『 いろんな仕上げ・加工のレザーシリーズ』とエイジング ホワイトハウスコックス「ヴィンテージブライドル」シリーズについて⑥
一般的にブライドルレザーはエイジング(経年変化)が楽しめる革という風によく言われます。
1番の理由はタンニン鞣しで表面加工の少ない革だからです。
革に加工を施すほど変化はおこりにくく、わかりにくくなります。
例えば、
◉『ロンドンカーフ』
外側の革は「クローム鞣しのカーフに顔料による着色、型押し、レジン樹脂コート仕上げ」です。(ブライドルではないです)
経年変化はほぼ望めないですが、傷はつきずらく、発色の自由度高く、色抜け色移りもなく、メンテはあまりいらない。
内側のレザーと配色の組合せ、白ステッチでホワイトハウスコックスの中ではポップな仕上がりのシリーズ。
内側は定番ブライドルレザー。
インパクトある色展開。
「表面を顔料で着色し、型押し後、コート材で仕上げる」こういうケースは非常によくあります。
ですが、
今、扱っているホワイトハウスコックスの他のシリーズはほぼエイジング(経年変化)が期待できる革です。
一番人気の#7660 3ホールド(三つ折り)と呼ばれる財布です。ほぼ全シリーズで、このモデルはつくられてます。
店頭サンプルなので経年変化しています。(全て5年以上は経ってるかと、、)
まずは
◉定番『ブライドルレザー』
「ヨーロッパ産のカウハイド、ベジタブルタンニン鞣し、銀面はバフがけ、着色は染料、アニリン仕上げ」です。
完成までに3〜4ヶ月の手間と時間。(一概に言えませんがクローム鞣しだと全部で10〜30日くらいで大体のケースは完成)
個体差は大きくないですが多少“色ブレ“してるケースがあります。
やはり、馬具用に開発された本場英国製のブライドルレザーです。
充分「やたらと丈夫な厚い革」です。
定番の『ブライドルレザー』も革小物としては必要以上の堅牢性・耐久性があり
ります。
あくまで『ヴィンテージブライドル』が“超イレギュラー“という感じです。
定番のブライドルの経年変化は“光沢感を保ったまま、ゆっくり馴染んでいく“イメージ。
◉『アンティークブライドル』
レザーは定番の「『ブライドルレザー』と同様ですが染色工程が職人さんのハンドブラシによる染料染め、アニリンフィニッシュ」です。
簡単に言うとスプレー染色ができる前の昔からのやり方で、職人さんがブラシで染料をじっくり繊維に入れていきます。
経験と匙加減で微細な調整が可能になるようです。
原皮の表情がかなり残っているので銀面にバフがけをしてないように見えますが、そこはちょっと不明です。個体差結構あります。
『定番のブライドルレザー』とハードな『ヴィンテージブライドル」との丁度中間くらいにあたる雰囲気ですが、透明感と光沢感のある美しい仕上げです。
その分、経年変化も大きいはずですが、耐光に弱そうなので色抜け注意です。
◉『ダービーコレクション』
フランス原産のホースハイドを英国で仕上げた革。
「フルベジタブルタンニン鞣しの後、植物脂と動物脂をブレンドしたオイルをしっかりと浸透させたソフトなホースレザー」です。(ブライドルではない)
染色は染料だと思われますが、光沢を押さえてマットに仕上がってます。
オイルドレザーとは簡単にいうとオイルを多めに入れた革です。アイテムや目的に応じてレシピは変わるはずですが、基本的には柔軟性と耐久性、撥水性、防水性が増します。
画像のような渋めの経年変化が楽しめます。
内側の革は英国独特の“タン“と呼ばれるカラー(オレンジがかった茶)。
タンを軸にして外側の革とのツートン配色の展開です。
タン(内)✖️ブラック・ダークブラウン・ネイビー(外)の3色展開に
レッド(内)✖️ネイビー(外)配色が後から加わりました。
◉『リージェントブライドル』
「定番ブライドルレザーに細かい格子状のシボを型押しした革」です。
キズなどつき辛く、目立たなくなりますが、もとの表情は消えて経年変化も分かり辛くはなります。
同じ型押しの『ロンドンカーフ』シリーズ同様、財布やカードケースは
外側『リージェントブライドル』✖️内側『定番のブライドルレザー』の組み合わせです。
各シリーズ詳細に関してはこちらを
●本家グリフィンインターナショナルさんの各レザーの解説です。
●経年変化、エイジングの事例、福岡の直営店FRAMEさんのサイトです。
経年変化のいろんなパターンを見てみてください。
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