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AOTY 2021(年間ベストアルバム)

どうもです。お久しぶりです。

今年は年間ベストをちゃんと決めようと思って選びました。

前置きはおかずいってみましょう。

それでは!2021年のベストアルバムTOP10です。

※マイブログの転載のものとなります。note版としてアルバムのリンクを貼ってあります。よろしくお願いします。

10.Nation of Language - A Way Forward(11/5 Play It Again Sam)

ニューヨークの3人組で80sテイストなニューウェーブ・インディポップバンド。今回は2ndアルバムですね。エレクトロビートやシーケンスに乗せたギター混じりのシンセポップサウンド。インディ感もあるサウンドでそれこそBlack MarbleやDrab Majesty、Choir Boyなどに通ずるものがあります。その中でもこのバンドの大きな特徴で今挙げたバンドと差異化が図れる点はスケールの大きなうたにあると思います。1stの頃からその片鱗はみせていましたがこの2ndはそれが顕著に現れてます。歌われるメロディラインはゴシックやセピア色のものではなく血が通っていて世界に轟かせるような熱量のあるものになっていますね。ゴシックとは真逆な光輝くイメージのメロディは聴いてて胸が熱くなりますしM2のLyric VideoをYoutubeで見聞きしていたら涙が止まらなくなって号泣してしまったという経緯もありました。10位。

9.Floatie - Voyage Out(3/26 Exploding In Sound)

シカゴの4人組バンド。100%信頼レーベルのExploding In Sound Recordsからのリリース。奇数拍子のオンパレードでリフや決めを繰り返す感じのマスロック。エモやポストハードコア〜マスロックな流れを汲むのはもちろんのことながらハードさはまったくなくてソフトで軽やかでクリーンなサウンドになっています。非常に特徴がありますね。リリース元のEIS Recordsは2021年もグッとくる音源を数多くリリースしました。個人的にはOvlovやEditrixなどがハードで熱量のある音ですごくよかったです。その中でもこのFloatieのVoyage Outはザクザクとしつつもふわっとした感覚があって繰り返し聴ける感じがとても好印象でした。Floatieに関連してシカゴのバンドシーンが今年もとても熱かったです。StuckのEPは同じくExploding In Soundからリリースされて個人的にシカゴシーンとEIS Recordsとの邂逅だ!と個人的に熱かったです。9位。

8.PACKS - Take The Cake(5/21 Fire Talk)

カナダはトロントのMadeline Linkを中心とした4人組。Fire Talkからのリリース。昨年のSoccer Mommyや今年のSnail MailやIan Sweetなどローファイの要素を含んだオルタナポップには勢いがある昨今ですがこのPACKSをベスト10に入れました。ダウナーでやる気や勢いがなくヘロヘロとよれてるのにもかかわらず放っておけない青い炎がメラメラと発せられてるような印象でした。曲が短いのがとてもいいし変だなと思うところもちょっとあってそれがスパイスになってますね。リリース元のFire Talkは2020年に私的に大ブレークした今最もホットなレーベルです。今年もこのPACKSを始めBnnyやWomboなどめちゃくちゃいいリリースをしていました。デンマークにICEAGEというバンドがいますが2021年リリースされたアルバムのDrink The Rainという曲を今年中にPACKS(というよりほぼ弾き語り)がカバーするというのも話題でしたね。8位。

7.Kiwi jr - Cooler Returns(1/22 Sub Pop)

こちらもカナダはトロントの4人組Indie Rock・ガレージバンド。Parquet Courtsを思い出させるようなガレージ要素のあるIndie Rockのサウンドが醍醐味ですね。彼らの曲を聴いてると過去のあの時の時間は戻ってこないというような30代の悲哀がサウンドに乗っていてそれがとてもいいです。バタバタと性急感のあるリズムに乗せて泣きのメロディを歌う様はカッコいいとは言えなくても親しみやすかったり人懐っこかったりする印象を受けます。このアルバムがリリースされた今年の1月頃はバンドサウンドはダサいと思っててひたすら打ち込みやトラップっぽいリズムの曲を聴いてたんですけどこのアルバムを最初に聴いたときに頭に雷を落とされたような感覚になって自分の誤りの訂正に一役を買ってもらいました。やっぱバンドサウンドは永遠に好きだという認識をさせてもらえた貴重な1枚でした。それが思い出深いです。7位。

6.Cory Hanson - Pale Horse Rider(4/16 Drag City)

ロサンゼルスの5人組バンドWandのフロントであるCory Hansonの2ndソロアルバム。フォークやカントリーなスタイルに思い切り振り切ったアルバムになっていますね。ピアノや管弦楽を取り入れていてそれらによって獲得されるのは牧歌的な懐かしさや郷愁感で元々持っていたソングライティング的な曲のよさを存分に引き出しています。フォークやカントリーと言ってもそこはやはりWandでギターノイズをガンガン出しているだけあってロック的なダイナミズムのあるギターソロもありますし聴きどころもたくさんです。M9での曲の後半から終わりまで続く痺れのギターソロはベストなギターソロでした。全体的にゆったりとリラックスした曲たちがMVでも出てきたような乾いた砂漠や広大な海のような雄大さを想起させますね。曲に寄り添うようなバックの演奏もしみじみいいですよ!6位。

5.SPIRIT OF THE BEEHIVE - ENTERTAINMENT, DEATH(4/9 Saddle Creek)

フィラデルフィアのバンドの4枚目のアルバム。異形なオルタナティブロック。作品群の当初は比較的わかりやすいオルタナティブロックだったのですが何と何が合わさって化学反応を起こしたらこういう音になるのだろうという不可思議な路線へ。音楽性やジャンル的にはなんて言っていいかわからずカテゴライズが難しいので最初にこのアルバムを聴いたときはすごく驚きました。曲の展開とかも奇想天外でまったく予定調和がない感じで頭にクエスチョンマークが浮かびます。ただガツンとしたり良いメロディだなと思わせるパートもしっかりと入っていてまとまってます。曲中に垣間見れるサンプリング的に切り貼りするエディット感覚やエンターテイメント、死そしてデビルなジャケットにも見てとれてそれらを総合して表現されるディストピア感はVaporwaveの印象も受けました。ゆったりラウンジ的にも聴ける要素もあるのでそんなに重さはないです。Saddle Creekからのリリースでバンドのステップアップにもつながる作品になったのではないかと思います。5位。

4.ひどろはるか - 白夜(4/1 A Little Society Tapes)

千葉県柏市を中心に活動しているSSW。同じく千葉県市原市五井で営業しているカセットテープ店ゴヰチカのレーベルA Little Society Tapeよりリリースの6曲入りカセットテープ。私的に年間ベストを作成するときは洋楽というのが前提条件であるのですが今年はこのひどろはるかさんのカセットを是非とも推したいという思いで上位に入れました。ギターと声で構成されるノスタルジックな世界観は痛みとそれを拭うような鎮痛剤の役割を果たすような曲群でグッときます。4月頃はこの音源を繰り返し聴いてぼんやりとした思いで過ごしていました。爪弾かれるギターとか細い歌声の組み合わせだけで聴いてるひとの内側にあるトゲのようなものを引き抜くようなヒーリング要素があります。曲調は様々で8月のうだる暑さや冬の夜のしんとした情景など季節に寄り添うようなシーンが浮かびますしメロディで周囲に色が付くような感覚も覚えます。リリース元のゴヰチカさんも8月に開催のライブでお邪魔させていただいたりしてローカルでDIYなカルチャーを体現していてとてもよかったです。ひどろはるかさんのライブも柏ALIVEで何回か観ていますがとてもいいですよ。というわけで今回唯一の邦楽でした。4位。

3.makthaverskan - För Allting(11/12 Run For Cover)

スウェーデンはヨーテボリの5人組バンドの4thアルバム。今年の最初に聴いたときのインパクトでトップ1でした。80sのニューウェーブ、ドリームポップ、インディポップでゴシックなんだけどパンクだしエモい。ナチュラルに鳴らされる音のごった煮感・ミックス感がとても刺さりました。このミックス感のあるサウンドの肝である七色あるんじゃないかと思われるギターアレンジがとても素晴らしいし最大の特徴である伸びやかなボーカルはそのままの勢いで自分に呼びかけてきますね。サウンドはゴシックだったりしますが曲調は様々でM2の夕暮れの太陽を追いかけてかけ足をしてるような情景が浮かんだり。M10はライブで観たとしたら飛び跳ねながら泣いてしまうじゃないかと思われるくらい熱量のある曲でした。全体のテーマ的にが光を希求するような態度に見受けられてそれが胸に迫るものがある原因かと思われました。ちなみにUS盤をリリースしているRun For Cover RecordsはSun June、Another Michael、Mini Trees、Citizen、Runnnerなど今年も大豊作でしたよ。3位。

2.Black Country, New Road - For The First Time(2/5 Ninja Tune)

ロンドンの7人組バンドの待望の1stアルバム。UKのサウスロンドンが熱いという認知をしたのは私的にはblack midiがKEXPのYoutubeでパフォーマンスをしたのを観てヤバいと思った2019年くらいの初頭だと思いますが段々とここら辺のバンドの勢いが可視化されてきてこのBlack Country, New Roadもヤバいということがささやかれていてアルバムが早くリリースされないかなと期待をしていました。そこで今年の2月にこのアルバムがリリースされてついにきたかという思いでした。聴いてて思ったのはSlintとGodspeed You! Black Emperorを足して割ったような世界観だなということ。すなわち自分がとても好きな音だという事実。サックスとバイオリンが管弦楽的な迫力を出して2本の絡むギターにヒステリックにブツブツと呟くようなvoスタイルがクセになります。過去への憧憬と新しいものを自分たちで作り出すという強い意志もアルバムを通して聴いて感じますね。6曲入りで40分ということで曲の尺が長いのですがドラマティックだったりプログレッシブに曲が進むので引き込んだまま離さない感じでした。アーティスト写真の大学の仲のいい友だちで結成したような颯爽とした感じからは想像もできないくらいの芯の強い音がありました。2022年には2ndアルバムの予定しておりそれもすごく楽しみなのです。2位。

1.Renée Reed - Renée Reed(3/26 Keeled Scales)

USはルイジアナ州はラファイエットSSWの1stアルバム。リリースは今年認知した激レーベルのKeeled Scalesから。まずは何故このアルバムが1位なのかというと今年の自分は不完全なものに対して完璧を求めるようなモードだったからです。今年聴いたアルバムはどれを聴いても普通によくできてるなと関心する内容の印象でした。そのなかで感じたのは作品として完璧さにこだわっているような気がしてそれはそれで大切なことではあると思うのですがどこか形骸化したような印象を受けることもたくさんありました。決して批判する気はなくそれを咎めるようなことでもないのでモヤモヤしていました。そんな自分の思いの中でこのアルバムを初めて聴いたときに現れたのはアコースティックギターの爪弾かれる旋律と重ねられた声のみ。この弾き語りというフォーマットの中でRenée Reedはギターに乗せて物語を爪弾いて夢を見ているように歌うのが見て取れます。最小限で最大限の音世界を見せてくれる。不完全だけど完璧ということがとても腑に落ちてしまいました。そしてその音世界は夜に見る夢または白昼夢そして場末な印象を受けます。目には見えないような幽霊のようなものと自分を対峙させてそれを曲に乗せて歌ってるような感じが印象的で繰り返し聴いてしまいました。ゆらゆらと酩酊して夢を見つつうたを歌うのが聴いてて心地よかったんですね。これだけのことですが完璧に見えました。万人受けはしないけど私的には大名盤でしたよ。冒頭でお話ししたKeeled Scalesの今年のリリースではBig ThiefのBuck MeekのソロやKarima WalkerやKaty kirbyなどすごくいいアルバムがたくさんリリースされました。その中でもRenée Reedのこのアルバムが無視されてるような気がしたので聴いた回数も含めてトップにしました。1位。

それでは2021年の年間ベストでした。

来年もいい作品に出会えるように願っています。

それでは皆さまよいお年を!

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