生きていた事、生かされた命②
個室の病室に運ばれた俺の身体にはいくつものコードなどが付けられていて身動きもまともにとれない状態
枕元に置いてもらったスマホを痛みに耐えながら指先で掴んで器用に画面操作して音声入力を使い兄弟や友人 Twitterへ怪我をしてなんとか生きていた報告
消灯時間を過ぎたベッドの上でこの身体中の痛みは一体どこの場所からきているのか、俺ってトイレとかどうすんの?
寝返りも 上半身を起こす事もできない
右足には牽引の重りが吊り下げてあって
左足には血栓防止のポンプが取り付けられていた、これが毎回点滴の場所に当たり痛くて寝れない これも地味に辛かった
翌日先生から怪我の箇所や俺の現在の状況説明
この時もまだ全然現実味が無かった
どれくらいで退院できますか?という質問に
「早くても1カ月くらいかな?」という返答で
1カ月かぁ長いなぁ
でも手術も必要で本当に1カ月ですむ怪我なの?って考えてたけど
実際は約3ヶ月半という入院期間となりました、驚きだよね?
怪我した時は夏の終りだったのが退院したのが年越しもして冬ですよ?
でもこの入院生活で出会った人達のおかげで人生で忘れられない程のものになるなんてね
入院生活の試練として食事 排泄問題 ナースコールを押すタイミングこれが悩みとなった
管を尿道に通してたので小の方はまだ良しとしよう
だが元より過敏性腸症候群という病気持ちだったのでお腹の弱さが心配だったし食事も手がまともに使えないから食べさせてもらう
「困った事や辛い事があったらすぐにナースコールを押して頼ってくださいね」
このナースコールは俺にとっては爆弾のスイッチだと思えるほどの物だった
とにかく申し訳ないという気持ちが勝って押せないのだ
どれだけ身体が痛くてもお腹が痛くなっても我慢してしまう
看護師さんが病室に回ってくるまでは基本我慢してその時に困っている事をお願いする
トイレも我慢しすぎて人生初の便秘にもなった
でもこの我慢も覚悟を決めて人に助けてもらって 頼る事の大事さとも向き合う機会だった
自分よりも若い女性 男性に下の世話をされているという恥ずかしさ 悔しさ悲しさ でも本当にありがとうございますという感謝の気持ち
これが常に入り乱れていた
「恥ずかしい事じゃないですからね、1番辛いのは患者さんですもん私達を頼ってください」何回この言葉に救われた事か
入院生活3日目で今後お世話になるリハビリの先生2人との挨拶 この2人の先生達にもどれだけ支えられたか
でもこれはまだ入院生活のスタート