Macで一番苦労した周辺機器、フットペダル
周辺機器には泣かされてきたMacユーザー。Mac OS X移行後は、わりと汎用品が使えるようにはなりました。それでも困ったのがフットペダル。
戦場の絆ポータブルでアーケードに寄せた操作を
2014年あたりからハマりだした、ゲームセンターにある(あった)アーケードゲームの「戦場の絆」(2006〜2021年)。実際にカプセル型のコクピットに乗り込んで、半球スクリーンにガンダムの世界が映し出され、2本のジョイスティックと2個のフットペダル、そして音声通信用のヘッドセットで仲間と連携して戦うチームバトルのゲームです。
臨場感もあり、たいへんよくできていて、「世の中はこんなに進歩していたのか!」と感激しました。
ただ、1プレイ300円程度でもあり、ゲームセンターも遠いので通い詰めて練習するのには問題もありました。
そこで、PSP版の「戦場の絆ポータブル」を購入してこれで練習。
とはいうものの、携帯型ゲーム機であるPSPはすべてボタン操作なので、
フットペダル操作の感覚を養うことはできません。調べていると、PSPのエミュレータ「PPSSPP」を使ってPC(Mac)でも戦場の絆ポータブルをプレイでき、PCならさまざまなコントローラを接続できるためフットペダルの練習もできるだろう!
……と、目論んでいろいろ調べていたわけですが、なかなかそう簡単にはいきませんでした(当時)。
激安ペダルが使えない
中華製USBフットペダルなる製品があって、これがあればMacでフットペダルを簡単に使えるに違いない! と考え、でたての頃に買ってみました。
物理的につながるけどソフトウェア的に認識されない。Windows用で、ダメ元で買ってみたものの、やっぱりダメ。
また、踏んだときにスイッチ感がなくて押せたのかどうかがわかりませんでした。
Bluetoothペダルは楽譜用
BluetoothでMacにつなぐ譜面めくり用のフットペダルが売られていたので購入!(ずいぶん前になりますが)
認識されるし、操作もできる!
しかし、楽器用といいますか、譜面めくり用だったので、連続操作ができないように内部で処理されていました(チャタリング防止処理)。これだと、ゲームには使えません。
ないなら作る! キーボードキットで!
自分が使いたかったのは、日常的に何かマクロ的なものを呼び出すような操作もさることながら、MacでPSPのエミュレータ「PPSSPP」+「戦場の絆ポータブル」を動かして、フットペダルでブーストとジャンプの操作を入力すること。
連続してジャンプやブーストを小刻みに入力(連打)できないと、意味がありません。
つまり、
macOSが認識をする汎用HID(Human Interface Device)であること。専用のアプリしか認識しないのはダメ
macOS上かPPSSPP上で何らかのキー割り当てができること
PPSSPPが認識できること
が条件になります。
いろいろ検討したところ、
Apple純正キーボードを分解して、コントロール基板を取り出し、接点にフットペダルをハンダ付けする
自作キーボードキットにフットペダルをハンダ付けする
の2つの方法を思いつき、後者を選択することになります。そのほうが小さくまとまって、ハードウェア制作も楽そうだったからです(20年ぐらいハンダこてを握っていない、ほぼビギナー)。
自作キーボード専門店で調べて自作
秋葉原の自作キーボード専門店「遊舎工房」に行って、店頭でいろいろキーボード自作キットを調べました。
最初から、70個も80個もハンダ付けする根気はさらっさらないので、最低限の構造を持っているキットを探します。
本当は、1つのキーだけがつながっているキットがあれば、基本構造を理解するのに一番よいのですが、そういうものはなく……4つのキーを備えた最小限のキットを作ることに。
店頭にMacBook Airを持ち込んで自作キーボードキットをつなぎ、PPSSPPを起動して動作確認。ちゃんと認識されるようです。
その場でキット(meishiキット)を買って組み立てました。
いまだと、後継製品「meishi2キット」が」オンライン購入できるようです。
https://shop.yushakobo.jp/products/834?variant=37665283539105
後日さらにステレオ標準ジャックがささる金具を取り付け、ホットボンドで接着。この先に取り替え式のフットペダルをつければよさそうです。
3通りのフットペダルを試す
コントローラとペダル部分を分離できるようにしておいたので、いろいろ試せました。
楽器のフットペダル
お安く売られていた楽器のフットペダル。メーカーによって極性が異なっており、自分が購入した激安タイプは「踏むとオフになる」タイプ。中を分解して金具を組み替えて、「踏むとオンになる」ように改造。
楽器のフットペダル、外観は雰囲気があってよいのですが、踏んだあとに元に戻るまでにやや時間があり、ゲーム操作の連打に向かないことが判明。踏みっぱなしの「ブースト」操作には使えるものの、こまかく踏み込む「ジャンプ」には使えません。このあたりは「戦場の絆ポータブル」に固有の操作の話なので、そこまでこだわらなくてもいいゲームの方が多いことでしょう。
踏み込み距離がゼロの感圧スイッチ
人が上に乗るとスイッチが入る感圧スイッチであれば、メカニカルな動作距離がゼロなので、高速に連打できることが期待できました。
部品を購入して実験してみると、たしかに踏めばすぐ感知されるものの……踏んだという感触がまったくなく、床を連打している状態なので、操作感がよくないという結論に。
ミシンや自販機用のフットスイッチ
踏んだあと、すぐにもどってきそうなスイッチ部品をAmazon上でみつけ、購入してつないでみました。クリック感もあり、レスポンスも良好。ただ、スイッチ自体が大きくないので、どこにスイッチがあるのか足で探らないといけない状態に。
最終的に、左足に楽器のペダル改造版を設置してブースト操作に、右足に感圧スイッチを置いてジャンプ操作するようにしました。
正直、手持ちのコントローラよりも操作が大変ですが、臨場感が増した感じです。
フットペダルQ&A
知り合いの前でデモしたところ、いろいろ質問がありました。
Q1:なんでゲーム系のコントローラー(レーシングゲーム用とか)を使わなかったの?
A1:使えるかどうか分からない割に高価だから
Q2:MIDI系のフットペダルは検討対象にならなかったの?
A2:MIDI系のデバイスをMacにつないでキーボードとして認識させるソフトはあるものの、MIDIではなくUSB接続できたほうがいいから(持ち歩きの都合、ケーブルが増える等)。あとMIDIに直結できるフットペダルを知らない。だいたいは、楽器のオプションとして楽器につなぐ形式
Q3:障害者サポート用のデバイスにフットペダルもあるようだけど?
A3:高い。あと、すぐに試せるようなところで売られていない
「戦場の絆」「戦場の絆ポータブル」についてまとめた電子書籍を出しています。