言い訳
飲酒運転の疑いで逮捕された男が、
「警察に車を止められてから焼酎を一気飲みしただけ」
と主張し、容疑を否認しているという。
今月19日(火)の午前0時半過ぎに、福岡県大牟田市の路上で不安定な走行を繰り返す車が目撃された。不審に思った警官が車を停車させ、運転手の検査をしたところ、呼気から基準値の7倍近いアルコールが検出されたそうだ。
しかし、容疑者の男は、
「私は飲酒運転はしていません。駐車してから焼酎をロックで一気飲みしただけで、酒を飲んだ状態で運転していません」
と述べている。
ちなみに、車内からは焼酎の紙パックが見つかっているが、警察が車を止めた後に酒を飲んだ様子は見られなかったという。
・・・この「言い訳」の真偽については今のところ不明だが、飲酒運転による処罰を免れるために、運転後に改めて酒を飲む行為は「重ね飲み」と呼ばれ、ネット上でも「裏ワザ」として紹介されている。
かつては、実際にこの方法によって立件を免れていた者もいたらしい。しかし現在は、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」というものが新設され、逃げ得を許さないようになっているようだ。
・・・私が20年ほど前に勤めていた小学校に、Aという男児がいた。なかなかヤンチャな少年で、6年生のときには親の財布からお金をネコババしていることが発覚した。
ネコババが明るみになり、父親から
「お前、お金を何に使ったんだ!?」
と詰問されたAは、とっさに
「・・・ユニセフに寄付しました!」
と答えたという。
たしかにその時期、学校では「ユニセフ募金」という取組をやっていた。朝、児童会役員の子が募金箱を持って門のところに立ち、登校してきた子どもたちが小銭の入った封筒をその募金箱に入れる。そして、期間中に集まった金額を「日本ユニセフ」に寄付するというシステムだ。
小銭入りの封筒は無記名なので、誰がどれだけ募金をしたのかを確かめる術はない。実に巧妙な「言い訳」である。
(ただし、この「言い訳」をした後、Aは父親から問答無用で殴られたらしい。)
・・・もう20年以上も前のことだから、すでにAは30歳を過ぎている。消息は不明だが、あのときに「言い訳」で発揮した才能を、よい方向に活かしていることを願いたい。