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IQよりもEQやLQを

今年からぼくらは新しいビジネスを立ち上げることが仕事になった。少し前までは「稼げるだけ稼げ」みたいな感じだったのに、企業の上位方針は事業範囲が広いほど変わりやすかったりする。

ぼくはこれまでの約10年間、国内市場がほぼ完全に飽和した業界の製品開発を担当していたので、おそらく「イノベーションを起こそう」「違うモノを開発しよう」という流れになることは予想していて、1年近く前からある程度の準備はできていた。

いまは調査/分析や勉強が、やる気があればどこでも誰でもできる、ある意味パラダイスと言える時代である。

ぼくは人に誇れるような学歴も、資格も、肩書もない訳だけれど、思考する幅を広げたり(ラテラル・シンキング)、物事を深く考えたり(ロジカルシンキング、ディープラーニング)して得意な領域を増やす事を意識してきた。

で、気がついた。世の中凄く変な方向に向かっているというか仕向けられているってことに。

この「電気・電子機器製造」業界はとても変化が激しい業界だ。東芝とか、三洋とか、シャープとか、超有名な企業でも風向きが変わると一気に業績が悪化するリスクがある。なんでそうなのかと言えば「インターネット」と「中国・アジア企業」の影響がとても大きいと思う。

「インターネット」は測りしれないサイズの情報のカオスであり、それ自体がメディア(媒体)でもある。90年台くらいまでに日本企業が業界をリードし、知的資産を蓄積してきた。だがこの蓄積された技術情報は、リタイアしたりヘッドハンティングされた技術者によって、あるいは工場の海外移転によって、中国を中心とする東南アジアにあっという間に流出してしまった。

『品質』は数を作ったり、安くするための努力をする中で向上するものなので、”Made in Japan”のラベルが示す価値は、これまたあっという間に”Made in China”や”Made in Korea”と同等となり、日本製なら品質が良い、という時代ではなくなった。

日本よりも経済的に遅れていたこれらの国々の人々は、当然ぼくら日本企業よりもハングリーで、反骨精神を持っている。いつまでもアメリカや日本に負けてられるかって思っている。国家も国民の上昇志向を煽って経済成長を助長してきた。

そんな訳で、亡くなったスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの時代は過去のものとなり、アリババグループ創業者ジャック・マーの言うことの方がよっぽど参考になる時代となってきた。

これからはプログラミングもマーケティングもAIがある程度はやってくれる。モノやサービスをマネタイズする手段も次々に生まれている。じゃあ人間は、Human Intelligenceはどこを目指して勉強するべきなのか。

それはAIと戦ってシンギュラリティ(AIが人間の知能を超える技術的特異点)が起こるのを食い止めるってことではなく、人間はAIや機械のサポートを受けつつ、もっと人間らしい活動をする方向に進むべき。個々人が好奇心を持てるジャンルの、AIや機械ができない仕事をすればいい、そう思うのだ。

先出のジャック・マーはこれからはIQだけでなくEQ(心の知能指数)LQ(愛の指数)も大切だと言っている。

そう、ぼくら人間は考える葦であり、感情の生き物でもある。学力とかテストの点数を伸ばそうとするよりも、子どもを心身ともに健康で、感性豊かな人間を育てること、が教育の本来目指すところじゃないのかな。

教育の具体的な内容についてはまたの機会に。おやすみなさい。

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鰯 十三
2019年はフリーターとしてスタートしました。 サポートしていただけたら、急いで起業します。