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ダウンウェアとは何か?と、どっちがあったかいか問題〜ダウンウェア⑨〜


一旦、これまでのところ中まとめしてみます。
ダウンウェアとはなんなのか?
何が必要なのか?

□ ダウンウェアとは□

◉ダウンウェアの最大の特徴は『暖かくて軽い』こと

◉ダウンの原材料は水鳥の綿毛状の羽毛、“ダウンボール“

◉『寒暖差の激しい厳しい環境化で生きてる動物の毛はすばらしい能力を持っている』の例にもれず水鳥の羽毛の能力はすごい

◉暖かい空気をとどめておく力がすごいので「暖かい」

◉タンポポの綿毛状の素材をそのままの状態で使用するので「軽い」
 (ダウンは糸にできない)

◉ダウンウェアが暖かい仕組み、❶、❷、❸

❶ダウンがたくさんの空気を含んで熱伝導率の悪い『空気の壁(デッドエア)』をつくります。その壁が断熱材となって外気温を内部に伝えない、同時に内部に熱をためて外に放熱しない(これが防寒の主役)

❷ダウンボールの細かい小羽枝が人体からの水蒸気を効率よく吸湿することで発熱し、少しあったかくなっている(吸湿発熱現象、限界あるので“ほんのり暖か“くらいの発熱)

❸ウェア自体が雨風を防げるような密封性の高い素材と仕様で外部環境を遮断してる
 (デッドエア空間を保持。でも湿気は逃したいけど、、、)

◉『重ね着』は人類の防寒手段の基本

『重ね着システム』の最もシンプルな考え方は『3段階重ね着』
・ベースレイヤーのアンダーウェアで吸湿発散して快適さを確保
・ミドルレイヤー(断熱材)で熱を保持し外気温も伝えない
・アウターレイヤー(壁)でそれを守って、外部環境を遮断する(湿気はだしたい)

◉ダウンは優秀なミドルレイヤー(断熱材)むきの素材

◉重ね着システムの仕組みを応用して人体の周りにデッドエア空間をつくって防寒してるのが『ダウンウェア』
(建物の断熱の仕組みと同様「壁」✖️「断熱材」)

◉タウンユースのダウンウェアはワンアイテムでダウンの能力を生かせるよう一体型(「壁」✖️「断熱材」)のつくりになっている。

◉有名ブランドのダウンウェアはダウンボールのクオリティも高いのでオーバースペックになりがちなほど防寒能力高い

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というまとめをふまえまして

□  どっちがあったかいか?問題 □


「どっちのほうが暖かいんですかね?」

と、ざっくりとした質問を受けたことが誰しもあるかと思います。

何気に困る質問です。

が、通常、皆さん、うまく切り返して対応してると思います。


ダウンがなぜ暖かいか?

『仕組みと理屈』をこれまでかなり詳しく説明してきました。

それでこのどっちが暖かいか?問題に結論がでたかというと

結局、でてません。

ダウンウェア同士の比較はもちろん、ダウンじゃない防寒アウターとの比較にも

答えはでてないと思います。

どっちかというと、益々わからなくなっただけかもしれません。


まず中身のダウンの能力の比較ができません。

ダウン量もそれぞれ違います。

ウェアのつくり(構造)も大きく影響します。

ダウンとウールやカシミア(他の素材)の比較も正確にできません。

防寒アウターの素材と構造でも防寒効率は違ってきそうです。

「なぜ暖かいか?」の理屈を知って手がかりが増えた分、

比べる時に考慮しなきゃいけないことも増えて、

余計にはっきりしなくなっただけの気がします。


ですが、一点一点のアウターがどういうものでルーツや目的は何か?
(何がやりたいのか?)

は以前よりわかるようになってるのではと思います。

例えば

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(ボアのノーカラーコート)

こちらも定番化して最近似た感じのモノをたくさん見かけます。

ノーカラーコートのバリエーションとして定番化してるアイテムですがもともと

のおおもとの元ネタはおそらく

“コート用の裏ボアライナー(たぶんミリタリーモノ)“です。

ということは役割としてはミドルレイヤーで断熱材。ノーカラーで密封度には少しかけてます。

『暖かいか?』と言われたらもちろん断熱材ですから『暖かい』けど、多分しっかりした地厚のウールのコート(裏地つきの)の方が暖かいかも。

そして当然、ダウンウェアの方が暖かい。

でも、このコートの良さはきっと
“ムートンやフリースっぽいモコモコの素材とライナーっぽい不完全なディティールでのドレスダウン感“、“ノーカラーコートの女子っぽさ“
“色々重ね着できそうな丈と襟元のアキ“、“オフ白のカワイさ“
そして“軽さ“ 
とかです。(たぶん、、)

『断熱材を主役で使ってる時点でマックスの防寒アウターを目指してない』とわかります。

いい例が見つからず、ちょっとヴィンテージすぎかもですが、

こちらはアルファ自体がタウンユースにアレンジしたもの

https://item.rakuten.co.jp/jeans/ta7055-148/?gclid=Cj0KCQiA8dH-BRD_ARIsAC24umZm0RCxQ_jSkI6um8NMRh29_itcY0fugGRyGX5kuE57QeNhIuayIDgaArjvEALw_wcB&scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868&icm_agid=64461832228&gclid=Cj0KCQiA8dH-BRD_ARIsAC24umZm0RCxQ_jSkI6um8NMRh29_itcY0fugGRyGX5kuE57QeNhIuayIDgaArjvEALw_wcB&icm_cid=1424322905&icm_acid=834-739-7270


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「どっちが暖かいですか?」という質問は実はそんなに重要ではないケースは多いと思います。

ダウン同士の比較になっても

“ロシアに出張に行くことになった“、“雪国に住みことになった“

とかじゃなければ選択の最優先事項ではないはずです。

タウンユースでの使用には十分なスペックはどのダウンも持ってます。

これまでダウンが暖かい『仕組みと理屈と使い方』をかなり詳しく説明してきました。(理屈は変わらないのでちゃんとわかればもう一生調べなくて大丈夫)

これは他の素材やアウターでも通用する内容だということもわかっていただいてると思います。

ダウンウェア、防寒アウターが暖かい理由は皆さん十分知ってますから、

たまに聞かれるこの質問にも

「どっちが暖かいか?本当はそんなに重要じゃないですよね。」

とまではなかなか言えないかもしれませんが、

これまでよりも自信をもってうまく切り返して対応してください。

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