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「Rewind feat. ZORN」からMACCHOに思いを馳せる

客演のMACCHO

「Rewind」の話に入る前にMACCHOが近年客演として参加した曲から探ってみようと思う。

黒かと思ったけどよく見りゃ深いブルー 色染み付いて焦がす胸Life
今死ねない理由人知れず 矛盾未熟は今だ消えず嫉妬して寝る
無邪気に笑う面どっか影 触れず 歪んだ一面塞いで 普通似せて楽にスルー
癒しに飼われた痛みより痛い傷 隔てるものがあるそりゃ兆しの分
命が燃えてまた今日も事を動かす 心動かす本能の言葉話す
(中略)
何処だっていいんだよ 支度なんかしなくたって行こう 陽が暮れっから
眼の奥に秘めたエゴ蔵う瞼 なぁ どんな時にこんな唄歌う?

NORIKIYO / 俺達の唄 feat.MACCHO

2019年に発表されたこの曲のMACCHOのバースでは、
自問自答しながら生き、自分でも説明がつかない感情を抱えている様に見えた。
たまにちょっとグサッとくる事も気にしていなかったが、見過ごせないほど傷口に触れた時に自分はまだ生きたいと思っている事を自覚したのでは無いだろうか。
「蔵う」は本来なら「仕舞う」となりそうだが、自分の感情を奥深くに置いてあったことを表現するためにこの表記を選んだように思えた。

いい加減まじで個性も超えた これコンプレックスとエゴで
肯定してく完結とかしねぇで
また予定がよく変わる完璧主義も皮肉
何でこんな事ばっかずっとしてんだ俺
ノロマ走れず止まれず歩く怖気ずく足
歴史14から42のわりに少ない作品
時に客演なきゃいない半ば都市伝説に
いつも忘れても思い出しマシな歌詞書き足す
別に才能がねぇのかとか思いが足りねぇとか
感情がネガティブな時に拗れる
優柔不断な最中矛盾にからかわれた
必死にダラダラと終わりを始める
同世代でも最初最年少だったけど
いつの間に1人 今じゃ迷路を瞑想
多少の運命ぐらい無視
遅い亀が見た長い旅夜の美しき朝

般若 / 土砂降りでも Remix feat. Benjazzy (BADHOP) , MACCHO (OZROSAURUS)

この曲は2021年に発表されたが、この曲でもMACCHOが自分の中の矛盾と向き合っている様に見えた。
14歳でHIPHOP界隈では最年少でデビューを果たしたものの、その割に確かに作品は少ない。いわば天才肌だった当時から考えられないほど自分に対してネガティブになっている。
ただ、歩みは止めずにずっと歩いている、休んでいる訳では無い。
納得のいくものを作りたいから寡作なんだろう。もう小説家みたいだ。
土砂降りの中で亀がここまで歩いてきたからこそ見えた美しい朝があった
とMACCHOは言うが、一体それは何のだろうか?

MACCHOが思う「人間」とは

あってないような 理由の一部
そんで何でなんて 言われてみても
そんな思ってないし どうせ毎日気分 
気まぐれな性分
(中略)
違う視点で苦悩しても
自分愛して夢描く
単純簡単難関複雑迷惑今日も
無能の人 人と遠い距離秘境の奥に
放浪者火を焚き巣を張り1人きり
気持ち内から外 外から内
愛おしい 毎日それを更新 愛おしい

OZROSAURUS / Rewind feat. ZORN

「Rewind」は、そもそも人間は気分屋であることを前提に置いた始まり方だった。これまでの曲を踏まえると、必死にもがいていた様に見えたからこそ、気分屋というのはちょっと拍子抜け感がある。
でも、やっぱり単純簡単かと思いきや自分でも説明がつかないモヤモヤを抱える事もある。

そんな時に大自然の中に身を置いた時に愛しいという感情が芽生えた。
何に対してそう思ったのか?

春夏秋冬 喜怒哀楽
愛を多くへ 信頼は近く少数
人間味があるほど 神と共通
憂鬱な気持ち持つ陽気な動物
Rewind Rewind
Rewind Rewind

OZROSAURUS / Rewind feat. ZORN

季節と人間の感情を重ね、
自分の感情が移りゆくのは自然な事であり、人間はそういう生き物であると。憂鬱な気持ちも持つけれど、陽気な気持ちも持っている、
これが、MACCHOが歩みを止めずに見えた人間であり、
その不安定さが美しく愛おしいと思ったのかもしれない。
この愛を多くに届けたくて、数少ない信頼できる仲間であるZORNとこの曲を出したのかもしれない。

矛盾を愛おしく

「なんで自分はこんなにダメなんだろう」と、とことん落ちる時もあるけれども、いつしかそんな事も忘れてケロッとしていたりする。
これは人間が元々持ち合わせている感情なんだ、だから憂鬱になり過ぎないで良い。それが矛盾していたって良い。神ですら説明出来ない事もあるのだ。そんな自分を愛してくれ。
そんなことを言っているのかもしれない。

約30年前にHIPHOP界に突如として現れた若き天才が、
人は気分屋だけど憂鬱になる生き物なのだから無理をするなというメッセージを出しているのは、意外性がありながらも波瀾万丈の彼だからこそ発信ができることだと思う。どの口が何言うかが肝心。

最後までありがとうございました。

OZROSAURUS / Rewind feat. ZORN
https://www.youtube.com/watch?v=wGjMyd6Y2M0&list=RDwGjMyd6Y2M0&start_radio=1


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