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元ホテル営業マンが解説 ❃ 賢いホテル予約術!公式サイトと予約サイトのメリット・デメリット

本日は、たくさんの方が気になっているであろう「どのチャネルから予約するのが1番お得なの?」というトピックに焦点をあてつつ、ホテル側のメリットと予約者のメリット双方について解説していきたいと思います。


各サイトから予約できるけど、結局どこからどう取るのが1番いいの?


基本的にホテルはダイレクトブッキング(ホテルの公式ウェブサイトや電話での直接予約)を推奨しています。

ですが、ホテルのダイレクトブッキングと予約サイト経由の予約には、それぞれメリットとデメリットがあります。

価格については状況に応じて異なりますが、一般的な比較と、それぞれの方法に対するホテルと予約者の観点からのメリット・デメリットを書いてみましょう。


1. 価格の比較 / どこが一番安い?

"公式チャネル(以下、ダイレクトブッキング)と予約サイト、どちらから予約するのがお得なのか?"

*ダイレクトブッキングの場合*

上記に書いたように、ホテル側が最も推奨する予約方法です。
なぜならば、実質は予約サイトよりも安い場合が多いからです。

「いや、そんなことないんだけど」と言う方もいらっしゃいますが、これはオフィシャルサイトも予約サイトも全てのチャネルで異なる変動をしていたら、タイミングによっては予約サイトの方が安い状況であることも発生するからです。

しかし、ホテルは予約サイトに対して手数料を支払う必要がある(一般的にはコミッションという)ため、手数料分のコストをカバーするために予約サイト経由での料金を高く設定している場合がほとんどです。そうでなければ、利益は出ないですもんね。

そのため、ホテルの公式ウェブサイトで直接予約すると、コミッション分の上乗せがないという理由から、同等またはより安い価格が提示されることが多いです!

特別な割引や特典:
ホテルによっては、ダイレクトブッキングに対して特典(無料朝食、アップグレード、レイトチェックアウトなど)を提供する場合があります。これが、いわゆるメンバーシップのストラテジーです。
詳しくは こちら の記事でメンバーシップの特典について紹介しています。


*予約サイト経由の場合*

競争力のある価格:
予約サイトは価格競争が激しいため、時にはダイレクトブッキングより安い料金が表示されることもあります。また、予約サイトごとのプロモーションやクーポンによって安く予約できることもあります。

価格保証:
多くの予約サイトは「最低価格保証」を提供しており、同じ条件でダイレクトブッキングよりも安い場合に、差額を返金する制度があったりします。


2. ダイレクトブッキングのメリット・デメリット

*ホテル側のダイレクトブッキングのメリット*

手数料が不要:
予約サイトに支払う手数料(通常15〜25%)が発生しないため、収益性が高くなります。私は団体予約担当だったので、予約サイトではなく旅行代理店との取引を稀にすることがあったのですが、旅行代理店に対しても同様です。毎回コミッションの話がありました。
請求書もコミッションを含めた内容で提出します。

顧客データの収集:
直接予約を通じて顧客の連絡先や嗜好に関する詳細な情報を取得でき、これらはリピート予約やマーケティングに役立ちます。

リピーターの獲得:
顧客との直接的な関係が築けるため、リピーターを増やしやすいです。
この辺は営業マンにとっては信頼できるデータとなるので、やはりダイレクトブッキングにしてもらえるようにメンバーシップのエンゲージをしていくことが大切でした。

*ホテル側のダイレクトブッキングのデメリット*


露出が少ない:
予約サイトのような大規模なプラットフォームに比べ、公式ウェブサイトへの訪問者数は少ないため、新規顧客の獲得が難しいのが課題です。

集客コスト:
ダイレクトブッキングを増やすためにSEOやデジタルマーケティングに投資する必要があり、コストがかかります。
最近はSNSが普及してきたのと、インフルエンサーの影響力を借りてマーケティングするホテルも増えてきていると感じています。

*予約者側のダイレクトブッキングのメリット*


特典や柔軟な対応:
ダイレクトブッキングでは、ホテル側が特別な特典やリクエストに柔軟に対応することが多く、アップグレードやサービスの向上が期待できます。
元々部屋に備わっていないけれど、無料で追加できる枕や、ホテルによってはヘアアイロンや加湿器などのリクエストも可能です。
あと、貸し出し可能な個数が限られてはいますが、スマホやパソコンの充電器もご用意があります。

昔、ラグジュアリーホテルでコンドームの提供をしているかしていないか、またそれが有料か無料かを検証している記事を見たことがありますが、このような知られざるおもてなしがあったりするので、滞在中に「これがあったらなあ」と思うものについては、気軽に客室からスタッフまでダイヤルしてお問い合わせください。

トラブル対応がスムーズ:
予約変更やキャンセルなど、直接ホテルとやり取りすることで、迅速に対応してもらえる可能性が高いです。
これ、よくSNSで見かける&私もフロントスタッフだった時にゲスト対応したことがあるのですが、予約サイト経由で承ったご予約についてはホテルで変更やキャンセルの手続きができないんですよね。

これは、ここに来るまでに書いた「コミッション」の関係もあり、私たちホテル側に変更やキャンセルができる権限がないからです。
私自身はゲストとしてトラブルに見舞われたことはないのですが、何かあった時に予約サイトのカスタマーサポートへ問い合わせても、問題が解決するまでにかかる時間は相当です。
これは、予約サイトにもよりますが、カスタマーサポートを業務委託に依頼している関係で、間に仲介が入ることによりお問い合わせのエスカレーション自体にまず時間がかかってしまっていると予測します。

*予約者側のダイレクトブッキングのデメリット*

比較が難しい:
公式サイトを個別に訪れる必要があり、複数のホテルを比較するのが手間に感じられることがあります。
一番安いスーパーを調べてそこまで足を運べる人によっては厭わない労力かもしれません。

プロモーションの見逃し:
予約サイトが提供するプロモーションや割引を見逃す可能性があります。
時々タイムセールなんかをしている予約サイトもありますね!
メンバーシップでポイントを貯めるか、セールにあやかってみるか。その時滞在してみたいホテルによって使い分けをするのも良いかもしれません。


3. 予約サイトのメリット・デメリット

*ホテル側の予約サイト経由のメリット*

大規模な露出:
予約サイトは世界中の顧客にアクセスできるため、新規顧客を獲得するチャンスが増えます。

予約が簡単:
最近はホテルの独自アプリも増えてきたので、メンバーシップがあれば現在の保有ポイントや過去の宿泊履歴も閲覧できますし、予約も簡単にはなってきましたが、予約サイトはユーザーが使い慣れたUIでプラットフォームを提供しており、予約の手続きがスムーズに行えるため、高い顧客満足度が期待できます。

*ホテル側の予約サイト経由のデメリット*

手数料が高い:
予約サイトに支払う手数料がホテルの利益を圧迫します。なので、広告費やアプリのカスタマージャーニの課題が減っていけば、少しずつ支出は抑えられるのではないかと思います。

顧客の囲い込みが難しい:
予約サイト経由の予約では、ホテルが顧客に直接アプローチできず、次回のリピートを予約サイト経由に頼ることになりがちです。

*予約者側の予約サイト経由のメリット*


簡単な価格比較:
複数のホテルの価格、設備、レビューを一度に比較でき、効率的に最適な宿泊先を選べます。
メンバーシップのないホテルであれば、この使い方がやっぱり便利なのかもしれませんね。

プロモーションや割引が多い:
予約サイトは頻繁にプロモーションを行っており、割引クーポンやポイントシステムを利用できる場合があります。

*予約者側の予約サイト経由のデメリット*

ホテルからの特典が少ない:
予約サイト経由の予約では、ホテルが提供する直接予約特典を受けられないことが多い。

キャンセルポリシーの違い:
予約サイトのキャンセルポリシーはホテルの公式サイトと異なる場合があり
、特に直前の変更に柔軟に対応できないことがあります。

規約読まない方があまりにも多すぎるのですが、必ず予約を確定する前に確認画面があるので、万が一のトラブルのためにもご自身で積極的にチェックしにいくことを推奨します。


【まとめ】

どちらが安いかはタイミングやプロモーションによりますが、直接予約の方が総合的にホテルにとって有利で、予約者に特典を提供することが多いです。
一方、予約サイトは価格比較が容易で、旅行者が広範な選択肢から選ぶために便利です。

いかがでしたでしょうか?

個人的にはやっぱり、ホテルはチェーンで展開していることが多いので、好きなホテルブランドに詳しくなってメンバーシップに登録するメリットのほうが高いと思っています。

これをきっかけに、より快適な旅となるよう賢いホテル選びをお試ししてみてください♪

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