後悔しない生き方

 秋学期が始まる一つの区切りに、改めて考えてみた。後悔しない人生ってどんなだろう。大体の大学生はそれを職業に置き換え、まずは後悔しない職業選択として、就活を頑張る。そして社会人になったら恐らくそんなことよりも、後悔しない家族との時間だとか、後悔しない社会との生き方という考えに変化する。長岡ゼミではどちらかというと後者に重点を置いて、今のうちから未来を先取りした考え方を身につけようとしている。このマインドセットはとても大切なことだが、正直自分の中に不安がないとは言えない。もちろんずっと先のことを見据えたいとは思っていても、すぐ目の前にある就活だとかっていう事が気になって仕方がない。ここで誤解を解いておくが、私は今ゼミで学んでいることを否定し、拒否反応を起こしているのではない。この未来を先取りしたことを学んでいること自体が、果たして社会は受け入れてくれるのだろうか、ということに不安を抱いている。わかりやすく具体例でいうと、企業はいわゆる世間一般でいう就活をしていない、そこら辺の学生の価値観とは違ったものを持っている学生を受け入れるのだろうか。ここで受け入れてくれる企業は未来の社会を見据えた、自分にとって、とても生きやすい環境だと言える。社会全体でマインドチェンジが徐々に起こっているのは確かだが、それが日本の企業、社会全体に浸透するには時間がかかるだろう。それを率先して後押ししなければならないのは、国であり、企業であり、そしてなによりも私たち若者ではないだろうか。後悔しない人生は人それぞれだと思う。

 自分が働いているイタリアンレストランの店長の後悔しない人生は、「自分が死んだ時に感謝される人生」だし、自分が住む寮の同期の後悔しない人生は、「教科書に名前が残ることをする人生」など。正直去年までの私の後悔しない人生は、割と金銭が絡んだ欲にまみれたものだったと思う。しかしゼミで様々なことを学び、社会を自分ごととして捉えるようになってから、価値観が一気に変わった。「死ぬまでにここに行きたい!」とか「死ぬまでにいくら稼ぎたい!」とかではなく、「こんな社会にしたい!」とか「死ぬまでに友達を何人つくりたい!」とかの方が面白い生き方ができると思う。ベンチャー企業に勤めている人やとにかくビジネスビジネスしている人ももちろん良いが、だとの競争の中で生きるのは自分的には苦しく思える。社会とどう向き合っていくのか、大学生のうちに意識構築をしていくのが今の学生に必要なことではないだろうか。

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