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【妄想ライオンズ その14】仙台決戦前夜

残り3試合。エースの快投と4番の一打で3位をキープし、いよいよ仙台にて、楽天との直接対決に乗り込む。その先発は、8月26日、魂の144球で山本に投げ勝った、ライオンズの11番、我らが若大将、ヤンチャエース。

山本にリベンジした、栗山が犠牲フライを打った、愛斗がヘッドスライディングでもぎ取ったあの日、ライオンズファンは優勝を感じたはず。しかしそこから11番はベンチから消え、期せずしてライオンズは首位を転落し、優勝を失い、CSギリギリの圏内まで落ちていった。

1ヶ月ぶりのマウンドは、まさにCS進出に向けて、1戦限りの天王山。力むなという方が無理かもしれない。例によって四球も出すかもしれない。しかし、それでもパワーアップしたストレートと切れ味抜群のスライダーを、渾身の思いで100球投げ切っていく。

9月の終わりの仙台の夜は涼やかだ。6回の裏、3回り目を迎えた楽天の中軸に対し、100球を超えた彼は、軽くを汗を拭う。ここだ、こここそが、今年1年の全てだ。思いを込めて、3、4、5番に渾身のストレートを投げ込んでいく。そのスピードはまだ155キロを記録する。

6回を4四球2安打2失点、いかにも彼らしい、けれど、気迫のこもった投球に打線も応える。1点差をキープして7回からは必勝リレーへ。最小得点差をなんとかキープし、9回は守護神がしめる。CSをいよいよ手繰り寄せる1勝。11番がもう1人のエースとして一歩踏み出した夜。

9月28日

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