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仕事で"時間"を作り出す4つのヒント

コロナウィルスの大流行で伝統的な日系大企業ですら在宅ワークが一般的になりつつある中、僕が"時間"に関して感じている違和感に関してまとめてみようと腰を上げます。ここに書かれていることはあくまで僕の考えですが、おそらく多くの人に多少なりとも意味があることになっているのではないかと思います。

在宅勤務でまじ暇だから遊ぼう!!

これが僕が違和感を感じたきっかけの、友人からのお誘いの連絡です。いや、お誘い自体は嬉しいですし、タイミングさえ合えばご飯でもいければと思いますが、"在宅勤務=暇"ってのは、明らかに方程式としておかしいのではないかと。

オフィスにいると無駄な仕事をしているか、在宅だから必要なことすらやらずにネットフリックス見てサボっているかのどちらかとしか思えない。前者の場合、いらない仕事を普段からしていることになるし、後者の場合は業績が落ちそうです。

で、僕なりに、この違和感を深掘りする形で、なぜみんなが必要以上に忙しいのか考えてみることにしました。

そもそも、忙しさってどうやって決まっているのか

僕は普段、外資系消費財企業でマーケティングのマネージャーをしています。同時に、いわゆるベンチャー企業のマーケティング委託契約みたいなものも結んで、こちらは個人として仕事をやっています。

よく、〇〇会社は激務だ、みたいなことを言いますが、僕はこれはあんまり正しい認識ではないと思っています。

基本的には、会社単位ではなく、所属する業界と職位、によって一般的な"多忙度"は決まるはずです。給料(時間単価)に関しても全く同じことが言えますが、業界と職位が定まればあとは上下10−15%ぐらいのレンジにはおよそ収まるのではないでしょうか。例えば、自動車会社の営業部長、だったら、トヨタも日産もホンダもだいたい同じような多忙度、給料になっていることは、想像に難くないでしょう。

それでいうと、外資系消費財のマーケティングマネージャーは、少なくとも暇な方ではないと思います。実際、今の会社で周りも見渡しても、喜んで夜遅くまで仕事している人はすごく多い気がします。(個人的には賛同できませんが、長時間会社で仕事をするのが好きな人がいるのは理解できるので、それが悪いとかは思いません。)

でも、僕は実のところほとんど残業をしません。というか、日中も一見ひまそうにしていることが多いと思います。下っ端のときもそうでしたし、部下を持つようになっても変わりません。もっというと、前職の総合商社(激務と言われがち)でもそうでした。

おまえは運良く仕事が楽なチーム・上司に恵まれてラッキーだなー

このようなことはよく聞くんですけど、本当にそうなのでしょうか。少なくとも僕はこれは違うと思っています。

僕が時間があるように見えるのは、他の人はやっていない4つのことを意識的に行うことで、無駄を徹底的に排除しているからだと自負しています。ということで、それらを紹介したいなと思います。

ヒント1: 出る会議を絞る。 出たら価値を出す。

ホワイトワーカーは、平均して業務時間の40%ほどを会議に出ることに費やししてるらしいです。(KDDI調べ)

自分が手を動かしているわけではないトップマネジメント層はある程度しょうがない部分もあると思いますが、下っ端や中間管理職の人間は、果たしてこんなにも会議に時間を費やすのが効率的なのでしょうか?

そもそも、会議という形で情報を処理するのは恐ろしく非効率的だということを認識するべきです。

みなさん議事録って書いたことありますよね?例えば1時間の会議の議事録ってどれぐらいの情報量になってるか考えたことがありますか?僕の経験則上、箇条書きで4−5ポイントあったら良い方です。読んだら3分ぐらいしかかからない量です。逆にいうと、会議っていうのは、結論だけ読んだら3分しかかからないことを長々と非効率的にDisucssionしているというのが本質です。

では、なぜ会議が必要なのでしょうか?

それは、”意思決定者が、立場の異なる複数のステークホルダーを交えて多角的に物事を検討し、決定を下す為"です。

逆にそれ以外のすべての目的で行われている会議は、メール、チャット、メッセンジャーなど文章コミュニケーションを用いた方が効率的になります。

これは、あなたが会議に参加するかしないかを決める指標にもなり得ます。

つまり、"意思決定者に対して異なる立場の意見を提供し、物事を多角的に検討するのに寄与できる"と判断するならば参加するべきだし、そうではないなら参加しても本質的に会議のお荷物です。

でもそんなの判断するのが難しい方もいますよね。

手っ取り早く判断するのは、一度も発言しない会議はもう出るのをやめよう、ということです。

僕には当たり前ですが、経験上、特に日本人は、会議に参加したがるくせに発言するのはほんの2−3人だけです。残りの10人は何をしているのか理解に苦しみます。会議に参加しているのにPCでメールを打っている、とか、そういう明らかに無意味な過ごし方をしているのに、時間が無いと嘆いていると、見ている人は見ていますので注意した方が良いでしょう。

ヒント2:電話をなるだけ避ける。

これも会議に似ています。

そもそも、会話というコミュニケーションには、文章でのコミュニケーションに対して圧倒的に不利な点があります。それは、1)一度に多くの情報を処理する、2)情報を正しく処理する、3)内容を記録で残して共通認識にする、の3つです。

そして、これらは仕事、というコンテクストではすごくクリティカルな欠点になってきます。情報が正しく伝わらないと正しい判断は下されないし、内容が残っていないと言った言わないのトラブルの元になります。

なので、基本的には、ビジネスディスカッションに電話は向いていません。メール打つのがだるいから、といって電話する人は、結果としてメール打つよりも多くの時間をその後のフォローアップや問題対応で取られていることを自覚するべきです。

では、どんな時には電話の方がメールより向いているでしょうか?それは、以下の3パターンに限定されると思っています。

・感情を伝えたい時
・緊急の時
・雑談したい時

ありがとう、や、ごめんなさい、といった感情は、文章が得意とするエリアではありません。生の声で伝えることで、良い関係を構築することが可能になります。(余談ですが、良い関係の構築が社会の基盤だからこそ我々人間は言語を獲得し、おそらく動物史上初会話というコミュニケーションツールを開発し得ました。長い人類の歴史では、ビジネスなんかよりよっぽど重要なことです。)

また、緊急の案件も電話の方がいいでしょう。メールはいつ読むかわからないし、緊急度を正しく伝えるのも、誠実さを伝えるのも、電話の方が優れています。

意外なのは、雑談だと思います。雑談、というとバカっぽいですが、例えば情報収集とかもこの中に入ります。雑談を侮るなかれ、多くの研究が、職場での適度な雑談が業務効率を飛躍させると結論づけています。情報の共有体制が整うのと、良い人間関係がスムーズな業務を可能にするからだと考えられます。

ヒント3:完璧主義をやめる

この間違いは、特に真面目でやる気の多い方に起きがちで、結果としてみんなが不幸になるので気をつける必要があります。ある意味で、サボっていて仕事がおそいよりもタチが悪いです。

よく、戦略と実行の重要性を語る時の例をここで出します。

1 戦略よし、実行よし
2 戦略よし、実行わる
3 戦略わるし、実行よし
4 戦略わるし、実行わるし

みなさんは、どれが一番最悪の組み合わせかわかりますか?

答えは、3です。戦略がわるいくせに実行がよい。そして、完璧主義の人が陥っているのもこのパターンです。どういうことでしょうか。

例えばあなたが東京に住んでて、札幌に行きたいとします。まぁ普通は羽田から飛行機にのって新千歳に飛べばおしまいなのですが、あえて戦略と実行に分けて考えます。

良い戦略、とは、まずは正しい方向に向かうことです。北海道に向かいたいわけですから、北に向かう、ということですね。
そして良い実行、とは、正しい方法で向かうことです。この場合、飛行機に乗る、ということになります。

悪い戦略はどうなりますか?それは、北では無い方向にむかってしまうことです。西や、南や。

もう3が最悪の理由にお気づきだと思います。

悪い戦略で西に向かうことに決めたとして、悪い実行の人は、とりあえず歩き始めたり、自転車に乗ってむかったりするわけです。当然札幌にはつきませんが、おそらく箱根ぐらいで挫折してもう一度戦略と実行を見直すでしょう。傷は最小限です。

しかし、実行だけが優れている人は、西に向かって飛行機に乗ってしまうのです。これは最悪、気づいたら広島に着いてしまっているわけです。もう引き戻せません。

で、これは冗談みたいな話しですが、仕事だとこれってよくあります。

例えば、締め切り直前まで自分一人で超がんばった資料を、上司に見せたら根本からダメ出しされて、泣きながら前日の深夜まで直す。これって結構あると思うのですが、まさに先ほどの戦略悪く実行よしのパターンであることが多いです。

まず、おおまかな方向性を、書き始める前に合意して、ちょこちょこFeedbackをもらっていけば、都度修正が聞きます。完璧主義はあまりいいことはありません。そこまでで最大限頑張ったもので見せて、ダメ出しされたら大人しく自分の能力を反省し、次に磨けばいいんです。

ヒント4:一つのことだけをやる。マルチタスクにしない。

仕事がはやい・できる人って、マルチタスクで色々なものを同時並行で進めているように見えると思います。ある意味では間違っていませんが、これも認識が多少違うように思います。

というのは、仕事がはやい人ほど、実はシングルタスクで仕事を終わらせて、すぐに次のタスクに移っているものです。であるが故に、結果として一定期間で見ると、マルチにタスクをこなしているように見えるのです。

元来、人間の脳は同時進行で複数のことを進めることが苦手です。集中力が続かないんです。どんなに頭が良い人でも、Youtubeを見ながら仕事をマックスではできないのと同じです。なのに、仕事では、みなさんメールがきたら返信して、またワードに戻って、気が散ったらエクセルやって。。。みたいなことしてしまいます。

ということで、とにかく朝から、一つのことに集中しましょう。それ以外の全ての情報をシャットダウンして、終わらせます。メールなんて緊急だったら電話なりメッセンジャーなりが飛んでくるので、終わった後片付ければ良いです。通知なんて即刻オフです。

簡単な方法を教えます。これは会社で僕がおしえてもらった方法で、すごくみなさん使えると思います。

・朝、その日に必ずやることを5つリストアップして、1から5まで順番づけします。
・1から3までを必ずやり遂げます。
・4と5は諦めます。もしくは、やったふりをして上司に報告して明日以降に先延ばしします。

今日5だったものは明日の2になるでしょう。もし明日も4か5のままだったら、そもそもその仕事は重要じゃ無いってことで、放っておいてもいつかは5より下になって忘れられます。

毎日あなたがこなす仕事は3つだけです。それを最速で、最高のクオリティで集中して取り組んでみてください。

結論

時間は、数あるリソースの中でも最も重要なものです。時間があれば勉強してもいい、プライベートを充実させてもいい、会社外で個人の仕事をしてもいい。

もし今、時間が足りないと思っている場合には、以下からできる部分から実践してみて下さい。

1 出る会議を絞る。出たら価値を出す。
2 電話をなるだけ避ける。
3 完璧主義をやめる。
4 一つのことだけをする。マルチタスクにしない。

少なくともいまよりも仕事が早く片付くのは間違いないし、おそらく、その浮いた時間でもっと良い仕事、もっと良いプライベート時間を過ごして、すこしだけでも豊かな生活になると確信しています。それでは。

石井

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