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We love Tennis.
僕がテニスを始めたのは高校生になった時、数えれば二十数年前のことだ。中学までは軟式野球をやっていたけど硬式野球をやる熱意も勇気もなかったし、テニスなら小柄でも勝負できそうな競技だし、上手くなったらモテそうだし、長く付き合えそうなスポーツだし、両親も「いいんじゃない」と言って背中を押ししてくれたし、バドミントンと少し迷ったけど、やらない理由は特に見つからなかった。
それ以来約四半世紀の間、僕はテニスラケットを握り続けている。もちろん受験とか、引越しした直後とか、どこかを痛めたとかで半年くらいテニスコートに立てない期間は何度かあったけど、それでも出来る限り早くコートに立ちたいという熱意を失ったことは一度もないように思う。これまでに購入したラケットの数は多分18本、1本2万円としても36万円、それにストリングやストリングマシーン(通称、ガット張り機)、テニスウェアにシューズに・・・結構な投資をしたものだ。
なんで僕はそしてテニス仲間たちはテニスがそんなに好きなのか、理由はひとそれぞれなのだろうが、それは「楽しい」と感じる瞬間や時間や空間があるからなのだろう。その感覚はプロテニスプレーヤーもそれほど大きく変わらないのだと思う。
ここ数年、男子プロテニスの世界はとんでもなく面白いことになっている。男子はR.フェデラー、R.ナダル、N.ジョコビッチ、A.マレーがBIG4と呼ばれ、大きな大会は彼ら4人の内の誰かが勝つ状態が続いていた。特にユニクロのウェアをまとったジョコビッチの強さは際立っていて、絶対王者などと呼ばれた時代が数年続き、4人の内、年齢が最も高いフェデラーとその次に高いナダルはもはや大きなタイトルを取ることは難しいと誰もが考えていた。
だが2017年は全然違った。4大大会の全豪と全英をフェデラーが、全仏と全米をナダルが制したのだ。ATPツアーファイナルというその年の上位8名が参加できる最後の大会はG.ディミトロフという中堅プレーヤーが獲ったものの、全てのテニスファンがこれほど熱くなれる1年になろうとは誰も予想していなかったと思う。
<昨年の男子ツアーの結果はこちら>
僕の個人的な話しに戻ろう。学生時代、僕はテニスコーチのアルバイトをしていた。コーチ業は勉強であれスポーツであれ、他のバイトよりも時給が良く、好きなことを教えて収入を得られる仕事でとても楽しかった。あの頃は結構テニスの技術について、コーチングの仕方について勉強したものだ。
テニス雑誌をほぼ毎月買い、テニスのレッスンメニューを大学の授業中にあれこれ考えていた。両手打ちのバックハンドにはその頃から自信を持っていたし、ジャックナイフと呼ばれる片足を上げ、早いテンポで強い球を打つ打ち方もすぐに習得できた。部活では暗くなるまでボールを追い続け、夜もコーチのバイトををしているとタダでコートを使わせてくれるテニススクールで日付が変わる頃までやっていた。
人に教えるという行為は、自分で調べて、実践してみて、上手く行ったことを他人に伝達するということだ。生徒さんは教えて欲しいことがあるから塾やスクールに通うし、講師やコーチは教えることを通して自分の弱みや強みを改めて知ることになる。
ラケット競技として括られるテニス、バドミントン、卓球はどれも自分の特徴やコンディションを理解した上で、相手のことや試合の流れ、環境の変化などを観察し、ゾーン(考えるより先に身体が反応するような状態)に入るか入らないかの処に自分をコントロールするスポーツである。ゾーンに入ってそのまま勝切ることができるならそれで良いのだが、ゾーンから外れてしまった際の精神的、身体的落ち込みは体験したものしか判らない、天国から地獄へ堕ちるような落差がある。
自分を知り、相手を知る。勝利するための戦略を練り、実行し、プランとの誤差をフィードバックし、戦略を変更する。ネットを挟んだ格闘技と形容されることもある競技であり、精神的にも肉体的にもタフであることが求められるのだ。
単身赴任生活を送った約1年半の間、僕は生まれて初めてテニススクールに通った。予約さえすれば何曜日の何時のクラスに参加しても良いというシステムを活用し、次々に違うコーチのレッスンを受けた。疑問に思っていたことはすぐに質問し、1回のレッスンで必ず何か新しい考え方やテクニックを持ち帰ることを心掛けた。
スクールで知り合った友人に誘ってもらい、年齢的に、テニスのレベル的に近いテニス仲間が見知らぬ土地でもあっという間にできた。
単身赴任が解除されて以降の試合は連戦連勝・・・とはいかない。先週末に出場した団体戦でも、シングルスは4-8で、ダブルスは2-6,0-6で10歳以上若い相手にコテンパンにされてしまった。だけどシングルスでは実力差を埋めるべく試合中もPDCAサイクル(Plan/Do/Check/Action)をぐるぐる回し続けて負けたけどやることはやった感があるし、次に試合をする際の改善点は明確になった。ダブルスでも試合の流れを掴むための工夫をする必要があることが判ったし、ポーチ(相手より先にボレーで攻撃すること)の練習をしたいと思うことができた。
歳を重ねてもまだまだ自分の中に伸びしろがあると解っているし、向上したいという欲望は枯渇しそうもない。会社が潰れてもテニスコーチとして家族を養うことは多分できるだろう。
あぁ、テニスバカで本当に良かった。
ちなみにnoteのライターさんの中にもテニス好きの方が何名か居るようだ。いつか漫画家の鈴木みそさんとテニスができたらなぁ、と密かに考えている。
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