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POMEを制するものはマーケティングを制する

はじめに

株式会社MD代表の石井です。いつも弊社お役立ち資料をご覧いただき有難うございます。

突然ですが、一番最初にスーツを購入した時のことを思い出してみてください。殆どの方にとって、それは就職活動の一環としてAOKIや青山に行ったときになるのではないでしょうか。もしくは、はじめてゴルフをしたのはどのタイミングでしょう?会社に入ってから先輩に誘われた時やはじめての接待の時かもしれません。塾に初めて入会したのは?中学校に進学して、受験を意識し始めた中3になるタイミングでしょうか。

このように、特定のカテゴリーに所属する商品には、明確な「きっかけ」があって一番最初の購入が起きるケースが多々あります。結婚式場を探し始める瞬間は「結婚した時」、車の購入を検討するのは「免許を取ったとき」や「ボーナスが入った時」、家具を探す瞬間は「引っ越したとき」だったりするわけです。

この、カテゴリーの入り口になっている瞬間を、Point Of Market Entry(以下、POME)と呼びます。
おそらく殆どの方にとっては耳馴染みが無いかと思いますが、意識的にせよ無意識的にせよ、マーケティングを行う上では欠かすことの出来ない考え方だと確信しています。

例えば、リスティング広告のキーワードを考えたり、もしくはクリエイティブの方向性を考えたり、イベントやプロモーション戦略を考える上でも、「この瞬間を抑えるべし!」というツボが分かると分からないのとでは、雲泥の差が生まれることは想像に難くないでしょう。

ということで、今回のお役立ち資料では、おそらく日本中のどこを探しても資料が見つからないこのPOMEというテーマに関して、解説していきます!

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POMEがなぜ重要なのか

先ほどもちらりと触れましたが、ズバリ「マーケティング活動の成功確率を高めるから」というのが、POMEを理解することが決定的に重要な理由となります。本質的には、「マーケティング予算は基本的に足りないもの」であり、そのリソース不足がPOMEの考え方を重要にしていると考えます。

例えば分かりやすい例として、あなたが結婚式場のマーケティング担当で、ウェブ広告を打とうと考えていると仮定します。もし予算が10兆円あって、上層部からも「無限にお金使っていいよ!」と言われていたら、なんら難しいことを考える必要は無く、この世の全てのキーワードに広告を打てば良いのです。中には結婚式場の成約に繋がるものも繋がらないものも混ざりますが、予算が無限にあれば、「とにかく片っ端からやる」という意思決定が肯定されます。

「目的を達成するための限られたリソースの選択方針」こそが戦略の本質だとすれば、このPOMEの考え方こそが、プロモーション領域における戦略の主眼になることに、お読みの方は気付いているかもしれません。

大企業から出来たばかりのスタートアップまで、あらゆる企業が、なんらかの形で「マーケティング予算が十分ではない」という課題を抱えています。スタートアップからしたら潤沢に見える大企業のマーケティング予算も、大企業の経営目標から照らし合わせたら現場では「足りない!」となっているものです。だからこそ、その予算を最高に効果的に使うための指針となるPOMEへの理解は、決定的に欠かせないものなのです。

POMEを活かしたマーケティング事例

本章では、POMEを実際に生かしたマーケティング事例を見ていきます。何気なく生活していて見かけているなかでも、非常に勉強になる例が沢山あります。これらの事例を見ていきながら、自社で生かしていけるようなアングルが無いかを、ぜひ考えながら読んでもらえればと思います。

CASE1 スーパーの惣菜やお刺身のタイムセール

最も普遍的かつ分かりやすいPOMEの事例は、スーパーで行われるお惣菜やお刺身のタイムセールです。これらのタイムセールは通常の場合、夕方16-18時の間に行われます。これは、「夕食の献立を決めて買い物に行くのは16-18時くらい」ということに起因しています。

つまり、「夕食決定」というマーケットにおいて、決定的に重要なPOMEは16-18時のスーパーで発生しているということです。そして、その中には一定数、「まだ何をおかずにするか決めていない」ので、「スーパー行ってから決めよう」と思っている方が沢山いることが分かっていたのです。

上記のようなお客さんに、「今日は安くなっているお刺身を買って帰って、おかずにしてしまいましょう」というオファーをタイムセールという形で流すのです。朝や昼の時間帯の、まだ夜の献立を考えてすらいないタイミングのお客様にオファーするよりも遥かに効果的なのは分かると思います。また、こうやって一度お刺身を買ったお客様は、忙しい時や、風邪気味でちょっとしんどい時、などに選択肢としておかずをお惣菜やお刺身にする、というチョイスが当然のように生まれます。

当たり前ですが、タイムセールは人的リソースもマーケティングコストも掛かる、マーケティング施策です。もしこれをやらなければ、もっと広告や、試食イベントなどが出来たかもしれません。とはいえこれが現代でも無くなっていないことを考えると、古くから行われているスーパーのタイムセールは、非常に理にかなっている施策だと判断されているのでしょう。

CASE2 ブリーダーサイトにおけるペット保険

私事ごとですが、最近猫を飼い始めました。その際には、ブリーダーさんからお迎えしました(しかも2匹!)。ブリーダーと個人のマッチングサイトで購入させて頂いたのですが、購入が決まってからすぐに、「初月無料の◎◎のペット保険に入りませんか?最初の1か月分のフードやお手入れグッズも届きます。」という連絡が届きました。

殆どの人にとってペットを飼うのは初めての体験です。過去に検討すらしたことがないでしょう。ペット保険に入ったことが無い立場からすれば、ここでお勧めされたペット保険に入るのは至極当然の流れです。そして一度入ってしまえば、「もう2か月目以降もここでいいか」となるのは、およそ嫌な体験が無い限り決まり切っています。

しかもここで秀逸なのは、最初の1か月分のフードやお手入れグッズ(猫砂など)が一緒に届く所にあります。愛するペットのフードも、そうカンタンにほいほいと変えるものではないので、ここで貰ったフードは今後少なくとも数か月はリピートして使っていくのが自然です。

となると、この「初月無料の◎◎のペット保険に入りませんか?最初の1か月分のフードやお手入れグッズも届きます」というキャンペーンは、ペット保険だけでなく、ペットグッズに関してもPOMEを抑えているキャンペーンになっているということが分かります。

であれば、ペット保険もフードメーカーも、LTVが高くかなりのリターンが見込めるわけですので、ブリーダーメディアからすれば、かなりの好条件をこれらの企業から引き出すことが出来ているはずです。ブリーダーメディアもペット保険もフード事業者も、3社がPOMEを利用してWin-Winのビジネスを展開している好例だと思います。

このほかにも、結婚式プランナーとエステの連携など、一生で何度も無いイベントに付随するPOMEを活用したケースは多く見受けられます。

CASE3 病産院に選ばれるパンパース

パンパースは世界的に有名なおむつブランドですが、日本においてはなんと10年連続で病産院で使われるおむつナンバーワンに輝いているそうです。おむつといえば、ドラッグストアやGMSなどで購入するものですが、なぜパンパースは多大なるリソースを使って、敢えて病産院にアプローチしているのでしょう?

それはもちろん、一番最初に病院で使う瞬間が、おむつというカテゴリーにおいて最も大きなPOMEになっているからです。

そして、そこでお勧めされたおむつを、ご自宅に戻ったあとも使い続けてもらえる可能性が高いからです。であれば、どんなマーケティング活動よりもリターンは大きくなるのです。

実際に、新生児向けサイズのおむつにおいて、パンパースは非常に大きなシェアを誇っており、この戦略が正しいことを証明しています。もちろん大前提として、「病産院に認められるほどのプロダクトクオリティ」であることが一番重要ですが、それを知ってなお、このPOMEを抑える活動がパンパースの基本戦略になっていることは、示唆に富んでいます。

もはや子育て世代の人数が激減し、妊娠中も出産の直前まで仕事をしているケースも多く、そもそもテレビから離れ始めている中で、昔のようにテレビCMに仮に予算を沢山使ったとしても、効果的に妊婦さんにアプローチ出来る可能性は薄いわけです。となれば、最もおむつに対する受容性が高まる病産院との連携を強めるのは、納得のいく判断です。

さいごに

おそらく本資料を見るまで聞いたことのなかったであろう、POMEという考え方についてここまで纏めてきました。こちらの資料が少しでも皆様のお役に立てば、これ以上幸せなことはありません。

弊社の提供するリサーチDEMO!では、POMEやその背景にあるインサイト取得の前提になっている定性調査を、「1回3万円~、最短翌日に」行うことが可能です。誰もが重要だと感じながら、その値段の高さとリードタイムの長さから敬遠されがちなインタビュー調査のハードルを、極限まで下げることにこだわっています。

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スタートアップから大企業まで幅広く使って頂いており、今後も、皆様のマーケティング活動を陰ながら加速する武器になれればと思っています。

調査代行や、その後のマーケティング、プロモーション戦略立案まで含めてトータルで支援することも可能ですので、もしご興味があれば是非お問い合わせ頂き、まずは面談して課題をヒアリングさせて頂ければと思います。

まずは特に要件の定まっていないマーケティング相談からでも代表の私自身が受け付けておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

ご精読有難うございました。
株式会社MD 代表取締役 石井賢介

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