【妄想ライオンズ 115】ルーキーの快投を支えた1回の攻撃
ドラフト1位ルーキーの初登板。すでにオープン戦でその実力は十分に見せつており、ある程度通用することは十分想定されていた。
しかし、オープン戦とペナントは別物。相手はチャンピオンチームであり、しかも対するのは昨年の新人王のシュンペーター。
「楽な展開にはならない」ことは十分に想像できた。
「昨日勝っているから」(まあ今日は負けてもしょうがない)という気分もあった。
そういうあれこれを、ライオンズの3番と4番があっという間に振り払う。
立ち上がりから圧巻のストレートを放り込んでくる山下に対して、簡単にツーアウトになるも、3番の外崎がじっくりとボールを選びフォアボールを選ぶ。
4番のアギラーの2球目、外崎は完璧なスタートを切る。ここは、サインだったように思う。初球が154キロのストレートでストライク。次は得意のカーブが配球されることは、かなり高い確率で予想された。そこをベンチが狙ったように見える。
それにしても外崎のスタートは完璧で、ストレートだろうがカーブだろうが、おそらくセーフだった。
そして、動揺したわけではないだろうけれど、予定通りに30キロの差のあるストレートが3球にくるも、そのボールは期せずして真ん中へ。
アギラーが流石のパワーで振り負けず、ライトへ痛打する。
ツーアウトランナーなしからの、四球ー盗塁ータイムリー。華麗な先制点。この1点が、ルーキー左腕にどれだけの心の励みになったことか。
武内のピッチングは最高だった。コントロールに苦しむ山下を向こうに、スイスイと、そして時にズバズバと投げ込んでいった。時に荒れてくる逆球も十分にオリックス打線を手こずらせていた。
ライオンズに、左のWエースが誕生する。そう期待させ、予感させる快投だった。
打線は、正直山下を捉え切れなかったものの、泥臭く加点をして、相手に流れを一度も渡さないまま、盤石のリレーで完勝。強い、と感じる試合運びだった。
明日は先発転向のボール。オープン戦は、完璧に近い出来栄えだった。チームの状態もよく、3連戦を2勝しての登板は、ある程度リラックスして挑めるはず。こちらも大いに期待できるのでは。