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洋服の修理を受ける際気をつけること(まとめと補足)後半

続きです。

補足として修理ができるかどうか?(受けて大丈夫か?)
いろんな事例をあげて4項目チェックします。

◉デニムウエスト詰め3cmくらいの場合(ちなみにダシはまるっきり無理です)

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(内側)

1、つくり上(構造上)可能か ○(詰めなので一応できそう)
2、もとのデザイン・形状が再現できるか △(ウエストベルトが一体型のパーツなのでどこか切らないとダメだが、ベルトループで加工跡を隠して大丈夫ならok)
3、見た目が綺麗にできるか  ○(コットンは縫製跡など基本残るがツメなので内側にほぼ隠れる)
4、バランスは許容範囲か   ○(たぶん3cmなら問題なし)

(デニムの縫製自体が特殊なのでハードル高いですが設備と経験があればできそう。その辺はこの修理シリーズの❹を見てください。このセンターシームはデニム縫製の真骨頂の一つです)

◉袖本切羽女子ジャケット、袖丈詰め

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1、つくり上(構造上)可能か ✖️(釦ホールの穴が空いてるのでムリ)
2、もとのデザイン・形状が再現できるか ✖️(同上)
3、見た目が綺麗にできるか   ✖️(同上)
4、バランスは許容範囲か   ✖️(同上)

本切羽仕様のジャケット袖口はボタンの切羽がほんとに空いていてほぼいじれません
(1の「つくり上〜」が✖️の時点で、2〜4を検討する意味はないですが。
なのでこの場合は肩を外して上から詰めることになります。それはそれでリスク高ですが、、 )

◉アキミセを袖詰め(3cmくらい)して本切羽に仕様変更

「アキミセ」を「本切羽仕上げ」に仕様変更する時は、袖詰めをやってアキが短くなりすぎるとホントに開閉可能な穴のあいたボタンホールがつくれなくなるので“問題あり“になります。

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こういうアキミセ仕様のものを上の画像の女子ジャケットのように本切羽にしたい。

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(折り返すと裏地でとじてある)

アキが閉じてあって、あいてる風の仕様ですが、もともとホントにアキはつくってあるので本切羽へ変更可能です。

画像5
(縫製とくとこいう状態)

1、つくり上(構造上)可能か (この場合は本切羽への仕様変更ができるか)
○(丈詰めして、ホントの釦ホールをつくる、ともに可能)

2、もとのデザイン・形状が再現できるか(この場合は本切羽への仕様変更ができるか) △  (形状は問題ないが、アキの部分短くなるので上の方の釦がホントのボタンホールがつくれないかも)

3、見た目が綺麗にできるか   △(元のボタンの跡残るかも、素材がウールだったら結構平気です)

4、バランスは許容範囲か   ○(問題なし)

丈詰めしたらその分、釦自体を上に移動しなくてはいけないのですが、画像のようにアキの部分の長さが短くなると、上から1つ目(2つ目)くらいの釦ホールがつくれなくなります。(それでもお客様と相談して大丈夫ならokです)


<まとめ>

4項目チェックのそれぞれ“注意しなくてはいけないケース“をあげてみます。

1、つくり上(構造上)可能か
・内部がどうなってるかわからない商品、リバーシブル
・通常修理しない素材、つくりの商品
(ハイテク系素材、ダブルフェイス、ボンディング(ウレタン樹脂接着)、機能性フィルムが挟んであったりする生地、シームレス縫製、圧着・接着してある生地、止水テープ、シームテープ、ダウンウェア、レザー、合皮、、)
・本切羽など生地にすでに穴などあいている状態

2、もとのデザイン、形状が再現できるか
・デニムのように「製品後加工」してある商品
・内部がどうなってるかわからない商品、リバーシブル
・通常修理しない素材、つくりの商品(同上)

3、見た目が綺麗にできるか
・ウール以外の素材の「ダシ、伸ばす、広げる」
縫製やプレス跡が内側に隠れないので(ウールでも薄いハリの強い素材は危険)
・「製品後加工」の商品
製品染めや強い製品洗いは必ず、縫製や折り返しなどが影響して変化してるので綺麗にいかない
・レザー、合皮の縫製の穴は消えませんので影響しそうな時は注意!

4、バランスは許容範囲か
・大きい寸法調整になりそうな時(特にラインが独特の時、フレア、マーメイド、コクーン、バナナとか、、)
・パンツ以外のアイテムの丈詰め(特にトップス、アウター)
・スリット、ベント、ポケットなどのデザインディティールに影響しそうな時

とはいえ、

わからないものは結局わからないので、うまく対応していくしかありません。

ここで大事なのは、やっぱり「わからないということがわかる」ようになることです。

お客様に事前に的確に「〜という理由で預かってみないとわからない」と伝えられるか?相談できるか?で結果は結構変わると思います。

そのための4項目でもあるので困ったら思い出してください。

注意:この内容はあくまで既製品の洋服を販売するにあたって実際に発生する修理内容を前提にしています。その範疇を大きく超えるような内容は想定していません。(リサイズ、デザイン変更、改造レベルの修理など)

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