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生きていた事、生かされた命⑫
転院先の病院に着き玄関先にはこれからお世話になる病棟の看護師さんが待っていた
車椅子に乗ったまま入院前にいろいろ検査をしてから病室へ案内してもらった
回復期リハビリテーション病棟という事で入院の年齢層もお年寄り多いかもしれないねとは事前に言われていいたが実際に自分以外の他の患者さん達はおじいちゃん おばあちゃんばかりだよと説明された
俺の病室も2人のおじいちゃんが入院していた
2人とも穏やかな雰囲気で
病室に入って「よろしくお願いします」と挨拶したら
「お~こちらこそよろしくお願いしますね」と優しく挨拶してくれて緊張もだいぶ和らいだ
挨拶の後は荷物の整理だ ベッドは窓際で外も見やすい やはり病院が変われば設備や決まり事が変わるのは当たり前
トイレは一人で行ってもいいのか 食事の時に手伝いが必要なのかなどの確認
後は今後リハビリや身体の回復状況と合わせながら制限解除されていく
入院の案内も読み 設備でいえば前の病院の方がテーブルやテレビ 収納などは以前の病院の方が整っていたが
そこよりも病室や看護師さんの雰囲気の良さが最初から感じ取れたので、こっちの方が物凄く重要だった
本当はリハビリの先生と挨拶する予定だったんだけど丁度この日は担当してくれる2人がお休みだったいう事で「理学療法士と作業療法士の先生との挨拶は明日になりますね リハビリもスタートしますよ」
とりあえずこの日は病室でゆっくりするという感じに
同じ病室の1人のおじいちゃんは2週間ほど前に俺と同じ病院からここに転院してきたと聞いて驚いた
そうか確かにここの病院にリハビリ転院する患者さんも多いとは聞いていたけど同じ病室になるとはこれもまた縁ですね
そしてこのおじいちゃんとは沢山喋って
「君は本当に優しくて、強い心を持っているんだね人に感謝するって事を素直に思える事は素晴らしいよ 私なんてもうすぐ80にしてようやく気づいたよ 今日会ったばかりなのに私の方がいろいろ勉強させてもらったよ、ありがとうまた明日いろいろ教えてね」
しかし初日の会話からこんな風に言ってもらえるなんて本当に恐縮で、有難い事だなぁと
会話の内容も俺はそれが普通だと思っていた価値観や思いやりなどを喋っていたんだけど「君は歳はいくつだね??」「31です」と驚かれながら会話していて
やばい俺は何か間違っている事を発言しているのか?とちょっと不安になりながらだったんだけど
おじいちゃんからのその最後の言葉に安心しました
ここで消灯となり転院初日は眠りにつきましたが
リハビリの先生2人はどんな先生かなぁ上手くやれるかなと不安な夜だった事を思い出します