私がスーパーマーケットから学んだコト<7> レイバースケジューリング

私が小売業に本格的にかかわりを持つようになったのは、30歳手前で流通業関連の専門誌の取材を始めてからである。それ以前は、浪人時代に親戚の精肉店を手伝ったぐらいだった。その時は、誰がどんな仕事をするかの割り振りなどは、かなりいい加減で、いまいる人が必要な仕事を適当にするのが普通だった。
ところが、スーパーマーケットでは非常に、誰がいつ何をするか厳密に組み立てられていることを教えてもらうことになる。それもニッショーストアでのこと。私がいろいろ教えてもらった店舗運営部長の井上氏のお嬢さんが高校生でアルバイトに来ていたのだが、ある時たまたま少し遅刻してしまった。その時、結構厳しく注意していた。
というのも、その時ニッショーストアでは、レイバースケジューリングの仕組みを取りいれており、一人の遅刻や欠勤が従業員全員の働きに影響を及ぼしてしまう。パート、アルバイトを含む全スタッフは、事前に次の月のスケジュールが割り振られており、事情があって休んだりする場合には、事前報告がないと、極論すれば店舗は回らなくなる場合ある。
つまり、レイバースケジューリングとは、それぞれの仕事の人時を出し、それをどんな立場のスタッフが何人でこなすかという計画を立てることなのだ。そうした組み立てをしているからこそ、最小の人員適正なオペレーションができ、利益を最大化できるのだ。
こうした一連のレイバースケジューリングの考え方を聞いた時、流通とは適当に仕事をするのではなく、科学そのものではないかという思いを強くした。

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