元カノに会った話(2)

“彼と私とは今でもスペシャルな関係なの。彼と私は普通じゃないきずなで繋がってる。私は彼のことが大好き!”

リズは目の前に座る彼の目を見ると、とても幸せそうに笑った。彼とリズは、初恋の2人のようにうっとりと目線を合わせた。

反応しきれない私は、Uh,huh...と相槌することしかできなかった。まるでカップルのデートに割り込んじゃったみたいだ。私は何を聞こうとしてるんだろう。わからない。自分の心の反応を極力ミニマムにして、なるべく忠実に彼女が話すことを聞こう、それだけを考え続けた。

“そうよね、理解しづらいと思う、元カノとスペシャルな関係が継続してるなんて。私の家族も前はなんで家族のパーティーに別れた彼氏を呼ぶの?クリスマスになんで彼がくるの、とか。わたしもなんで説明していいかわからなくって、でも、最近はなんとなく理解してくれてるみたいだけど。2人以外には理解できないかもしれないけど、とにかく彼のことが大好き。彼も同じように感じてくれているとしたら、すごく嬉しいし、幸せ!心から愛してるわ!”
彼と元カノとは、手を取り合いながらしばらく見つめあっていた。

“別れることを決めて、彼が同棲してた家を出ていくことになった最後の夜、2人で泣きじゃくりながらたくさん話をしたの。好きなのに離れることが2人のためとわかってた、でも2人の絆はとてもそこに放り出せるものではなかった。そして2人で決めたの。2人は特別な絆で繋がってる。いまはお互い傷ついているけれど、別れてもこの絆は大切にしよう、って。無条件に愛したい、というお互いの気持ちを確認した。兄弟や家族は何をしてくれなくても大事に思う、愛し続ける、同じように私と彼もunconditional loveで結ばれている。彼のありのままを、わたしは愛している。”

リズは、彼と同じような説明をした。彼は前に、リズのことは無条件に好き、一番好き、と言ったことがあった。彼女のありのままを愛している。いまはセックス を伴う関係ではないし、そうなるとは思わないけど、万が一彼女がそれを望むなら、喜んでそれを提供するだろうとも言っていた。それを、思い出した。

長い間2人が築いてきた絆が感じられて、あきらめにも似た感情が湧き出していた。彼のことがぐっと遠く感じられて、途方に暮れた。この2人の関係は思ったよりも強く、安定した、触れようにも触れられない2人だけの何かなんだなと、思った。別居でセックス レスの愛情がない夫婦より、よっぽどお互いを思いやっている。2人の幸せそうな空気が、2人の愛にあふれる特別な関係を表していた。

続く、、、

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