150年しか歴史がない国
2017年は大政奉還から150年に当たる節目の年であり、(見てないけど)大河ドラマはそれに因んで林真理子原作の『西郷どん』が放映されている。でも世間では大政奉還≒日本建国150周年というトピックについてあまり報じていないように思う。
それと歴史にまつわるトピックとしては日本史の教科書から「坂本龍馬、吉田松陰、武田信玄、上杉謙信」などが消えるという話もあった。
これら2つのトピックスが報じられた根本的な理由をご存知だろうか。簡単に言ってしまえば、「政府に都合が悪い」、これに尽きる。
坂本龍馬については以前も簡単には説明したが、彼は江戸幕府と日本への進出を試みるT. グラバー&「ジャーディン・マセソン商会」との間で人生を翻弄されたいわば「パシリ」であり、司馬遼太郎の小説で英雄に祭り上げられただけの若者である。
また、思想家であり教育者である吉田松陰は正直すぎる性分のため、自分で「尊皇攘夷派」であることを公言してしまったため、幕府に捕らえられ僅か29歳にしてこの世を去った、明治維新の影の功労者だ。
武田信玄・上杉謙信については日本の歴史に影響を与えるほどの功績はなく、ただの地方大名にすぎないため、というのが表向きの理由だが、本当のところは武田信玄が初めて「日の丸」を掲げた武将であるということを知られたくないためではないだろうか。
つまり、日本という国は「明治維新からはじまった、歴史が150年しかない新興国」なのである。
明治維新は良くも悪くもこの国を封建国家から近代国家へ導いた。だが急速な変化は大きな歪みを伴うものだ。封建国家が海外へ侵略を目論む国家を目指したのだから、その歪みは計り知れないほど大きいものだったのだろう。
書店を覗くと、「明治維新の嘘」とか「天皇家の謎」に関連する書籍は結構たくさん発行されている。『事実はひとつ、真実は人の数だけある』こと、『勝てば官軍』であることを参考に、僅か150年しか経過していないこの国の歴史について、自力で紐解いて見てはいかがだろうか。
歴史探索はとても面白いアクティビティであるが、この国の過去にはとんでもなく悲しい事実がたくさん眠っている。平成最後の夏というが、この国内でしか通じない元号はいつまで続くのだろうか。個人的にはもう要らないと思っている。