情意フィルター仮説(スティーブン・クラッシェン)のご紹介 ~こどもに勉強してほしい親がやめること~
我が子が勉強しない…と嘆く親の皆さん。
「勉強しろ」「宿題して」とこどもに集中砲火を浴びせている親の皆さん。
どうしたら、「我が子が勉強するようになるのか」というお悩みの親の皆さん。
今日は、言語学者・教育学者である、スティーブン・クラッシェンをご紹介します。
彼は、第二言語習得論における5つの仮説を提唱しました。
そのうちのひとつが「情意フィルター仮説(The Affective Filter hypothesis)」です。
不安や自信のなさ、動機付けの低さといったネガティブな感情は、言語習得を難しくしてしまう
「動機」と「自信」があるほど情意フィルターは低くなり言語習得に成功しやすくなる一方で、「不安」が強いと情意フィルターは高くなり、スムーズな言語習得の妨げとなる
これは言語習得においての仮説なのですが、「学習」全ての面においても言えることなのではないかと考えます。
「学ぶ」ことに自立するようになる前の年齢の場合、身近にいる親の影響が大きく関わってきます。
親が「不安」や「自信のなさ」を引き起こすような言動を子に投げかけているとしたら、その子の情意フィルターは高くなり、すなわち大きな壁を作って、知識の吸収を妨げることになるでしょう。
「なんでできないの」という親の言葉は、こどもを「できない子」にする力を持っています。
考えずに投げかける言葉が、我が子の足を引っ張っているのです。
例えテストの点数が低くても
いっぱいの優しい笑顔で「大丈夫」って言われたら
こどもは少しほっとできるかも。
気持ちが次につながれば
またがんばろうって思うことができたなら。
親の言葉、ひとことが、
こどもを
「できる子」にするか
「できない子」にするか
決める場合も
あるのです。
今回は主に「ウチの子、勉強しません!」というお悩みの親の皆さまにお届けしました。
そんな皆さまにもっともお伝えしたいのは「それは全くたいしたことのない、いえ、むしろありがたい悩みだ」ということです。
苦しい悩みをお抱えの方々も大勢いらして。
勉強するしないは、究極どうでもいいことで。
結局、勉強しなくたって、こどもたちが元気で楽しく毎日を送ってくれたらそれがなによりのこと。
もっと気軽に。
悩み事と考えなければ、たいしたことなくて。
親からの「勉強してほしい」オーラが消えたら、こどもたちは勝手に勉強を始めます。