M3 Mac miniとMacBook Air
2024年3月に登場することが確実視されている製品、それがM3搭載のMac miniとMacBook Airです。
主力機種の新世代SoCへの切り替え順序
台数ベースでいえば、AppleのMacの主力機種は、MacBook Airでしょう。Mac miniについてはユーザーがあまり見向きもしていなかった存在でしたが、Apple Siliconへの移行によって、利用する人が増えてきているように感じています。
IntelからApple Siliconへの移行時(x86→M1)に、最初に登場したのはMacBook Pro 13インチ、MacBook Air、そしてMac miniでした。
M2世代への切り替え時にも、だいたい同じ順序。
しかし、M3世代への切り替え時には、上位機種とiMacが優先されました。
最初に出てきたM3は、台湾TSMCの3nmプロセスで製造されたものですが、ひとことに3nmプロセスといってもいろいろあります。
TSMCのWebサイト上の紹介記事によると、同社は2022年に3nmの半導体生産を開始した、とありますが、同時にこの初期3nmプロセスは製造上の歩留まりがよくなかったという噂も流れてきていました。
MacBook AirやMac miniは安価でありつつ、きっちり利益を稼ぐ製品である必要もあるため、製品価格はAppleのMac製品の中でも低廉である必要性がありつつ、製造原価を抑える必要もあります。
当初、登場してきたM3チップは、それほど3nmの製造プロセスがこなれていない状態で生産されたものでは? と、疑われてきました。もちろん、製造工程で不良品は除去されているため、出荷された製品の品質自体には問題はないことでしょう。
歩留まりがよくない中でも、半導体製造工場への多額の出資を行なっているAppleに対して不良品分の請求は行えなかった、とも言われていますが、さすがに製造コストそのものは上がってしまっていたことでしょう。つまり、初期M3では利益を出しにくい状況があったため、高額製品のみに限定して出荷した、と思えてきます。
より安定して生産(つまり、歩留まりが向上)できるようになった3nmの製造プロセス(N3E? N3P?)を利用して製造されたM3が、MacBook AirやMac miniに採用されるのではないか、という見方を行なっています(ここ、とくに根拠がないのでお天気予報ぐらいに受け止めてください)。
なので、iMacに先行して搭載されたM3と、MacBook AirやMac miniに搭載されたM3は同じM3でも別物ではないか、ということです。
M3と併売必至なM2 Airとminiの価格は?
M2が登場したときには、M1 MacBook Airは併売されました。価格はそれほど安いものではなかったものの、M2に比べるといくらかお安い価格設定。
では、M3 MacBook Airが登場したときに、これらの従来製品はどのように価格設定されるでしょうか?
1つには、M3搭載のMacBook AirはM2搭載機よりも高価になると見られています。そして、従来機種のMacBook Air M2は価格据え置き。
よほどの解像度のムービーの編集や書き出しでも行わないかぎり、メディアエンジンを搭載しないM1とM2、M2とM3で体感速度でそれほど変わるものでもないでしょう。なので、いま現時点で「M3を待って、M2を見送る」というのは、それほどお得感がなさそうでもあります。
ここで、M1 MacBook Airの販売を継続して価格を下げたとしたら、それはそのまま「廉価版MacBook」そのものだったりして、なかなか面白いところです。
一方のMac miniについてはM3モデルとM3 Proモデルだけなのか、それとももっとハイパワーなM3 Maxを搭載したモデルまで出すのかは不明ですが、より、強力なチップを搭載した構成もありなのか。このあたりでメーカーが何を考えているのか、何に困っているのかが垣間見えて、ちょっとだけわくわくさせられます。
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