その人達の中にも生きている
ちょうど今 毎月通院している町医者が終わり歩いて帰ってきた所だ
その帰り道のある家の前で母親が仕事で使っている原付と似ている物があったので、もしかして?なんて思っていたら
玄関は奥の方になるが明らかに母親の声が聞こえた、会話の内容も少し聞こえて
「お父さん、うちの孫にもその写真見せてあげたいねー」なんて聞こえてきたから
最初は帰ろうかなとも思ったけど、そっと顔を出してみた
母親が「え!?お父さん、私の息子!おばあちゃんの孫だよ、ちょうど話してたのがこの子 このお父さんはね、おばあちゃんと同級生なんだよ」
そう言われ俺も挨拶をした
そのおじいちゃんは冗談交じりに「いやね、私も歳だから終活を始めていてちょうど写真の整理をしていたんだよ、その時に君のお母さんが立ち寄ったから今話していた所だったんだ」と
まさかのタイミングに自分でも驚いた
そのおじいちゃんが話してくれた事、見せてくれた写真には俺の知らなかったばあちゃんがいた
「この写真はね15歳の時の修学旅行の集合写真なんだ、この中で2人本当は修学旅行に行けなかった子がいた、それは遠出するのにゲタでは歩けないし靴が買えなくて諦めていたんだ」
(タイトルの写真はおじいちゃんが見せてくれた物)
「でもね、当時の担任の先生がその二人の子に靴を買ってあげて全員で修学旅行に行けたんだ、当時はクラスの中でも貧困の差が激しくてね疎開の子や朝鮮人もいた本当に大変な時代だったんだ」
またアルバムをペラペラめくりながら
「もうこのアルバムに載っている仲間はほとんどいなくなって亡くなってしまったよ、私もそろそろ迎えが来ると思ってさ」と笑いながら話していた
とても考えさせられる話だった、その話を聞きその人達の中に確かに俺のばあちゃんもいた事に胸の奥が熱くなった
「そうそう君のおばあちゃんはこの着物をよく着ていたよねぇ、、」なんて話しながら
「はい、この着物、、よく着ていましたよく覚えています」
あーここにもいるんだよな、ちゃんと居てくれてるんだ
何かを残してくれているんだ
なんとなく立ち寄っただけなのに
偶然なのに必然だったようなこの感覚
今日はまた特別な日になったみたいだ
沢山の話と写真を見せてくれてありがとうございますおじいちゃん
長生きしてください🍀