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届く宛てのない手紙 (二)
空を飛び交う海鳥の声が心地よい。
熱い日差しも日本のものとは違い、カラッと肌を照りつける。
沖縄から遥か南に位置する風光明媚なこの島。その中心部から少し離れた処に、海が一望できる高台がある。
遥か地平線を眺めるように立てられた石碑には、数名の日本人の名が刻まれていた。
「お父さん……なんで外国なのに日本人のお墓があるの?」
「これは慰霊碑って言うんだ。遠い昔……日本は、こんな南の島まで戦争で戦いに来ていたんだよ」
水平線の彼方が太陽に照らされ、キラキラと反射するのを眩しそうに目を細め、父である男は答えた。
「学校で習ったよ……戦争はいけない事なんだよね」
「確かに、沢山の人を殺したかもしれない……でも、そうしなければ自分や大切な家族が同じように殺されてしまう。大事な故郷や友達……家族を守る為だったとしたら……きっと当時の人達は、沢山悩みながら一生懸命に戦ったんだよ」
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