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〔詩〕守る側


この頃
父は

いつもなんだか
元気がなくて

友達亡くなり
感極まって
涙を流し

失敗しては
困ったように
苦笑い

背中もなんだか
小さくなって

やりたいことも
できないみたい

どうしたものかと
悩んでしまう

鬼みたいに
恐ろしかった

昔の姿が
うそみたい

あのときは

男だから
父親だから
先生だから

そういうもので
身のまわり

幾重にも
囲って

強く強く
いなくっちゃって

気合いを入れて
いたのかな

それをほとんど
脱ぎ捨てた

父は素直で
かわいらしい

だけど
ちょっぴり
さみしくて

そんな自分に
驚くよ

そういや
わたし
知らぬ間に

守られる側
卒業し

守る側に
なっている



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