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地震を震災にしないために(4)


・長期間を見越した備え

すぐに実行するのは困難でも、考えておいて頂きたい事があります。


・4月が新年度の理由

コロナが始まって初期の段階で「9月新年度論」が展開されていました。
この際だから、諸外国と同様に新年度を9月からにしようというものです。
さすがにこれはまずいと思い、知事室に反対意見のメールを送りました。
早々に立ち消えになってくれたようで、ほっとしましたが、また何時ぶり返してくるかも知れません。

一時的な安易な考えで賛同してはならないと思います。

どうして日本では新年度が9月ではなく、4月からなのか?
これには防災の観点が働いていると思います。

学校は重要な避難場所、として位置づけられています。
それが9月新年度となると、梅雨から台風の時期が教職員の異動の時期と重なってしまいます。
赴任仕立てで、学校施設の状態も、地域の特有な状況も、何も知らない状態の教職員が避難者を受け入れることになってしまいます。

これでは非常に危うい、ということです。

ここまで考えていたのかどうかは判りませんが、明治維新後に学制が定められた当時にも、外国は9月新年度だったと思われます。
それでも4月新年度を採用しているのです。

海外留学で1年無駄になるなどの、余裕のある人々の身勝手な理由で、
大地に根を張って生きている人々を危険に晒す訳にはいきません。


・地方公務員の居住地

地方公務員が、勤務先自治体外に居住していることも多くなっていると思います。

理想としては、地方公務員の皆さんには、勤務先自治体もしくは、その隣接自治体程度の距離、災害時に即座に勤務先の役場で活動できる範囲での居住をお願いしたいと考えます。
災害時の迅速な対応行動、地元の情報収集には欠かせないものと考えるからです。

交通の便の良い地域であれば、かなり遠方からの通勤も考えられます。
交通が麻痺してしまえば、移動すら困難になります。
役所も、交通費としての手当の支給を住居費の補助として活用する考えもあってよいと思います。
そうすれば地元人口の増加にも一役買うことにもなるでしょう。

また山村地帯など、商業施設が少ないなど不便で文化的生活ができないとの理由で、多くの職員が自治体外に居住している町村などでは、無料の公務員宿舎を用意したり、区域内居住手当を出してでも災害時に必要な最少人員は確保しておくべきだと思います。


・AMラジオ廃止の影響は?

近々ほとんどが廃止になるAMラジオ。
防災グッズとしてラジオが挙げられていることが多いのですが、FMラジオでは電波の届く範囲が狭いため、放送局との距離は近く、自分の被災程度が酷ければ放送局も同様であり、情報の入手を期待できないことになると思います。

どこかの放送局が被災した場合に、近隣の放送局が代替放送を行なうネットワークの確立が必要だと考えます。


・避難場所の樹木の利用

一時避難場所として、学校や大規模公園が指定されていると思いますが、公園樹・街路樹の燃料としての利用を考えておくべきだと考えます。

焚火をする場合に、伐採直後に水分量が多くても着火しやすい樹種、熾火としても利用できる長時間燃焼する樹種などを検討して、効率よく植栽配分しておくべきだと思います。
できれば、大型の刃物を必要としないものが望ましいでしょう。
かまどの形の工作などがすぐに行なえるように、転用できる石材等の配置を考えておくことも有意義だと考えます。

火事の延焼防止の観点から、サンゴジュなどの防火樹を植栽してある場合もあるとは思いますが、敷地面積の広い場所では、近隣からの延焼は考えなくとも良いと思います。

落葉樹は季節により利用価値が異なってしまいますが、アジサイの枯れ枝などもすぐに処分してしまわずに、手折り使用できるものは、刃物が必要ないという点で残しておいてもいいと思います。


・外国へ行かれる方々へ

様々な理由から外国へ行かれる方がいらっしゃると思います。
日本以外にも、地震に注意すべき国は多数存在します。

環太平洋地区西側:台湾、ニュージーランド、インドネシア。
環太平洋地区東側:アラスカ、カルフォルニア、メキシコ、チリ。
大陸中央東西横断:四川、ネパール、インド、パキスタン、イラン、トル コ、シリア。
その他:イタリア、ハイチ。

以上の国々が、近年、大きな地震災害に見舞われている代表的な場所です。

そこで海外の事情は、実際にはどういった注意喚起が行なわれているのか、
ご存じの方は是非とも海外経験で感じたことを発信して頂きたいと思います。
日本とは異なった発想からの有意義なものもあると考えるからです。


・富士山について

大地震と必ず並行して語られるものに、富士山の噴火があります。
地震予知と同じく、噴火予知も簡単に可能とはならないと思います。
おかしなデマに惑わされないことが重要だと考えます。

少量の降灰ということであれば、鹿児島の方々の経験が参考になると思います。
大量の噴出物が想定される場合には、思い切って大都市からの疎開も考慮する必要が出てくると思います。


大沢崩れなど富士山も崩壊浸食が進んでいるので、専門家が心配しているのは山体崩壊だと思います。
50年程前までは、大沢崩れを横断するお中道巡りは可能でした。

しかし、それ程のものであれば必ず前ぶれがあります。
落ち着いて行動する時間的余裕はあると思います。
必要以上に怖がることはありません。


・東海道と中山道

どうして江戸から京都の間に東海道と中山道と2本あるのか不思議に思ったことはありませんか?

江戸時代までは、武士・公家など公務での移動では、主に中山道が使われていました。
中山道は東海道に比べて日数は掛かるものの、大井川のようなものがないので日程が確実であるためです。
有名なところでは、和宮降嫁で中山道が利用されています。

庶民の旅行を許可するようになったことで、中山道が混雑するのを回避するため、東海道中膝栗毛や浮世絵などで、東海道に人々の興味がゆくよう宣伝されたのです。
中山道沿いには観光名所として大々的に宣伝された場所は少ないと思います。
中山道に人々が集まって、食糧や宿泊施設などの不足で公務の移動に支障が出ないように、という事だったと思います。

その他、はっきりと指摘はされていませんが、富士山の噴火だけではなく、地震・津波・台風・高潮・温泉地辷りなど、実際には災害の多い地域ということは認識されていたものと思われます。

それなのに海域利用の利点から太平洋ベルト地帯などと呼ばれる地域を作ってしまったのです。
狭い部分に、道路・鉄道がひしめいています。
徐々にリスク分散は考えて置いてほしいものです。




今回はここまでです。
次回は実際の避難所問題について考えてみたいと思います。
次回で完結の予定です。

お読みいただきありがとうございました。

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