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Mac mini M4、予想との違い
Mac mini M4について、発表前にいろいろと予想していましたが、10月末に実物が発表されたので、その「違い」を検証してみましょう。
噂の答え合わせ
事前に流れていた噂は、
・M4搭載のMac miniは筐体が変更になる
・M4 Mac miniは小型化されるらしい
・筐体サイズはApple TVよりも少し厚みがある程度らしい
・電源は本体内に格納されるスタイルが維持されるらしい
・筐体サイズが小型化されても、価格は下がらないらしい
・エントリー構成はRAM 8GB、SSD 256GB
といった内容でした。自分も、そのタイミングで噂の内容の検証を行なっています。
https://note.com/140software/n/n2ea97656af7f
実際には……
⭕️M4搭載のMac miniは筐体が変更になる
⭕️M4 Mac miniは小型化されるらしい
⭕️筐体サイズはApple TVよりも少し厚みがある程度らしい
⭕️電源は本体内に格納されるスタイルが維持されるらしい
⭕️筐体サイズが小型化されても、価格は下がらないらしい
❌エントリー構成はRAM 8GB、SSD 256GB
でした。RAM 16GBスタートになったのは、素直に歓迎できる変化です。
M4 Mac miniの小型化度
旧来のMac mini筐体よりは小型化するが、Apple TVほどには小型化しない、というのはあらかじめ分かっていました。それは、物理的に無理というものです。
全体的なサイズは、だいたい噂どおりでしょうか。電源を内蔵するのも、事前の噂どおりです。電源ボタンが筐体裏面に配置されているというのも、ふだんはほとんどスリープ運用しているので、とくに問題は感じません。
M4/M4 Proチップ、および周辺回路がどれぐらい発熱するのか、それに応じて放熱機構のサイズも変わってくるわけですが……本体の半分ぐらいが放熱機構(正味は半分ぐらい)というのは驚かされました。
ここから、M4/M4 Proチップとその周辺回路が、事前予想をはるかに超えて発熱する可能性があるわけです。あくまで、可能性です。
Mac mini M4の筐体サイズの小型化は「熱次第」だと思っていました。現行のM4/M4 Proの熱対策のために5cmもの厚みを持つ筐体を採用しているのか、将来の後継チップでこれだけの放熱機構が必要になると見積もられているのか。おそらく両方だと思いますが、今後もアップデートのたびに動作クロック周波数をじわじわと上昇させていくことが予想されます。
M1(3.2GHz)、M2(3.5GHz)、M3(4.1GHz)、M4(4.4GHz)と最高動作クロック周波数は更新されてきました(動作中のクロックはひんぱんに変動するので一定ではありません)。今後も、より進歩した半導体製造プロセスを採用しつつ、動作クロック周波数を上げていくのでしょう。
動作クロックを上げると、その結果として発熱量が上がる可能性があります。毎年のアップデートのたびに改善された半導体製造プロセスを導入できるわけではないため、新型Mac miniの放熱性能はそうした「半導体製造プロセスが停滞している状態で、動作クロックを上げた製品」(強引に高速化した世代の製品)に合わせて余裕を持って設計されているのでしょう。
むしろ、「iMac M4の放熱大丈夫?」と考えてしまうところです。ノート型よりも余裕のない薄型筐体に、盛大に熱を出しそうなM4チップを詰め込んで、おまけにこちらも発熱するディスプレイでマザーボードをサンドウィッチ状態。早々に熱による問題が出そうに見えます。
RAM 16GBスタートの意味
意味も何も、ローカルでLLM(Apple Inteligence)を動かすのに8GBでは無理という判断と、チップ直付けで拡張できないのに8GBではRAM少なすぎというユーザーの意見と、SoCに直付けできる少ないチップ数で16GBの容量を構成できるメモリチップが妥当な価格で入手できるようになった、というタイミングなど複数の条件が重なり合った結果でしょう。
一方で、RAM 8GB搭載のMacでのLLM実行は無理とは言わないまでも、かなり苦しいものになるのでしょう。Apple Silicon Macの中古品や、Amazonの低価格品などは「RAM 8GB、SSD 256GB」という「不幸の詰め合わせセット」なので、これらの価格がさらに低下する可能性があります。
とはいうものの、本当に16GBで快適なのかと言われると、おそらくこれはLLMをローカルで動かす最低ラインであって、快適なのかどうかは日本語版が提供されるまで不明です。ただ、Apple社内的には16GBのRAMがあるレベルを実用的な最低ラインとして調整を行なっているのでしょう。これは、2025年の4〜6月ごろまでわからないことです。
24GBを選択しておかないと快適ではない、といった話にならないとよいのですが……。ダメでも、Apple Inteligenceさえ使わなければ16GBでも快適ということになりそうです。
Mac mini M4の速度
これは、実際に動かしてみないとぜんぜんわかりません。予想よりもいいのかもしれないですし、Appleの宣伝ほどではないのかもしれません。
それでも、Apple Silicon MacではじめてM1よりもシングルコアの実行速度がベンチマークで2倍程度に達し、「速度差が体感できる」レベルになったことは歓迎できるでしょう。
実際にさわってみないと分からないので、なんとも言えませんけれども。