支援教育で使えるICT教材アイデア集を作る
はじめに
本noteアカウントでの記事投稿は、私の所属団体や職務とは一切関連がありません。非営利目的で、個人的な趣味や教育資源の共有を目的としています。
普段は文具やガジェットのことをSNSやnote記事に趣味で書いている。今回は仕事関係の話。と、言っても趣味で教材を紹介する範囲内で行う。ICT教材づくりは仕事内だけでなく休みの日にも「こんなことできないかなぁ」と試行錯誤してでてきたモノ。
学校で勤務しながら教材を作る中で、「ICT教材のアイデア集がほしいな」と思うことが度々ある。支援教育では決まった教科書や教材があるわけではなく、グループの発達段階や子ども一人ひとりに合わせた教材を用意することが多い。教材を作るときに「簡単に作れる・生徒にとってわかりやすい」ものが求められている。教員がICT教材を作成するのに時間がかかると負担が大きく、元も子もないことになり、ICTは進まない。
GIGAスクール構想の流れの中、私はICT教材を少しずつ作り始めた。ICT教材を作り続けていると、教材づくりの時間は以前の半分以下になった。
ICT教材を作るには、その人の使い慣れたアプリとアイデアがあれば誰でも時間をかけずに簡単に作成することができる。アプリは使えば使うほど慣れるので、その人次第。ただ、アイデアはインプットがたくさんある方が効率がいい。そんなインプットできるアイデア集はほとんどなく、支援教育の内容に合ったものにするため試行錯誤して、自分である程度考える必要がある。その手間を省くためにも「アイデア集があればいいのに!」という思いから、作成する決意をした。それは自分のアイデアをまとめて自分自身が活用するためでもある。「もっとこうした方がいいかもしれない」「こんな教材もほしい」「こんなのもあるよ」と読んでもらっている人に教えてもらえたら、よりよいICT教材アイデア集ができそう。1年後にはアイデア集として一冊にして手元に置きたいほど。
とりあえず1年間をめどに、私のnote上・以下のマガジンに投稿していく。
支援教育で使えるICT教材
「支援教育で使えるICT教材」ではなく、厳密にいえば「支援学校で求められているICT教材」になる。では、どんなICT教材が求められているのか箇条書きで書いていきたい。
マッチング(物・数字・時間・絵・漢字・ひらがな等)
視覚的でわかりやすい提示物・時程
動きのある教材
児童生徒が主体的に活動したいと思える教材
繰り返し学習できるプリント
児童生徒が自身の言葉や行動を表現できる教材
直感的でわかりやすい
児童生徒も操作がしやすい・扱いやすい
児童生徒同士が成果物を見せ合える・評価しあえる
児童生徒が思考を言語化・表現できる
児童生徒が学んだことを活かせる などなど
ざっと思いつく考えを挙げてみた。考え始めるともっとたくさんが出てくるがまとまらない。まとまりはないが、なんとなくニュアンスは伝わると思う。「主体的・対話的で深い学び」を主題においてICT教材を作りはじめると、子どもたちの活動が思い浮かんでアイデアも出てきやすい。
ICT教材を使う理由
ICT教材に苦手意識をもつ先生も多い。「子どものほうが得意だしなぁ」「操作がうまくでない」と苦手と感じながらも、「子どもにとってわかりやすい」と、創意工夫をして「これどうやって使うん?」「どうしたらいいかな」と聞かれることも多い。子どもたちにとってわかりやすい・効果的なICT教材作りたいけど、どうしたらいいのかっていう人は多いはず。
ICT教材は必ず使うべきものではない。
ICT教材は道具。「ICT教材×実物」をうまく掛け合わせたほうがよい。これはよく職場でも話題に上がる話でもある。往来あったプリントや自作教材を使い、それにICT教材が児童生徒に効果的であるという場面で、ICT教材を活用するのが一番。
「ICT教材を使わないと」ではなく、「ICT教材は道具であり、活用の場面を選ぶ」でいい。
実際に簡単に作れるのか
私が「ICT教材は、簡単につくれますよ」と言うと、周りの先生からは「それは貴方が機械得意だからですよ」という返事が返ってくる。
たしかに機械は得意だが、情報の免許を持っているわけではないし、PCのハードウェアの話なんかをされてしまうと、私もさっぱりわからない。プログラミングなんてもっての外。他の先生と同じようにユーザーとしてアプリを触り、ICT教材を作成している。アプリに触れる時間が長く、試行錯誤しているからこそ、アプリに慣れた結果、「簡単につくれますよ」になっている。「アプリに慣れる」が簡単に早く作れる近道。
「アプリに慣れるなんて・・・」という声も聞こえてきそうだが、1つのアプリだけを使い続けたらいい。「このアプリが直感的でわかりやすいな」というアプリを見つけて、そればかり使って教材を作成すればいい。そうしているうちに使い慣れてきて、「こんな教材も作りたいな」と、余裕がでてきたら他のアプリに手をだしてみたらいい。
まずは、一つのアプリに慣れること。
自作ICT教材のおすすめアプリ
では、「一つのアプリに慣れる」ために、その一つになりうるアプリをいくつか挙げていきたい。おすすめ順にする。
1.Goodnotes6
iPadなら絶対にこれ。GIGAのiPadでは無料で有料版を使用できる。ただし個人は有料買い切り、もしくはサブスクで購入できる。
・プレゼン作成可能
・自作プリントを入れて手書きできる
・直感的でわかりやすい操作性(子どもがすぐに慣れた) 等々
・他のプレゼンアプリとは違い、授業中にリアルタイムに書きこんだり、画像を動かしやすい。
・作った教材を児童生徒のiPadにAirDropで送ることができる。共有作業も可能。
以前記事にしているのでそれを参考にしてみてほしい。詳しい教材アイデア集は後日あげていく予定。
2.Googleスライド
PC・iPad・タブレットどこからでも閲覧編集できる。Googleworkspaceを導入している学校ならとても便利。パソコンで作成してiPadやタブレット、スマホを使って教室で表示させられる。
3.キーノート
使っている人が多いので、使い方がわからなくても周りに聞ける。音を出したり、リンク機能を使ってボタン操作できるようになっている。ただ、その作成レベルはかなり高度。高度すぎてなかなか手が出せない。ちなみにリンク機能でボタン操作できるのはGoodnotes6にも同じ機能がある。
5.パワーポイント
他のデバイスで閲覧・編集がしづらいが、使い慣れている人も多いはず。最近はめっきり使わなくなったが、操作はやはり昔から使っているのでわかりやすい。ただ、これを他のタブレットやiPadに移すのが少し面倒。officeのアカウントが使用できればその煩わしさは解消できる。
6.Canva
上級者向けに見えて、実は中級者向けぐらいのアプリ。慣れるとかなり心強い味方になる。教員はCanvaに免許を提示すると有料版を無料で使用できる。
・プレゼン作成
・ポスター作成
・デザイン作成
・プリント作成
なんでもできる。そしてCanva内で自由に使えるデザインや画像について、著作権は放棄されていないが、デザインを自由に使用してよく、商用利用も可能となっている。私は生徒自身が作品を作るときに教材としてアプリを使用している。もちろんプレゼンとしても使用している。
この5つが主となるアプリになる。他にもたくさんのアプリがあり、Kahoot!、ジャムボード、フリーボード、フィンガーボードなどなど。(ちなみにジャムボードは2024年中にサービス終了する予定だと公式から発表があった。)ただ、先生方が何かを生徒たちに説明するときや授業の流れを掲示するのに使用する主となるアプリは「プレゼンアプリ」。なので、上にあげた5つはすべてプレゼンを作成できるアプリ。その中から、一つ選ぶのがよい。
今後の方向性
「はじめに」にも書いたが、今後は自分のICT教材アイデア集として元々「まとめておきたいな」という気持ちもあったので、noteに書いていこうと思う。週に一度はICT教材アイデアを投稿する予定。来年の今頃にはアイデア集が50を超えて、自分でも活用しやすいアイデア集になればいいなと思う。そしてそれが、誰かのインプット素材になれば幸い。
まずは、「Goodnotes6×支援教育で使えるICT教材」からスタートする。
おわりに
趣味であるガジェットや文具を書いていたnote記事。楽しくて、ついつい書いていると、文がまとまり、思考が整理されていく感覚がある。仕事で教材づくりをしながら、どこかでまとめたいが、仕事内でまとめるほど時間もないのでプライベートで好きなようにアイデアをまとめて消化していきたい。このアイデア消化の過程もすごく楽しい。趣味のことも書きつつ、アイデア集もやっていこう。さて、1年間とりあえず50のアイデアを出していきたいと思う。100ぐらいやってしまいたいところだが。
「はじめに」にも書いたが、所属団体とは関係なく、趣味の範囲内で考えたICT教材を載せていく。