「Pages+AppleScriptで本を作ろう!」を完成させた
途中で何回も割り込みが入ったり、9割書いたのに作業が止まったり、割と苦労した電子書籍「Pages+AppleScriptで本をつくろう!」を完成させました。
本書はすべてMac上でPagesを用いて作成
Pagesに関する本なので、本書は全ページPagesで作成しました。
とくに、この本に向けて特別にPagesで作ったわけではなく、さんざんPagesで作ってきた(1,000ページ超の本とか)ので、山ほどノウハウがたまって、安心して作れるレベルになっています。
そして、本書を作成したPages書類を(本文を伏せ字に置き換えて)おまけとして本書につけています。
残り1割から進まない作業
プログラムでも本でも、作業が進むと「やりにくい」「やりたくない」内容が残ることになります。それはもう、心理的に「後回しにしたい」ような細かくてめんどくさい作業がたまってしまうんですね。
残作業1:脚注
脚注は、ほぼ毎ページにバランスよく記載しておきたいところですが、やっぱり苦手な内容だと最後まで残ってしまいます。
残作業2:コンビニ店頭のマルチコピー機で印刷
ファミマに行ってUSBメモリに入れたPDFを小冊子印刷。実際に店舗に行って、印刷して、スマホでコピー機を撮影。セブンイレブン店頭では試していたんですが、ファミマ/ローソン系列店では試していなかったんですね。
残作業3:付録Scriptの清書
冒頭のコメントを削除したり、使用フレームワークの名称をOSバージョンに合わせて変更したり、いろいろ。
残作業4:付録に収録する本書Pages書類のダミー化
本書は全ページPagesで作成しており、その書類を付録としてそのまま添付すると、誰でもそのまま(筆者名を書き換えるとかして)出せてしまうかもしれません。そこで、Pages書類のテキスト部分を伏せ字に置き換えるAppleScriptを書いて、添付用のダミー書類を作成。
残作業5:本文の読み直し、チェック
本書はおおよそ30回ぐらい全ページのPDF出力と合成(ビルド)を行なっています。そのたびにiPadに転送して校正を行なっていますが、最終的に「この本として言っていいこと」(当初予定していたが、トーンダウンして言及しなくなった内容など)を判断して表現を変える必要が出てきたりもします。
残り1割の作業量をどう見積もるか?
ソフトウェア開発プロジェクトでは、
「残り1割まで進んだら、あと半分残っていると思え」
というありがた〜い格言が伝えられていますが、書籍執筆だとどうでしょうか。
1つ言えることは、技術的な難易度の高いタスクも、めんどくさい系の心理的な障壁が高そうなタスクも、等しく同じぐらい手間(=時間)がかかるということでしょう。
Pages書類のダミー化AppleScriptは、とりあえず文字種類ごとに伏せ字に使用する文字を切り替えるなどの対処を行なっていますが、「表」のうち壊れてほしくないもの(ツメ。ツメを表オブジェクトで作っているので、書き換えられたくない)を残す処理を用意できなかったので(ライブラリとして書いておいた気も)、とりあえず「表」のデータは手作業で消すことに。
→ のちのバージョンアップによって表の内容もすべて伏せ字にして、表のタイトルも伏せ字に。また、グループ化されているアイテムも、自動でグループ解除して処理するようにAppleScriptを書き換えました