「足の実寸」と「靴のサイズ」はなぜずれるのか? JPN表記は『足入れサイズ』 靴のサイズ表記がなんだかわからないのはなぜか⑦
(見出し画像はJIS規格の靴の男性用のサイズ表:「足と靴の健康協議会」様サイトより抜粋・参照してます)
靴のサイズ選びを混乱させる大きな原因の一つは
シューズのサイズ表記には『靴型サイズ』と『足入れサイズ』がある
です。
◉欧米のサイズ表記は基本、靴型(木型)のサイズ
◉日本のサイズ表記は基本、履く人の足のサイズ
前回、「欧米の靴のサイズ表記は基本、靴型のサイズ」について説明しました。
では『足入れサイズ』とはなんなのか?
◉日本のサイズ表記は基本、履く人の足のサイズ
欧米が靴型のサイズを表記として使っているのに対して日本国内のシューズは
『履く人の足の大きさを表記』しています。
これは例えばNB990のJPN表記がそうだということではなくて
国内のJIS規格採用ブランド、メーカーさんの靴がこの『足入れサイズ表記』
を採用してしているということです。
例えばこのアシックスさんのゴアテックス搭載のローファー
サイズ表記は
25.5cm 2E です。
これは「実寸25.5cm 足囲2E」にあたる人が履くとよいサイズということです。
ちなみにカップインソールの実寸は
28.0cm(つまり捨て寸2.5cmくらいある、ちょっと大きい、、)
アウトソールの実寸は29.5cm。
思ってたよりも実測の数値が大きいです。が、
『実寸25.5cmで足囲が2Eの人が履くと合う確率の高い靴ですよ』
というのが日本の『足入れサイズ表記』です。
決して靴の足長が25.5cmではありません。
「日本人の25.5cmの人が履く靴の大きさはこのくらいでしょ?」という推測のもと、靴型作成されている(グレーディングされてる?)ということになります。
「“履く人“の足のサイズ」に重きをおいた表記方法です。
履く人の立場に立った表記方法といってもいいと思います。
わかりやすくて便利です。
「おもてなし」というか「親切さ」というような日本的な発想にもよくも悪くもあってるかもしれません。
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うちはファッション屋さんでセレクトショップなので扱っている靴の性質上、JIS規格採用のものはおそらくあんまりないはずです。(海外の靴や海外サイズ表記靴がほとんど)
このアシックスのシューズのような『足入れサイズ表記』の靴は滅多に扱いません。
私もうちで働いてからはもちろんですが、自分で靴を買うようになって以来「足入れサイズ表記」の靴をほぼ買ってないし、長い間、履いてなかったかもしれません。
そういう人も多いのではないでしょうか?
にもかかわらず、未だ『靴型サイズ表記』と『足入れサイズ表記』を混同しがちでサイズ選びが混乱しがちなのは
のが原因だと思われます。
ちなみにうちで扱うシューズはオリジナルであっても
どうやら表記はNBと同じ感じです。US 8 1/2をメインの表記として採用。
カップインソール実寸、27.5cm
アウトソール実寸、29.0cm
こちらはどうでしょう?
スペイン生産のUAネーム 揉み革 タッセルスリッポン。
EUサイズ表記を採用 サイズ:41
インソール内寸 約27.5〜28.0cm。
アウトソール実寸 28.5〜29.0cm。
いずれもオリジナル企画の靴ですがそれぞれUS表記とEU表記で『靴型サイズ表記』採用です。
その辺を踏まえた上でいよいよ「表記」と「実寸」と「足の大きさ」の関係について考えます。
が、続きは次回に。