いつもと少しだけ、違う日
普段と少し違うな、とふと感じる日というのが、時々、ほんとうにときたまある。
それは、前から気になっていた本を、思ったより早いタイミングで手に入れることができたり。
メイクがいつもよりうまく出来たり。
Twitterにあげた本の感想に、作家さん御本人から反応をもらったり。
ごくごく些細なことだけれど、そうした小さな良いことが、止まりかけていた足を、背中を、そっと押してくれたりする。
仕事や家のことに追われる中、そうしたささやかな変化が、心にそっと涼風が吹きこむような、穏やかなものをもたらしてくれる。
社会人になりたての頃と比べれば、ひとと接する中での、心のすり減り具合はだいぶ浅くなっているし、対処方法もそれなりのものを手に入れることが出来たと思っている。
でも、慣れたというと決してそうではない。
時折、完治したと思っていた傷がじくじくと痛みを訴えるように、ふとしたきっかけで昔の厭なことが顔をのぞかせる。もう忘れたはずだったのにと、気持ちが沈む。
毎日なんて贅沢は言わない。偶にそうした出来事に遭遇して、少しだけ色の違う世界に迷い込みたい。
そんなことを考えながら、今日も帰路につく。
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