香りの試着

2023年10月21日 20:41

夜の花見

　金木犀の時期が到来した。
お仕事で疲れ切っているのにわざわざ最寄りから一駅前で降り、てくてくと民家の間を歩いて帰る。夜は視覚情報が乏しくなるかわりに嗅覚が敏感になる。
花の香りは夜楽しむに限るのだ。ぼーっと歩いているときにふわっと漂うお花の香りを見つけたら、なんだか得した気分になる。
金木犀だけではない。梅や水仙、木蓮の時期も夜の散歩（もしくは帰宅）が楽しみになる。

　そして、その時期は香水をつけない。
この季節の変わり目の一瞬の贅沢に何かを混ぜたくない、と言ったら友人は笑った。美雨ちゃん、変なとここだわり強くて真面目よね、前の部署（匂いなどの品質を評価したりするパートがあった）から異動するまでお仕事の時は香水つけてなかったものね、と。
　さらに香水選びについて話すと「香水との真剣勝負だね」と大笑いされた。JJGとしては使用頻度が高いもの（容量的にも長く使わざるを得ないこともある）を購入するのだから、それくらい真剣に選ばざるを得ない。

香りの試しかた

　昔から香水を使い切れた試しがない。一回に0.1mlくらいしか使わないのに何故数百ミリ入りのボトルしかないのか、20mlくらいでいいのに、と常々思っている。それなのに、気がついたら増えた香水びんの前でハテと首を傾げている。本当に懲りない。出会った時は勝手に運命を感じてしまうのに、お家に持ち帰って使うと何だか違う気がする。私の飽きっぽい性格が災いしている気もするが、お店の時と違う香りな気すらしている。こんなことを職場の香りのエキスパートに話したら「香りの試着」についてアドバイスをもらったのでここに記しておこうと思う。その手順が友人には「真剣勝負」と呼ばれている。

人によって香りだちは異なる

①人によって香りは変わる→ムエットではなく肌につけて香りを確かめること

　同じ香水をつけても、その人の体質によって香りだちは変わってくる。
トップノートが残りやすい人、逆にトップが消えやすい人、何でも甘い方向へ転びやすい人etc.。多種多様なのだそう。

　気になって色々と調べていると杏喜子さんという方のsmell & tellというサービスで自分の体質（香り質？）を診断してくれることがわかり、善は急げと診断してもらった。
「香りスタイリスト」が “肌の匂い”で導き出すあなたに本当に似合う香り - T JAPAN:The New York Times Style Magazine 公式サイト

Smell & Tell体験

　最初のカウンセリングシートで、私は複雑な香りの香水のはずなのに、いつもトップノートが飛び抜けて芳るのが不思議だということと、ムスクが強い気がすると言ったことをお伝えした。
　診断のはじめに肌そのものの香りを嗅いでもらうのだが、「無臭に近いです」と言われ、その後にperfumeXという人によって香りが変わる香水を振りかけてもう一度肌の香りを嗅いでもらう。「石鹸のような香りに変わりましたね。」ということで香りのタイプは「musky」。
　muskyタイプは肌自体がラストノートをもっているので、ラストノートがアニマリックなアンバーやウッド、ムスクには酔いやすい傾向がある（ムスクが苦手な理由はここに）。
逆に透明感のある香りとは非常に相性がよく、フローラル系も甘く転ばずに本来の調香に近いものを楽しめる傾向がある。（一つの香りが続きやすいのもずっとトップノートが香るからでは？とのこと）

　おすすめしてもらったDAWN Parfumeの香水を購入し、とても良い体験をしたとほくほくしながら帰った。とても楽しいので機会があったらぜひ。杏さんのインスタで不定期で募集されています。

◽️杏喜子さんのインスタ
Instagram (@dawnperfume_anzu)

気候や天気で香りだちは変わり、体調で感じ方が変わる

②香りは体調・季節によって変わる→いろんなシーンで何度もつけて匂いを確かめてみる

　お店だと良かったのに、は上記の理由から来るらしい。
女性は特に生理周期で体温も気分も変わるし、香りの分子の飛び方は気温や湿度によって大きな変化があるとのことだった。
　季節の変化の大きい日本だから、四季の変化に伴う気分の変化もあると思う。私自身も夏は爽やかなお茶や柑橘系、冬は暖かみのある甘い香りを選ぶ傾向にある。