重ね着の続き、デイリーユースへの応用〜ダウンウェア⑥〜
○インナーダウンはアウトドアの「レイヤリング(重ね着)システム」でいうと“ミドルレイヤー(中間着)“にあたるアイテム
○アウトドアの「レイヤリング(重ね着)システム」は実は“日常のタウンユースでも使えて、理屈を知れば色々応用が効く“
という説明を前回しました。
今回は、普段から店頭でも見てるアイテムが「重ね着」のシステムに当てはめるとどういう位置付けになりそうか、実例をあげてみます。
◉ベースレイヤー的な役割のもの
普通にteeシャツやシャツ、アンダーウェアということになりますが、
実はアウトドアものにしろ、ミリタリーものにしろ、運動・活動することが前提なのでベースレイヤー(アンダーウェア)も防寒でかつ吸汗速乾という素材を使ってます。
日常着としてはコットンの薄手カットソーをベースレイヤー的に捉えてもイイのですが、コットンは水分は吸うけど乾くのがちょっと遅いです。
ベースレイヤーの大事なポイントは“肌触りよく吸汗速乾で快適空間の維持“です。
それこそ「パタゴニアのキャプリーン」や「ユニクロヒートテック」などのイメージ。
ベースレイヤーは店頭でしっくりくるものがなく、誤解を生みそうなのであえて具体例はあげません。
とはいえここではタウンユースの日常着の話なので、とりあえずコットンのアンダーウェアやteeシャツ、シャツをベースレイヤーがわりに着てる前提でお考えください。
(マジレイヤード用アンダーウェアというジャンルはファッションアパレルの店頭ではほぼ見かけません。)
◉ミドルレイヤー的に使えるもの(断熱材・インナーダウン的役割り)
・スウェットやニットは伸縮性もあり(動ける)保湿性も高い、ミドルレイヤー的です。
裏起毛ならさらに効果的(汗だくになったらこれも乾きませんけど)
ちなみにニットやスウェットのルーツは作業着、運動着です。
(アランセーターのルーツは漁師の作業着ですが、アラン諸島でどんどんこった編み地が創作され進化していき、オフ白カラーは子供たちの晴れ着として大切に扱われるようなアイテムにまでなります。その後は海外でも知られ、たくさん輸出され、定番ニットの1ジャンルとして世界中で模倣品がつくられるようになり今に至ります。)
・インナーダウン
まんまです。モンベルEXダウンベスト(昔のです)。携帯可能な多目的ダウンです。
・フリース、ボア関係は基本ミドルレイヤー
これはロスコのフリースなのでマジの軍モノミドルレイヤーベース。
・各種アウターについてる防寒ライナーはもちろんミドルレイヤー(断熱材的役割)です。
(オリジナルのステンカラーコート)
コート自体はもちろん伝統的な防風水を重視したアウターです。
ライナーは取り外し可能な中綿キルティングベスト。地味に防寒性はかなりUP。
防寒中綿の定番シンサレートです。EXーSOFTの解説は下のサイトで。
https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/thinsulate-jp/
(リラクスのボアもミドルレイヤー)
今季のカラーはグレーだそうです。
もともとがミリタリーもののディフォルメデザインです。
わざとアウターのスソからはみ出す丈、カワイイです。(防寒度は下がりますけど、、)
◉アウターレイヤー的に使えるもの(壁・ハードシェル的役割り)
・ゴアテックス(防風、防水、透湿性)などを搭載した一見ペラペラシェルのレインジャケット。
もちろんそのままアウターです。(壁の役割、これだけだと断熱防寒機能はほぼないです)
ノースフェイス クライムライトジャケット
ズバリ、レイヤード対応アウターとしてつくられてるので使えるのは当たり前ですが。(ゴアテックス搭載なので雨風を完全に防ぐために縫製部分はすべてシームテープ接着で密封してます。こういうスウェットとの重ね着もそれなりの防寒効果ありです。)
・バブアーのオイルドコットンのコートはもちろんアウター。(壁の役割)
定番ビデール。裏地迷彩です。
防水、防風に優れますが、断熱防寒素材ではありません。
(ルーツはやっぱり海系の作業着らしいです。)
防寒には専用ライナーつけるか重ね着がお勧めです。
が、この迷彩の裏地にも内側へのワックスうつりを防ぐ加工が施してあるようで思ったより密封度高いです。
(スエットと重ね着して自転車乗ってたら大汗かいたことあります)
・マッキントッシュのゴム引きコートもまさにアウターです。
表地と裏地の間にオリジナルのラバー樹脂を挟んで接着してあり、防水、防風、密封性が高いですが、その分やはり通気性に欠けます。脇のベンチレーションは必須か。(こちらはレインコートとして発明されたようです)
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ロスコのフリース(断熱材)✖️ノースフェイスクライムジャケット(壁)で重ねたり
アランセーターのケーブルニット(断熱材)✖️マッキントッシュ(壁)で重ねたり(ちょっと暑そう)
すると効率よく防寒できます。
ダウンウェアに負けないくらい威力を発揮するケースも全然あります。
<まとめ>
・ベースレイヤー(アンダーウェア)はそれなりに運動しても快適性が維持できることが重要。コットンのteeシャツでもありだけど、本気の場合は防寒でかつ速乾性が必要。
・自分の手持ちのアイテム、店頭のアイテムがどういう役割りかを考えて重ね着すると、効果的に防寒できる。組合せ次第でダウンウェアに負けないくらいの防寒性も得られる。
もう少しだけ次回に続きます。
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