生きていた事、生かされた命④
ベッドの上で全く身動きが取れないというのに口の中までワイヤーで固定されるという
これはなんて拷問です??
この時から食事はミキサー食(調理した物をミキサーにかけてトロトロにした食事)歯とワイヤーの隙間からストローで吸って飲み込むという
これが本当に不味かった そして見た目も不味さを主張していた
しかし栄養は少しでも取らなければない 食べる事は生きる事とは良くいったものだ
食器もまともに持てないから慎重に顔を近づけストローで力いっぱい吸い上げる
吸っている事に疲れて休憩しながらの食事 ため息も出る
よく噛み 味わって食べるこれが何もできない 期間は1週間のミキサー食だったが毎回配膳されてくるたびに次は何の食材がミキサーにかけられているんだ?という罰ゲーム的感覚にもなっていた
リハビリの方もこの辺りから開始だったと思う
まだ自分では動かせないから先生が関節が固くならないように曲げてくれる位のものから始まった
握力も指先も細かく動かせなかったから 飲み物は開けられないし ストローも刺せない 指で薬も押し出すこともできない毎回看護師さんにやってもらっている事に申し訳なさと感謝とにかくこの毎日 ありがとうございました
救急の病棟で10日間過ごして 整形外科の病棟の個室へ移動が決まった
運ばれている最中に「hayatemaruさん10日間って短い期間だったけど貴方が頑張り屋で真面目で我慢してしまうような性格かもしれないっていうのは良く分かったよ でもねもっと気楽に生きて大丈夫 今回の手術だって全然弱音を吐かずに頑張って乗り切ったんだもん 貴方の人生でもう怖いものなんて無いよ その位の大変な手術だったんだよ 自信を持って良いんだよ これからまだ残りの手術もあるけど頑張ってね」
そう言って送り出してくれた看護師さん、短い期間でも俺の性格や雰囲気は伝わっていたものなんだなと そして常日頃から自分でも感じていた悩みを代弁してくれたような気持ちで胸は熱くなった
新しい病棟にはやはり緊張したものだ
病室に運ばれて看護師さん達に「ありがとうございます、これからよろしくお願いします」と挨拶
皆さんから「hayatemaruさんめっちゃ真面目そう~雰囲気も優しそうで良かったわ~」
「大丈夫です急に怒鳴ったりする様な人間ではありません無害です」と伝えたら笑われて和やかな空気になった事を思い出します
同じ病院内 病棟が変わるだけで新たなる入院生活のスタートです