協力者だが、普段は単独で活動しており、個人から報酬を受け取ることもできる。冥冥は本名ではない。長い白髪を持ち、戦闘時は前髪を多めに垂らして顔を隠す。
飄々としながらも、金に汚い一方で、真希や虎杖を術師として高く評価したり、弟の憂憂を溺愛するといった情に溢れた一面もある。烏を操る術式「黒鳥操術(こくちょうそうじゅつ)」の使い手であり、鳥と視界を共有したり、それをモニターに映すこともできる。「命」をかける縛りを使いこなすことで、術式効果を最大限まで高めている。また、鍛錬や呪力で肉体を強化しており、術式無しでも十分戦える。武器は自身の背丈ほどの長さの斧。
黒鳥操術の真骨頂である「神風(バードストライク)」は、烏に自死を強制させる縛りを課すことで、本来微弱である動物(烏)の呪力制限を消し去り、相手へ体当たりさせることができる術式である。これを防げたのは五条悟のみ。
2006年の時点で1級であり、当時2級の庵と任務を請け負ったことがある。渋谷事変では特級呪霊の疱瘡婆と交戦し勝利。その後、偽夏油(羂索)に殺されかけたため憂憂の術式でクアラルンプールに逃亡した。死滅回遊ではリスク分散と先行投資のため、憂憂と共に高専組の死滅回遊平定に協力する。人外魔境新宿決戦では術式で新宿で行われる戦闘をインターネット上で配信し、高専メンバーにも様子を中継している。
憂憂(ういうい)
冥冥の弟。とにかく姉への愛が重く、術式含めた呪術も「姉の所有物でありたい」という気持ちが強く姉の許可が無いと使えない縛りをしている。シン・陰流「簡易領域」の使い手であり、戦闘時は姉に代わって領域対策を行う。転移する術式を持っており、渋谷から海外のクアラルンプールに移動できるほど範囲が広い。渋谷事変では冥冥と共に参戦して、彼女の戦闘をサポートしている。
夏油 傑(げとう すぐる)
「最悪の呪詛師」と称される特級呪詛師。両親は非術師。五条悟のかつての「たった一人の親友」で、互いに下の名前で呼び合った。五条袈裟を着込んだ、黒い長髪の男性。不敵な笑みを浮かべていることが多い。身長は五条(190cm以上)と同程度。
五条のように飄々として掴みどころがなく、時折相手を挑発する。学生時代の経験から、「非術師を淘汰し、呪術師だけの世界をつくる」ことを目標に掲げており、仲間の呪術師には「家族」として暖かく接し、特に若い呪術師には、たとえ敵対関係にあっても非常に尊重した態度を示す。その一方で、非術師を「猿」呼ばわりするほど忌み嫌っており、基本的に冷淡な態度で接し(猫を被るように愛想よく接する場合もある)、協力関係にある者ですら、用済みと判断すれば躊躇無く呪殺する。
呪霊を取り込み自在に操る術式「呪霊操術(じゅれいそうじゅつ)」の使い手であり、呪霊を降伏させ球体状の呪力の塊にしたものを飲み込んで取り込む。一度取り込んだ呪霊は、媒介無しに自在に出し入れ可能であり、取り込める呪霊の数に制限は無いが、人間と主従関係がある場合はその人間を殺害する必要がある[注釈 3]。呪霊の視界を共有することはできないが、祓われたかを感知することは可能。ただし、本人は呪力の塊を口から取り込む方法に不快感を示している。また、夏油が死亡した場合取り込んだ呪霊がどうなるかは不明で、一気に暴走する可能性がある。式神使いのように呪霊を用いた遠隔攻撃を主流の戦闘スタイルとしているが、体術も強く、近接戦闘にも対応できる。物を格納できる呪霊(元は甚爾が飼っていた)により、常に呪具を取り出せる。乙骨との戦闘は三節棍の特級呪具・游雲(ゆううん)を使用している。
元都立呪術高専生で、五条悟、家入硝子とは同級生。親友である五条とは高専2年の時点で共に最強として名を馳せていた。学生時代は、五条よりは良識的であり、不遜な言動や無理が絶えなかった彼の注意役でもあった。また、当初は「呪術師は非術師を守るためにある」と考えていた。
懐玉編の高専2年時(当時の階級は1級)、星漿体・天内理子の護衛の任務に五条と取り掛かり、「Q」を初めとする星漿体を狙う呪詛師達を打ち負かした。しかし、任務最終日に高専を襲撃した伏黒甚爾により天内を殺され、夏油も敗北を喫す。その後、盤星教「時の器の会」に天内の遺体を五条と引き取りに行った際、盤星教信者の拍手と笑顔を見て、非術師を守ることに疑問が生じる。
玉折編の高専3年時には特級呪術師になっていた。しかし、呪霊を取り込み続けた苦しみと非術師を守ることに対する疑念から徐々に信念が揺らぎ始め、九十九との会話で、「非術師が全て死ねば呪霊もいなくなる」という考えが生まれ、その後も後輩の灰原の死から更に信念が揺らぐ。そして、任務先の村で虐待を受けていた呪術師の菜々子と美々子と出会い、遂に「猿(非術師)は嫌い」を本音にすることを選ぶ。そして、村の住人112人を皆殺しにし、さらに「実の家族だからと特別扱いするわけにいかない」という理由で、自身の両親も殺害し、これに伴って呪術界上層部から死刑対象に指定されることとなる。
新宿で家入と五条に「呪術師の世界を作る」という「大義」を述べて別れを告げた後、盤星教の仲介人の孔に教団幹部を集めさせ、代表役員の園田を幹部達の目の前で殺害し、盤星教を乗っ取った。その後は設立した宗教団体を呼び水に信者から呪いと金を集め、同時に「家族」と呼ぶ仲間の呪詛師も集めた。
前日譚「東京都立呪術高等専門学校」では、百鬼夜行当日に、かねてより興味を持っていた特級過呪怨霊・祈本里香を入手するために単独で都立呪術高専に侵入し、帳を降ろす。彼女が取りついていた生徒・乙骨との激戦の末に敗れ、最期はかつての親友である五条によってとどめを刺された。しかしその後、何者かが夏油の遺体を盗み出し、その肉体を乗っ取る。なお、乙骨との戦闘で用いた特級呪具・游雲は高専によって保管された。
虹龍(こうりゅう)
懐玉・玉折編で使役した呪霊。等級は不明。龍の姿をしており、当時夏油が持つ呪霊の中で最高硬度。甚爾に祓われた。
口裂け女
懐玉・玉折編で使役した仮想怨霊。等級は不明。質問に答えるまで不可侵を強制する「簡易領域」を展開する。甚爾に祓われた。
化身玉藻前(けしんたまものまえ)
特級仮想怨霊(高専登録済)。百鬼夜行で乙骨と里香を相手に出すが祓われる。
極ノ番(ごくのばん)「うずまき」
所持している呪霊を一つにまとめて超高密度の呪力を相手にぶつける。手数を捨てるが、準一級以上の呪霊を使用した際、その術式を抽出して使用可能になる。
枷場 菜々子(はさば ななこ)・美々子(みみこ)
夏油一派の幹部である双子の少女で、常に二人で行動する。百鬼夜行の時点で両者とも15歳である。菜々子は出しゃばった言動が目立つ性格で、美々子は対照的に物静かな性格。
故郷の田舎にて、呪術師であることを理由に住人たちから虐待されていたところを夏油に救われて以来、彼に心酔している。ただし、あくまで重視しているのは夏油の思想よりも夏油の人生であり、夏油を殺した五条に対しては「絶対に許さないが親友であるからそれでもいい」としている。一方で、夏油の肉体を利用している偽夏油については強い殺意を向け、彼を殺害することで夏油を解放しようとしている。
戦闘時、菜々子は自身の携帯電話に呪力を込めて相手を撮り、美々子は縄で相手の首を絞めて吊るす。作中で彼女達の呪術の詳細は明かされていないが、宿儺は菜々子の攻撃を「被写体の状態をどうこうするもの」と推測しており、この術式を自分達に向けることで2人は漏瑚の攻撃を回避している。美々子の術式は発動条件は不明だが、普段持っている首が吊られた人形の状態が反映されて、対象の首が吊るされるものである。
渋谷事変編では、偽夏油達と渋谷駅に同行する。五条悟封印後、偽夏油に肉体の返上を迫ったが、縛りを設けていなかったことを理由に拒否され、その場を立ち去った。その後、脹相との戦いの後で気絶した虎杖に宿儺の指を1本食べさせ、その後目覚めた宿儺に更なる指1本と引き換えに偽夏油殺害を懇願するが、宿儺に「不愉快」と見なされ、殺害された。
ミゲル
夏油一派の幹部。海外出身の呪術師で、夏油を王にするために彼の下についていた。夏油のことを「夏油」と呼び捨てしている。百鬼夜行における戦闘時は、普段は腰に巻いている特殊な縄(本人曰く「母国の術師が1本につき何十年もかけて編んで作る」代物)の「黒縄(こくじょう)」を使う。これは特級相当の呪具で、縄には珍しい呪いが編み込まれており、五条の「無下限呪術」含めてあらゆる術式効果を乱し相殺する。
百鬼夜行では新宿で五条の足止めを担当した。その後は五条に目を付けられることになり、第33話の扉絵に、海外にいる乙骨と同行している姿が描かれており、後に黒縄の残りがあるか海外で探していたと語られている。
ラルゥ
夏油一派の幹部。常に上半身が裸で、ハート型のニップルステッカーとカチューシャを身に着け、顔には化粧をしている。オネエ口調で話し、夏油を含める他人を「ちゃん」付けで呼ぶ。ミゲル同様、夏油を王にするために彼の下についていた。また仲間想いな性格で、仲間の意見を尊重し、逆に仲間(呪術師)同士の傷つけ合いは「夏油が1番望んでいない」として嫌う。
百鬼夜行後は幹部内の揉め合いを仲裁し、「各々好きなようにすればいい」と提案する。結果として一派の分裂を決めることとなったが、それでもなお別々の道を歩む一派の仲間たちを「家族」と呼び一緒に食事をするという望みを語った。その後は九十九由基と行動を共にしていたようである。
菅田 真奈美(すだ まなみ)
夏油一派の幹部。スリムドレスを着た長髪の若い女性で、夏油に対する忠誠心は高く、彼同様に非術師を「汚らわしい」と蔑んでいる。百鬼夜行では新宿で指揮を取っていた。百鬼夜行後は、夏油の遺志を継ぐため、他の仲間たちと共に偽夏油に協力する。渋谷では日下部とパンダの前に姿を現すが漏瑚と宿儺の戦いに巻き込まれ、その後の消息は不明。
祢木 利久(ねぎ としひさ)
夏油一派の幹部。顔に傷のある男性。元は菜々子や美々子と似た境遇にいたところを夏油に救われた過去がある。夏油と同じく非術師を猿と呼び蔑んでいる。百鬼夜行後は、真奈美と同じく夏油の遺志を継ぐため、他の仲間たちと共に偽夏油に協力する。渋谷では日下部とパンダの前に姿を現すが漏瑚と宿儺の戦いに巻き込まれ、その後の消息は不明。
重面 春太(しげも はるた)
呪霊達に協力する呪詛師。サイドテールで、華奢な体格の小柄な青年。無邪気な笑みを浮かべている。「自分が楽しければそれでいい」という理由で相手を一方的に痛めつける下衆な残忍さを持ち、特に女性を痛めつけることを好む。一人称は「俺」。
「奇跡」を貯める術式の使い手。日常の小さな奇跡(デジタル時計のゾロ目等)を重面の記憶から抹消して蓄え、重面の命に関わる局面で放出する。奇跡の多寡は目元の文様で識別出来る。なお、重面自身は自身の術式をよく分かっておらず、目元の文様に対する自覚もない。武器は鞣造が人の手から作った剣の呪具で、背後から相手を刺したり、生物のように操ったりする。本人曰く「非力」であり、その剣からも手を握ってもらっているという。交流会編では真人らと共に交流会に潜入し、鞣造が降ろした嘱託式の帳の効果の確認を担当した。
渋谷事変編では、味方の数や配置を知らされていない上で、裏梅からの指示で渋谷駅の周辺にいる伊地知を襲撃する。その後、釘崎と新田と対峙し、彼女らを痛めつけて楽しむが、その途中で、犠牲となった伊地知らの姿を見て激怒した七海の襲撃を受ける。その後、蓄積した奇跡を消費する形で復活を果たすが、魔虚羅調伏の儀に巻き込まれた結果、宿儺の斬撃で死亡した。
粟坂 二良(あわさか じろう)
呪霊達に協力する呪詛師。ダルマを思わせる顔をしており、伏黒からは「ダルマ爺」と呼ばれた。弱者の蹂躙を好む残忍な性格をしており、パワーバランスで自身を含む呪詛師の活動を制限する五条悟を畏れ恨んでおり、故に「生涯現役」を貫き通そうとしている。また、過去に五条の殺害を試みるが、その六眼故に手を出せずに終わった。自身が受けた力の強弱を逆転させる術式「あべこべ」を使う。渋谷事変で、あべこべに出来る上限と下限があることを伏黒に見切られ、伏黒と虎杖に強い力と程々の弱い力の同時攻撃の前に敗北した。
オガミ婆(オガミばば)
呪霊達に協力する呪詛師の老婆で、死者に変身する「降霊術」を使う。数珠を持って長い念仏を唱えた後、霊媒(自他共に有効)に化ける人物の死体の一部(遺骨等)を呑ませ、その者の名前(より出生時に近いもの)を言ってその霊を降ろす。「肉体の情報」と「魂の情報」に分けて降ろすことが可能で、肉体のみを降ろすことで霊媒の自我を保たせることが出来る。戦闘時は、念仏中は孫(声 - 綿貫竜之介)に自身を護衛させた後、彼に霊の肉体を降ろして戦闘させる。
人殺しを厭わない冷酷な人物で、30年ほど前は自身の降霊術を利用した暗殺をこなして金を稼いでおり、五条の暗殺を試みたこともあったが、その六眼ゆえに手を出せずに終わった。幼いころに誘拐して血縁を偽って育てた孫が何人かいる。
渋谷事変では、孫の一人を連れ、粟坂と二人で外側から渋谷駅周辺に術師の侵入を防ぐ嘱託式の帳を降ろす。その後、降霊術で孫に「禪院甚爾」の肉体を降ろして猪野を打ち負かす。しかし、降ろした肉体が魂を上書きしたことで甚爾が完全復活してしまい、オガミ婆は撲殺された。また、自我を奪われた孫も最終的に甚爾の自害に伴って死亡した。
蛯名 仁次(えびな にじ)
呪霊達に協力する呪詛師。呪霊でいう準1級以上の強さだった。鎖に繋いだ呪霊(蛯名のペットではなく捕まえた野良の呪霊)を連れている。渋谷では東京メトロの線路で冥冥を始末するために現れるが、彼女に圧倒される。土下座までして助命を請うが、殺害された。
吉野 順平(よしの じゅんぺい)
里桜高校2年生で、呪いを見ることができる。映画が好きで、マイナーなB級映画や古い作品のリメイクものまで幅広く鑑賞している。自宅鑑賞よりも映画館で観ることを好み、学校をサボった際には1人で映画館に足を運んだ。また、高校1年生の時は友人2人と映画研究会を発足するが、伊藤ら不良生徒に部室を占拠されてしまい、反抗したことからいじめられ、不登校になった。そのため、「無関心こそ人間がいきつくべき美徳」と考え、真人に造り替えられ異形と化した人間を見ても顔色をほとんど変えなかったが、内心ではイジめた人間への復讐を望んでいる。一方で、母である凪への愛は非常に深い。頭はそれなりに良いが、視野が狭く、真人に殺される直前まで彼の危険性を見抜くことができなかった。
映画館で出会った真人の手ほどきで、自身の呪力から毒を精製する術式を覚え、さらにその毒を分泌する大型のクラゲの式神「澱月(おりづき)」を使役できるようになった。真人との会話で復讐への思いをより強くし、家の前で会った教師を呪おうとするも虎杖と出会い助けられ、彼と仲良くなる。別れ際の虎杖の言葉を聞いた後母のことを考え、一度は復讐を諦めようとも考えていた。だがその後、偽夏油達の策略で母が殺され、真人にそそのかされる形で伊藤に復讐すべく高校を襲撃する。生徒達を眠らせ、自身の術式の毒と暴力で虐めの主犯である伊藤を死亡寸前に追い込むが、止めに入った虎杖と戦うこととなる。戦いの中彼の必死の説得の末に改心し、虎杖に呪術高専の編入を勧められる。しかしそこに現れた真人により「無為転変」で異形の姿に変えられ、虎杖を追い詰めるための駒として利用された挙句無理な改造が祟り死亡した。なお、事件後の里桜高校では退学扱いとなった。
伏黒 甚爾(ふしぐろ とうじ) / 禪院 甚爾(ぜんいん とうじ)
「術師殺し」の異名を持つ殺し屋で、恵の実父である。自分が付けた実の息子の名前を忘れ、更に息子を担保に博打の資金を調達するほどに冷淡な人物である。自尊心は捨てたと自称するほど、基本的に面倒事を避ける性格で、危険を察知すると違和感を覚えてその場から逃げる。
極めて特殊な「天与呪縛」によるフィジカルギフテッドであり、呪力を完全に持たない(完全に無いのは世界でただ一人)にも関わらず、呪縛の強化によって視覚や嗅覚などの五感が呪霊を認識できるまでに鋭くなっており、呪霊を腹に入れる等、呪いへの耐性も獲得している。さらに、跳躍だけで五条の「蒼」の効果範囲から脱出し、「赫」により弾き飛ばされても軽傷で済むなど、常人離れした身体能力を持つ。戦闘に用いる呪具は、飼いならしている武器庫代わりの呪霊(等級は3級以下)に携帯させている。
強大な身体能力を持つ反面、素手で呪霊を祓うことは出来ないため、生家である禪院家では酷い扱いを受けていた。やがて家を出て行き、恵の実母となる女性 (声 - 名塚佳織) に婿入りして伏黒に改姓し、息子(恵)を授かったことで一時期は丸くなった。しかし、その妻が亡くなり、恵が小学1年生の時に津美紀の母親と付き合うも共に蒸発し、以降は女を転々とするヒモとなった。
懐玉編では、盤星教「時の器の会」から3000万円の報酬で星漿体・天内理子の暗殺の依頼を受ける。最初に、天内の護衛をする五条の神経を削らせるために、同化の2日前から当日まで、闇の匿名掲示板で天内に3000万円の懸賞金をかけ、五条と夏油を賞金目当ての呪詛師達と闘わせた。
同化当日の懸賞金失効後、呪力を持たない自分が高専の結界を突破できることを利用して自ら単身で高専に奇襲し、五条や夏油を退けて天内を殺害する。盤星教に彼女の遺体を引き渡した直後、反転術式で生還した五条に敗れ、2・3年後に自分の息子が禪院家に売られること告げて死亡する。
それから10年以上後、五条が封印された際に、オガミ婆の降霊術によって彼女の孫に「禪院甚爾」の肉体の情報が降ろされるが、降ろされた肉体(禪院甚爾)が霊媒(孫)の魂を上書きしてしまい、結果的に伏黒甚爾が完全に復活してしまう。甚爾は復活直後にオガミ婆を撲殺したが、オガミ婆の死後も降霊術は継続していた。さらに禪院甚爾の特殊性故に終了する契機を失ったため、術式は暴走し、強者ただ狙う殺戮人形と化した。陀艮の領域から脱出しようとした恵達の前に現れ、彼らを圧倒していた陀艮を逆に圧倒する。その後恵と交戦する中で、彼がわが子であると理解し、彼が禅院ではなく伏黒と名乗ったことに笑みを浮かべると、自ら命を絶った。
両面宿儺(りょうめんすくな)
「呪いの王」と称される特級呪物であり、虎杖に受肉する形で登場した。劇中では単に「宿儺」と呼ばれることが多い。宿儺が肉体の主導権を握ると、全身に文様が浮かび上がり、爪は黒く鋭く伸びる。虎杖の自我を保たせたまま、顔や手に口を出現させて声を出すことも可能とする。虎杖の体内に作った生得領域では、袖の広い女性物の白い和服を着ており、生得領域は肋骨のような巨大な物体の下に水と牛の頭蓋骨が敷き詰められている空間になっている。
両面宿儺とは腕が4本、顔が2つの仮想の鬼神とされる存在だが、作中の宿儺は1000年以上前に実在した人間であり、その見た目や強さが似ていることから宿儺と呼ばれるようになった。呪術全盛の時代に術士が総力を挙げて両面宿儺に挑んだが、四本腕に腹に口という特殊な肉体と、二種の呪具「神武解(かむとけ)」「飛天(ひてん)」を駆使する宿儺に敵わず敗れたと言われている史上最強の術師。その後、何らかの理由で羂索と契約して死後に呪物となり、計20本の指の屍蝋が特級呪物として残されたが、当時の術師達は封印することしかできず、後に散逸する。この呪物の破壊は不可能で、現代には封印が緩んでいることで、呪いを呼び寄せるようになっている。
残忍な性格で、女子供を皆殺しにするのを好み、己の快不快のみを生きる指針とする。力以外の序列を嫌い、自身が「強者」と認めた相手には強く興味を持ち、逆に「弱者」とみなした相手は一方的に痛めつけて楽しむ。虎杖を「つまらない」とする一方で、英集少年院での出来事から伏黒(特に彼の「奥の手」)に対して強い興味を抱いている。また、虎杖を言葉遊びで弄んだり、隙を見て自ら宿儺の指を食す等、狡猾な一面もある。
真人の「無為転変」の影響を一切受けないが、本人は真人に魂を触られることを嫌がる。逆に、宿儺が真人の肉体にダメージを与えることが可能である。また、肉体の主導権を握っている間は、心臓を抜き取っても生き続けることが出来る。肉弾戦が主流で、受肉直後から虎杖の肉体を使いこなしている。
術式は「御廚子(みづし)」で、自らの領域「伏魔御廚子(ふくまみづし)」を展開できる。その他にも、四肢を復元し他者も治せる反転術式や領域展延も使え、一度見た呪術に関する技はすぐに習得できる。呪力量は乙骨憂太の倍以上あり、呪力効率は六眼持ちの五条悟に次ぐ。
物語当初、虎杖が呪霊を祓う呪力を得るためにその指を食したことで、彼に受肉する形で復活するも、肉体の主導権を完全に奪うことはできず、またその後に現れた五条に圧倒される。これ以降、宿儺は虎杖の体に生得領域である「伏魔御厨子」を作り、普段はそこで息を潜め、時折肉体の主導権を行使する。
英集少年院では、虎杖の意思で一度肉体の主導権を得て少年院の特級呪霊を祓い、それが取り込んでいた指を取り込んだ。しかし、虎杖が縛りを設けていなかったことからすぐに入れ替われず、それをいいことに、虎杖の心臓を抉り取って彼を人質にした上で伏黒と交戦するが、肉体の主導権を取り戻した虎杖によって死亡する。この時に伏黒恵で何かをしようと画策する。その後、虎杖を自らの領域に引き込み、「宿儺が『契闊』と唱えたら1分間肉体を明け渡す」「(肉体を明け渡す間)宿儺は誰も殺さないし傷つけない」「この契約を(虎杖本人は)忘れる」という契約を結んだ上で蘇生させた。
渋谷事変では、脹相との闘いで気絶した虎杖が合計で11本の指を飲まされたことにより、一時的に体の主導権を握る。美々子、菜々子を殺害し、漏瑚との交戦で、パンダ、日下部、呪詛師等を巻き込んだ後に漏瑚を殺害、瀕死の伏黒を魔虚羅から救出し撃破した後に、重面春太を殺害。家入の救護テント付近に伏黒を運び、虎杖と意識を交代する。死滅回游では伏黒恵が姉が万の器となっていたことに心を折られた所で、契闊で虎杖と入れ替わり指を呪物化、かねてより器として目をつけていた伏黒に無理矢理喰わせてその身体に受肉した。虎杖と真希を退けた後は裏梅と姿を眩ませ、自らは伏黒の魂をより深く沈めるため浴の儀式を行うと、完全にその魂を沈めるために伏黒の姉津美妃に受肉した万を殺しに仙台結界に向かった。
御廚子(みづし)「解(カイ)」と「捌(ハチ)」の2種類の斬撃を操る術式。
「解(カイ)」通常の斬撃。斬撃は飛ばすことが可能。人外魔境新宿決戦にて、魔虚羅の適応を手本として対象を拡張することで、空間・世界ごと切断する世界を断つ斬撃にまで昇華させた。
「捌(ハチ)」対象の呪力差、強度に応じて一太刀で卸す斬撃。対象を蜘蛛の巣のような太刀筋で切り裂く「蜘蛛の糸」という技も使う。
「◾️」「開(フーガ)」の呪詞で発動する炎の術式。炎を弓矢のようにつがえて放ち、魔虚羅を一撃で屠る威力がある。
領域展開「伏魔御廚子(ふくまみづし)」厨子のような巨大な建物が出現し、領域展開中は呪力の無いものに解、呪力を帯びたものに捌が絶え間なく浴びせられる。これは他の領域と異なり、結界で空間を分断しておらず、「相手に逃げ道を与える」という縛りにより、必中効果範囲は最大半径約200mにまで底上げされている。
十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)伏黒恵の術式。宿儺は全ての式神を調伏した。御厨子との同時併用は基本できない。例外は領域に付与する外付け的運用のみ。
「穿血(せんけつ)」満像の水を放出する能力のみ顕現させ、赤血操術の穿血のように水を圧縮して撃ち出す。
「嵌合獣 顎吐(かんごうじゅう あぎと)」式神の「鵺」に渾(こん)で「大蛇」「円鹿」「虎葬」を継承させた人型の式神。円鹿の反転術式と鵺の電気の性質を持つ呪力を操る。
「八握剣 異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)」
最強の式神。対象の攻撃などを受けて、あらゆる事象に適応する能力を持つ。宿儺は魔虚羅の適応を肩代わりすることで、魔虚羅の破壊を逃れながら対象の術式を看破するという運用をしている。
羂索(けんじゃく)
夏油傑の姿をした正体不明の人物で、真人達からは単に「夏油」と呼ばれている。詳細は不明だが何かを企んでおり、そのために特級呪霊達と手を組んでいる。本物の夏油と同様に飄々とした掴み所が無く、常に不敵な笑みを浮かべているほか、大声で笑うことがある。ただし、非術師を「猿」と呼ばない、術師をぞんざいに扱うなど、本物とは異なる言動も見られる。また、呪霊と手を組んでいながら、内心では呪霊を見下しており、逆に本人も漏瑚から軽んじられている。
脳を入れ替えて他人の肉体を乗っ取る術式を所有しており、額には脳を入れ替えた際の縫い目がある。乗っ取った肉体に刻まれた術式も使えるため、夏油の「呪霊操術」も使う。百鬼夜行で夏油が呪霊を使い果たしていたが、元々羂索が契約していた呪霊を取り込んだことで質は衰えていない。加えて天元に次ぐ結界術の使い手だという。
一方で、入れ替え後の羂索の脳には生前の夏油の肉体の記憶が流れている。さらに、五条が夏油本人に向けて言葉を投げかけた際、羂索の意思に反し、あたかも夏油本人が返事をするかのようにその右手が首を強く締めた。これらのことから、真人が「魂は肉体の先に在る」としているのに対し、羂索は「肉体は魂であり魂は肉体である」と考えている。
夏油の肉体を奪う以前には、虎杖の母親である虎杖香織の肉体に宿っており、彼女の術式である反重力を生む「反重力機構(アンチグラビティシステム)」も使用できる。羂索はこの術式を術式反転で使うことで強力な重力で押し潰す攻撃としている。領域展開は宿儺と同じで結界を閉じずに展開し、重力を必中とする「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」。
百鬼夜行後、夏油の呪霊操術と五条との関係に目を付け、夏油の肉体を乗っ取る。本人曰く「五条が家入に遺体の処理をさせなかったおかげで楽に乗っ取れた」とのこと。
虎杖死亡後、呪霊の漏瑚達と手を組み始め、「人間を滅ぼし、呪いの世界を作る」ことを目標に掲げる彼らに、「五条悟の封印」と「両面宿儺の引き入れ」を提言する。その後、2018年10月31日に渋谷で五条を封印する計画(渋谷事変)を立て、その準備に入る。その際、本人は高専関係者から身を隠すため、戦闘や呪術の使用はせず、呪霊や呪詛師の指揮に専念した。渋谷事変当日に特級呪物・獄門疆を用いて五条を封印する。
渋谷事変終盤、虎杖との戦いに敗れ瀕死の真人の術式を抽出し吸収する。その後、反旗を翻した脹相によってその正体が「史上最悪の術師」加茂憲倫である事が看破される。虎杖や九十九たちと交戦を続けた後に1000万体の呪霊を解き放ち、獄門疆を持ったまま撤退した。その後は日本の全人類の進化のため、天元と人類の同化を画策し、その前段階として、自分が契約した呪物や術式を与えた者たち同士の殺し合い「死滅回游」を開始する。
虎杖たちが高専に戻って薨星宮で天元と接触した際に「羂索」という名前と、彼が1000年前から存在している術師であることが明かされた。かつてから人間の可能性の探究をしている人物。死滅回遊では回遊の慣らしを終わらせる生贄を用意するために、表向き呪術師狩りと称して各国に軍隊をその日に派遣させるように交渉しており、軍隊が結界内に雪崩れ込む事態を発生させた。そして死滅回游の役割が終わった後に薨星宮に現れ、脹相に対して天元と日本の非術師の同化は一億人の呪力を擁する呪霊になると考えており、それを行おうとするのは、面白いから見てみたいという理由であることを語った。
疱瘡婆(ほうそうババア)
特級の特定疾病呪霊。天然痘の恐怖から生まれた呪霊で、羂索が渋谷事変で冥冥の撃退用に出した。ミスリードのため羂索は疱瘡神(ほうそうがみ)と嘘をついた。領域展開を使い、必中効果により対象を棺桶に閉じ込め、墓石を落として地面に埋葬、3カウント経過で病により即死させる。しかし領域対策をしていた冥冥によって祓われた。アジアの神の呪い。特級呪霊。海外で手に入れた呪霊。あらゆる障害を取り除く術式を有していたが、九十九に祓われた。
裏梅(うらうめ)
羂索達に協力する呪詛師。羂索や宿儺と同様に千年前の術師であり、宿儺の従者かつ専属の料理人を務めていた。宿儺への忠誠心は高く、自分以外の他者を顧みることのない宿儺からも認められるほど有能。人間を調理する才能にも秀でており、おいしい料理を作ることができるという理由で宿儺に隣に立つことを許されている。受肉に際して器となった人間の名前は氷見汐梨(ひみ しおり)。氷を顕現させる術式「氷凝呪法(ひこりじゅほう)」を用いる。冷気で広範囲を凍結させる「霜凪(しもなぎ)」という技を使う。
現代に受肉し、羂索と共に暗躍しており、鞣造に取引を持ち掛け、交流会の開催期間にある高専の襲撃を命令した。渋谷事変編では宿儺と再会し、会話を交わしている。死滅回遊後に宿儺が器とした伏黒恵の魂をより深く沈めるための浴の準備を行った。
日車 寛見(ひぐるま ひろみ)
死滅回游の参加者。参加結界は東京第1。術師として覚醒したタイプ。本業は弁護士。36歳。ボサボサした頭に三白眼、弁護士バッチをつけたスーツが特徴。T大出身。法学部受験や法科大学院導入前の旧司法試験といった難関受験を全てストレート通過してきた天才であり、術式の覚醒からわずか12日間で呪術を理解し一級術師並の戦闘力を持つ。59期盛岡修習を経て、現在は岩手弁護士会に所属している。かつては強い正義感を持った弁護士であったが法制度の限界、検察のマンパワー、世間からのバッシング、そして敗訴した被疑者の避難の目から理性の糸が切れ術式が覚醒。裁判官と検事を殺害し死滅回游に参加した。
武器は術式に付属するガベルを使用。領域展開「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」がデフォルトで組み込まれている術式を持つ。能力は領域内で相手のかつて犯した罪を式神のジャッジマンが読み上げ、日車と相手が証言し、有罪になった場合相手の罪の重さに乗じて刑罰(ペナルティ)が下るというルールを必中させる。刑罰は相手の術式を使用不可にする「没収(コンフィスケイション)」、さらに一番重い刑罰「死刑(デスペナルティ)」になった時は日車のガベルが斬られたものは例外なく死ぬ「処刑人の剣」に変化する。ただ領域が解除されるため斬れるかどうかは日車次第。死滅回游では東京第1結界侵入後に20人以上の泳者を返り討ちにして100点以上を獲得する。
万(よろず)
死滅回游の参加者。参加結界は東京第1。伏黒恵の姉・伏黒津美紀を器として受肉した平安時代の術師。一方的に宿儺に好意を抱いており、その孤独を独り占めするという勝手な考えで付きまとう。受肉後は津美紀の振りをして現状を把握し、伏黒の話から譲渡された得点を消費して死滅回游から離脱する案を聞かされて、苦労せず点が得られるならとそのまま津美紀の振りを続ける。術式は呪力を使い物体を構築する「構築術式」を使い、燃費の悪さを補うために虫の鎧を構築して纏う戦闘方法を確立する。また中長距離戦闘では液体金属を使う。構築した物体を必中させる領域「三重疾苦(しっくしっくしっく)」を展開する。
東京第1結界では戦う場所を選ぶために、譲渡された100点を消費して結界を自由に出入りできるルールを追加し、その本性を露わにする。
髙羽 史彦(たかば ふみひこ)
死滅回游の参加者。参加結界は東京第1。術師として覚醒したタイプ。売れないお笑い芸人で、いつまでもウケない自分に不安を抱いていたが、先輩の芸人から自分のことを面白いと勘違いできるのが売れ続ける芸人だとアドバイスをもらう。死滅回游では、自分に初めて笑いを教えた芸人を模した左半身のみの衣服という特徴的なコスチュームで参戦し、誰も殺さず0点のまま戦っていた。
武器にハリセンを使ったり、ギャグ漫画のようなふざけた戦いをする。術式はウケると確信したことを実現させる「超人(コメディアン)」で、五条悟にも対抗できうるものの自分の術式のことを何も知らない。死滅回游では、伏黒が黄櫨の攻撃を喰らおうとしていたところに割り込み、伏黒と共闘する。
来栖 華(くるす はな)/天使(てんし)
死滅回游の参加者。参加結界は東京第2。「天使」の異名を持つ千年前の過去の術師。天使のような見た目の女性で、背中の翼で飛行する。他の受肉体と異なり天使は器である来栖の意識を消さずに共生している状態。天使は独自の思想を持ち、受肉体の一掃と、堕天と呼ぶ宿儺を消し去ることを目的としている。かつては安倍家精鋭の一人として「涅漆鎮撫隊(でっしちんぶたい)」に所属し宿儺と戦ったが、退けられている。来栖は昔、呪霊による神隠しにあった時伏黒に助けられたことがあり、それを運命と感じたことで伏黒に相応しい人間になるため人を助けていた。術式はあらゆる術式を消滅させる「邪去侮の梯子(やこぶのはしご)」。東京第1結界に突如現れ、負傷した伏黒を救助した。
鹿紫雲 一(かしも はじめ)
死滅回游の参加者。参加結界は東京第2。400年前の過去の術師。かなり好戦的な性格で、史上最強の術師である両面宿儺と戦うために羂索と契約して呪物となる。武器は棒型の呪具「如意(にょい)」。呪力は電気と同じ性質を持ち、鹿紫雲は常に帯電している。電荷を誘導することで呪力攻撃は領域展開せずとも必中である。術式は「幻獣琥珀(げんじゅうこはく)」で、術者の肉体を人の域を超えたものに作り変える。しかしその反動で術式終了後は肉体が崩壊するため、対宿儺専用として使用していない。普段は呪力の特性と操作、体術のみで戦う。
宿儺を探す中で多くの術師を殺害して死滅回游開始から10日ほどで200点を獲得し、強者を探すために全泳者の情報を開示させる新ルールを追加した。パンダと交戦し彼を圧倒したところで乱入してきた秤と戦闘になる。
シャルル・ベルナール
死滅回游の参加者。参加結界は東京第2。術師として覚醒したタイプ。両親がフランス人で生まれも育ちも日本の男性。漫画家志望だがまだ何の賞も取っておらず、画力もかなり低い。武器は術式に付属している巨大なGペン「G戦杖(ジーせんじょう)」で、武器で対象に傷を付けることを条件に対象の約1秒先の未来を見れる術式を持つ。渋谷事変により東京が壊滅し、あらゆる漫画が発信されなくなったことに絶望。終わった景色を見るために東京第2から死滅回游に参加する。
石流 龍(いしごおり りゅう)
死滅回游の参加者。参加結界は仙台。かつては伊達藩に所属していた400年前の過去の術師で、特に悔いは無かったが漠然とした不満があったことで羂索と契約して呪物になる。泳者一の呪力出力を誇り、大砲と称される。術式はリーゼントを大砲に見立てて呪力を放出する「グラニテブラスト」。領域展開を使えるが詳細不明。呪力放出という単純な術式であるため領域展開後も同等の攻撃が可能な唯一の術師。
烏鷺 亨子(うろ たかこ)
死滅回游の参加者。参加結界は仙台。平安時代の過去の術師で、元藤氏直属暗殺部隊「日月星進隊(じつげつせいしんたい)」の隊長。両面宿儺に遭遇したことがあり、彼を恐れている。かつて同族殺しの汚名を着せられたため藤原の人間に恨みを持つ。悔いがあることから二度目の人生を願い、羂索と契約して呪物となる。羂索を信用しておらず、対策のために得点を稼ぐ。空間を面で捉える空を操る術式を持ち、空間を対象諸共割ることでダメージを与える技「宇守羅彈(うすらび)」を使う。
ドルゥヴ・ラクダワラ
死滅回游の参加者。参加結界は仙台。倭国大乱において単独で列島制圧を成し遂げた過去の術師で、死滅回游は二度目の受肉。自立する二種類の式神と、その式神の軌跡を自身の領域にする術式を持つ。式神の軌跡に入ったものは切り刻まれる。強力な術師だったが、乙骨により討伐される。
黒沐死(くろうるし)
死滅回遊の参加者。参加結界は仙台。羂索が呪霊操術の支配から解放したゴキブリの特級呪霊(登録済)。ドルゥブとの相性の悪さから、ドルゥブが仙台結界内で生存していることを導入条件に休眠していた。呪力で強化したゴキブリを操る術式を持ち、「爛生刀(らんしょうとう)」という武器を使う。単為生殖が可能で、事前に産んでおけば、倒されても子に日本中の畏怖の呪力が注ぎ込まれ新たな黒沐死として現れる。ドルゥブが乙骨に倒されたことで空腹状態で目を覚まし、乙骨を貪り喰らうために襲いかかる。
祈本 里香(おりもと りか)
乙骨憂太に取り憑く特級過呪怨霊(とっきゅうかじゅおんりょう)。「呪いの女王」とも称される。元々は乙骨の同級生で婚約者の少女で、2011年に交通事故で亡くなったが、その後すぐに呪いに転じ、乙骨に取り憑いた。享年11歳。
元は愛らしい少女だったが、呪いと化してからはその面影さえない醜悪かつ凄惨な容貌となり、その性格も、乙骨に危害を加えた人物に躊躇なく制裁を下すほど凶暴になった。制裁の際、乙骨の制止は一切聞いておらず、乙骨を守りながらも、高専に入るまでの彼の制御下にはなかった。嫌いなものは乙骨以外の人間(特に女性と年上男)で、大嫌いなものは祖母の作った茄子の煮浸し。
5歳の時、母親が原因不明で急死した。小学校入学の2日前、父親に登山に連れられ共に行方不明になる。1週間後、山頂近くの避難小屋で里香だけが保護されるも、父親はそのまま失踪し生死不明。検査入院した病院で、肺炎で入院していた憂太と出会い、同じ小学校に復学。その際、母の結婚指輪を盗んで彼に婚約指輪として贈った。里香を引き取った父方の祖母は、自分の息子とその妻は里香によって殺害されたと強く思い込んでいた。生前、憂太の妹とは友好関係を築いていたが、死後怨霊になってからは攻撃的になり、憂太が家族と離れるきっかけになった。
呪いとなってからも真希に嫉妬の矛先を向けるなど、乙骨に激しく執着していたため、当初は呪いに転じたのは彼女の過ぎた愛と執着によるものだとされていた。乙骨の「最愛の人の魂を抑留する縛り」という縛りから、変幻自在で底なしの呪力を持ち、それにより乙骨の「底なしの呪力」と「無条件の術式模倣」が実現している。乙骨とは彼の婚約指輪で繋がっており、呪力の媒介にも用いられる。五条や、呪術界の上層部からはその強大さを危険視されていた。
2016年12月24日の百鬼夜行では、乙骨と共に夏油と激戦を交え、勝利を収める。戦いの後、里香が乙骨に呪いをかけたのではなく、乙骨が里香への執着心から呪いをかけて彼女を怨霊にしていたことが判明し、呪いをかけた乙骨が主従制約を破棄したことで解呪が実現した。最終的に、彼女は本来の姿を取り戻し、感謝を述べた後は笑顔で成仏した。その後、里香の遺志は乙骨の外付けの術式「リカ」に残り続けている。
真人(まひと)
人間への恐れから生まれた未登録の特級呪霊で、人語を解す。髪が長く、身体中継ぎ接ぎだらけの青年のような姿をしている。子供のような明るさを持ち、時には人間にも親密に接するが、その本性は冷酷非情で、人間を玩具程度にしか考えていない。後述の術式で、人間の魂を見て直接触れることができ、それ故に「魂は肉体の先に在る」(これは彼の術式の大前提でもある)「人間の喜怒哀楽や感情は全て魂の代謝物にすぎず、命に価値や重みは無い」という持論を掲げる。また、「軸や一貫性に捕らわれずに、偽りなく欲求の赴くままに行動するのが呪い」とした上で、「呪いは呪いらしく生きるべき」という考えを持ち、合理的な目標達成の為に、自己犠牲を厭わない漏瑚や感情的に楽しまない花御の思想にやや否定的な態度をみせる。発生してから日が浅く、呪霊としては未熟な面があるものの、成長速度は凄まじい。
生物の魂の形を変えて対象の肉体を自由に変形・改造する術式「無為転変(むいてんぺん)」の使い手。この術式で相手の脳を圧迫して殺害したり、「改造人間」とよばれる化け物じみた姿にして使役することもできる。また、自身の魂の形を正確に把握すれば、自身の肉体を自由に変形させることもできる上、肉体にどれだけ攻撃されても、自身の魂に直接攻撃されない限り呪力さえ残っていれば即座に肉体を再生できる。ただし、発動条件として原型の手で相手に触れる必要がある。また、自身の形を変える直前には呪力のタメがあり、その隙に連撃されるとダメージを受ける。さらに、魂へのダメージが肉体にも反映される上、両面宿儺の様に本人より格上の魂に干渉することは出来ない。その性質上、宿儺の器・虎杖悠仁と相性が悪く、真人にとって虎杖は天敵にあたる。生得領域である「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」を展開すると、術式の必中効果により無為転変の弱点である射程の狭さが解消される一方、領域展開で消費した呪力の回復には10日間かかる。
虎杖死亡後、漏瑚らと共に偽夏油と手を組み始める。幼魚と逆罰編では、自分の術式で生きた人間を生きたままどの程度弄れるか確認する「実験」を繰り返しており、川崎市の映画館で、マナーの悪い高校生を殺害した際、その一部始終を見ていながら敢えて声をかけてきた順平に興味を示した。順平に対し呪術を教えるなど親切に振る舞うが、内心では何ら思い入れが無く、ただの玩具としてしか考えていなかった。その後、母を喪った順平を唆し里桜高校でイジメの主犯格を襲わせた後、虎杖に敗北して改心しようとした順平を術式で殺害する。だが、虎杖との戦いの中で、宿儺の魂に触れたことが本人の癪に障り、撃退される。
高専で交流会が行われる間、校内に保管していた宿儺の指と呪胎九相図1番〜3番を奪取し、受肉させる。その後、彼ら3人のうちの壊相と血塗に、八十八橋にある宿儺の指の回収を言い渡す。渋谷事変編では電車の乗客を改造人間にして五条の元へと向かうが、五条によってすべて破壊される。その後は五条悟が封印されたことで虎杖を殺すために探しに向かう。終盤、虎杖と東堂の連携で倒され、弱ったところを羂索に取り込まれてしまい、うずまきの材料として消費された。
改造人間
真人に無為転変で改造・使役化された人間。真人は普段、縮小化したものをストックしている。呪霊の様に呪力を宿す異形で、真人の指示に従って人間を襲う。元が人間であるため、非術師にも視認される。稀に自我をやや保っている個体も存在し、彼らは苦しみを訴えている。一度改造された人間は二度と戻ることは無く、対峙したら殺すしかない。また、2体以上の改造人間を融合させる「多重魂(たじゅうこん)」という技を持ち、それによって発生した拒絶反応を利用し、魂の質量を爆発的に高めて相手に放つ「撥体(ばったい)」と呼ばれる技へと発展させることもできる。
漏瑚(じょうご)
大地への恐れから生まれた未登録の特級呪霊。1つ目の小柄な男性の人型。頭頂部は火山の様になっており、常に耳栓をしている。人語を解している。正の感情(建前)を表に出して負の感情(本音)を隠して生きる人間を「紛い物」と呼び、その負の感情から生まれ落ちた呪いこそが真の人間であるという考えの持ち、故に人間を滅ぼすべき存在とみなしている。また、「死すら恐れず目的のために裏表の無い道を歩むことが呪いの真髄」としており、必要とあらば自身を犠牲にすることを厭わない。呪物を蒐集する趣味を持つ。
火炎や火山を生み出し操る術式の使い手である。また、我が強く、非常に短気で激情しやすい性格をしており、感情が昂ると、頭頂部と耳から高熱を噴出する。領域展開「蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)」は並の術師であれば入れた時点で焼き切り、超高熱を必中させる。
虎杖死亡後、花御らと共に偽夏油と手を組みはじめる。だが、偽夏油からの忠告を無視して単身で五条の殺害を試みるも失敗し、首だけの姿にされたところを花御らによって救出される。これ以降は、宿儺が自分達の敵になりうるリスクを踏まえた上で、虎杖に宿儺の指を呑ませて宿儺を復活させることを目論んでいる。
渋谷事変で五条が封印された後、宿儺を復活させるべく、自分が所持していた宿儺の指10本を虎杖に呑ませ、宿儺を目覚めさせる。その後「1発でも当てられたら呪霊の下に着く」という条件の下で宿儺と交戦するが敗北して死亡した。
花御(はなみ)
森への恐れから生まれた未登録の特級呪霊。人語を解してはいるが、漏瑚や真人と異なり「何を言っているかは分からないのに内容は頭に入る」独自の言語体系を確立しており、漏瑚や伏黒からは気色悪がられている。一人称は「私」で、誰に対しても丁寧口調。五条からの呼び名は「雑草」。
冷静かつ紳士的な性格で、呪霊の中でも理性的な存在。自然を何よりも愛し、星(地球)を守ることを目的としている。そのため、自然に優しい人間の存在を認めつつも「自然と人間の共存は不可能」として、人間を滅ぼさなければならないと考えている。また、当初は戦闘を「目的達成のための手段」としかしておらず、感情的に楽しんでいなかったが、真人の指摘や虎杖・東堂との激戦を経て、楽しめるようになった。
植物を生み出し操る術式の使い手であり、多様な植物を用いて相手を直接攻撃したり、心理戦と併用して相手の不意をつくことを得意とする。耐久力が非常に高い反面、「目」に相当する小さい樹が弱点である。領域展開は相手の戦意を削ぐ花畑の効果を必中させる「朶頤光海(だいこうかい)」。
また、植物に潜り込める特殊な気配を持っているため、五条は「限りなく精霊に近い存在」と推測し、交流会で呪霊・呪詛師が高専の結界を抜けられたのは彼の存在によるものと考えている。さらに、左肩には「供花」(くげ)と呼ばれる目玉のついた花があり、左腕で周囲の植物の命を呪力に還元することで、開花させたうえで、その呪力を放出することができる。本人はこの技を使うことに消極的であり、本気で戦う場合を除き、左腕は常に布で覆っている。虎杖死亡後、漏瑚らと共に偽夏油と手を組みはじめる。渋谷事変編では渋谷駅で漏瑚・脹相と共に五条と交戦するも敗死する。
陀艮(だごん)
海への恐れから生まれた未登録の特級呪霊であり、虎杖死亡後に偽夏油と手を組み始める。2本の筋肉質の腕を持つタコのような姿をしており、頭から布を被っている。また、「ぶふぅー」と鳴き、言葉をあまり話さない。臆病ながらも仲間想いな性格である。
水を生み出し操る術式の使い手であり、伏黒の式神「満象」を遥かに上回る大量の水を用いて相手を押し流したり、水没させたりできるほか、防壁としても活用できる。非常に高い体力を持ち、並大抵の攻撃では弱まらない。翼を得てからは滞空も可能になった。また、呪胎の時には大量の人間を捕食していた。「蕩蘊平線(たううんへいせん)」という領域を有しており、展開するとビーチのような光景が広がる。この領域では「死累累湧軍(しるるゆうぐん)」という、どう猛な魚の式神を際限なく大量に召喚する術式を発動できる。
実は偽夏油と出会った時の姿は呪胎であり、渋谷事変の最中に変態を遂げ、体表が赤く顎髭のような触腕とコウモリのような翼を持つ大柄な人型となった。変態後は性格が勇ましくなっているほか、流暢に人語を話すようになった。「呪霊にも名前がある」として、本名で呼ばれることに拘りを持ち、「呪霊」と端的に呼ばれることを嫌う。この姿で直毘人、七海、真希の3人を相手に闘っていたところ、伏黒の登場により劣勢に立たされ、次いで現れた禪院甚爾の襲撃を受けて死亡した。
脹相(ちょうそう)
呪胎九相図1番で、長男にあたる。髪を結い、厚手の和服を着た男性で、鼻筋の部分には横長の黒い長方形の模様がある。兄弟の中で最も人間に近い姿をしている。基本的に無頓着な表情を見せ表情をほとんど崩さないが、弟達を最優先に考えるほど兄弟愛が深く、壊相・血塗に対しても「俺達は3人で1つだ」と発言している。
御三家・加茂家相伝の術式「赤血操術(せっけつそうじゅつ)」と肉弾戦を併用した戦法を取る。この術式の一つである「苅祓」(かりばらい)は、鼻の黒い部分と手から血液を排出・操作して相手を攻撃するものであり、非術師の身体を容易く切断・貫通するほどの威力を持つ。ただし、通常時に体外操作している血液は凝固反応がない故に水に溶けやすく、逆に血液を凝固させると威力が低くなる上に突発的な血栓症になるリスクもある。一方で、血星磊」(けっせいせき)は、血栓症のリスクを逆手に取る形で、凝固させて水に溶けにくくした血液の塊を用いる技となっている。また、呪霊と人間の混血という特性から、彼の血は呪霊や人間にとっての毒となり、反転術式で傷を治療されても毒によって相手を弱体化できる。さらに術式によって自分の血の繋がった兄弟たちの異変を感じ取ることができ、後述のように虎杖の異変を術式にて感じ取ったことにより、逆説的に虎杖が自分の弟であると確信している。
交流会編で真人に回収され、起首雷同編で人間に受肉した。八十八橋で壊相と血塗を虎杖・釘崎に殺害されてからは、弟の仇である2人への復讐(殺害)と高専に保管されている他の弟達の回収を目論んでいる。
渋谷事変編では、渋谷駅で漏瑚・花御と共に五条と交戦する。しかし、花御が死亡した後ですら、漏瑚に「協力しなければ貴様から殺す」と怒鳴られるほどにやる気を出さず、五条からも「攻撃の優先順位は低い」と見なされ、領域展開を除く彼の攻撃も一切食らわなかった。五条悟封印後に虎杖捜索を開始し、駅構内で彼と交戦する。激戦の末に虎杖を気絶させるが、トドメを指そうとした瞬間、虎杖が弟であるという存在しない記憶に戸惑い、逃走する。その後、偽夏油の正体が自分たちの産み出し弄んだ加茂憲倫である事を看破。同時に自身の術式の特性により血の繋がりを感じた虎杖を加茂憲倫によって産み出された自身の弟であるとみなし、虎杖との戦いに仕向けた偽夏油に激昂し反旗を翻す。渋谷事変終結後は虎杖を守るべく、彼と行動を共にしている。
死滅回遊では、虎杖への刺客として現れた禪院直哉と交戦し彼を撃退。その後乙骨や伏黒と合流した虎杖と共に高専に赴き、さらに合流した九十九由紀と共に天元のいる薨星宮へ赴く。そこで加茂憲倫と呼ばれた術師の正体とその目的を知り、天元の要請に従い九十九と共に天元の護衛として薨星宮に残る。薨星宮に侵入してきた羂索を九十九と迎え撃ち彼を追い詰めるが敗北。その後は九十九に逃がされ、高専に合流して事態を伝える。
呪胎九相図。呪胎九相図(じゅたいくそうず)とは明治の始め(約150年前)、史上最悪の術師・加茂憲倫が呪霊の子を孕む特異体質の女性に懐妊と堕胎を9回繰り返す形で生み出された存在であり、九相図になぞらえる形で個体名が付けられている。 後に特級呪物として高専で保管されるが、交流会で真人が1番〜3番を奪取し、人間に受肉させたことで脹相・壊相・血塗が復活した。 彼らは人間に特に恨みは無いが、「呪霊が描く未来の方が自分たちにとって都合がいい」という脹相の考えから、受肉の恩を忘れた上で偽夏油達に協力しているものの、呪霊たちに対する信頼は無い。 九相図は全員母親の記憶は無いが、互いに深い兄弟愛を持っている。また、加茂憲倫が九相図制作時に自らの血を混ぜたため、脹相は加茂家相伝の「赤血操術」を受け継ぎ、他の九相図も自身の血液を用いる術式を持ち、さらに呪力を血液に変換できる特異体質であるため、失血死しない。
壊相(えそう)
呪胎九相図2番。次男。筋肉質でモヒカンの男性で、裸体の上に女性物のボディハーネスを身につけている。背中に不気味な顔があり、そこから発する臭いと相まって、本人のコンプレックスになっている。しかし、隠すと蒸れるので露出しており、背中を見られると、「バチ殺し」と称して見た対象を殺そうとする。紳士的な振る舞いに加え、兄弟愛が深い。一方で、激怒すると口調が荒くなる。
自身の血液を相手に浴びせて腐蝕させる術式「蝕爛腐術(しょくらんふじゅつ)」の使い手。血液は有毒で、浴びた物体はすぐに腐蝕し、人間の場合、全身に浴びない限りは死ぬことは無いが一部だけでも激痛を伴う。ただし、自身の血液を使う性質上、釘崎の「芻霊呪法」と相性が悪く、腐蝕箇所に「共鳴り」をされると心臓にダメージを負う。また、この術式で三男・血塗と繋がっており、血液を通じての「共鳴り」のダメージは両者とも同時に受ける。受肉後、真人らに頼まれた「お使い」として、血塗と共に宿儺の指を回収しに八十八橋に出向き、八十八橋の特級呪霊の生得領域を出た虎杖と釘崎と交戦の末に死亡する。
血塗(けちず)
呪胎九相図3番。三男。呪霊のような異形。手足が生えた青い肉塊のような姿をしていて、小さい顔の下に大きな口がある。常に顔や大きな口から血を垂らしている。弱者と遊ぶことを好む。弟として、兄である脹相と壊相のことを慕っている。「蝕爛腐術」の使い手であり、前述の大きな口から血液を吐いて相手に浴びせるが、壊相のものより毒性は低く、浴びるだけでは腐蝕がおこることはない。なお、壊相同様に「芻霊呪法」とは相性が悪い。また、この術式で次男・壊相と繋がっているため、血液を通じての「共鳴り」のダメージは両者とも同時に受ける。
受肉後、真人らに頼まれた「お使い」として壊相と共に宿儺の指を回収しに八十八橋に出向き、八十八橋の特級呪霊の生得領域を出た虎杖と釘崎と交戦の末に敗死する。膿爛相(のうらんそう)、青瘀相(しょうおそう)、噉相(たんそう)、散相(さんそう)、骨相(こつそう)、焼相(しょうそう)呪胎九相図4番〜9番。上記3名以外の未受肉の個体。真人によって持ち出されなかったため、高専の忌庫に保管されている。後に脹相が回収した。
蝗GUY(こうガイ)
夏油たちに協力するバッタの呪霊。名前は真人が命名。4本の腕を持つ。たどたどしくはあるものの人語を話し、賢さに強いこだわりがあるのか、自分自身のことを「賢い」と思い込んでいる。準1級以上の強さだが、術式を持たないため2級に分類される。渋谷事変では真人に連れられて明治神宮前駅で嘱託式の帳を守っており、一般人を捕食していた。虎杖と戦闘になり、小細工を弄しても埋まらない実力差で祓われた。
まとめ
プログラミングの勉強を独学でしておりアプリゲームを自作で独学で作っているがやっぱりなかなか難しい。例えば、コンパスとタイマーのプログラミングをチートで自分のスマホ中のアプリゲームに入れてみたりしている。スマホアプリにはローカル環境でインストールすることは可能ではあるのだが、実際に動くまで見ていると難しい。プログラミングは検索エンジンで見れる範囲までではないので、農作業器具や蛇口、お風呂の中にもプログラミングは実は入っているので結構奥が深いものではあるが勉強しようと思ってもなかなかできるものではない。最近は自作のSNSは作ることができるようになった。動画専用のSNSとテキスト・画像・軽い画像のSNSも作れるようになったがテキストメッセージが出来ないのでここから先は手が動かない状態である。コメントを入れたりするのはできるのだがプログラミングはやっぱり難しい。。。