Paramore - Brand New Eyes
全ての怒れる女たちよ──
彼女らは一体何に怒っているのか?
彼女らに一体何が起こっているのか?
もはや単なる音楽のジャンルになってしまった
パンクというものが、"生き方"であり
"スタイル"であるということを
パラモアは思い出させてくれるし、
実際にそれを体現している貴重な存在です。
側から見れば、まぁ落ち着けよ、
そんなにイライラすんなよ、と肩を叩いて
言ってしまいたくなるけど、そういう態度こそ
彼女らの怒りにさらに火をつける
タブーなんでしょう。
俺らが知らないところで、想像以上の
あらゆる抑制と耐え難い猥雑な扱いを受けている。
女に生まれなければこんな悔しさを
味わうことはなかったけど、
女に生まれたからこんな悔しさを
音楽に昇華できている。
ありえないジレンマが彼女らを
締めつけてるんじゃないか、と思うのです。
1. Careful
激情という言葉がよく似合う、
エモーショナルなパンクナンバー。
これぞまさにエモパンク。
これがまたいい感じにキャッチーで、
いい感じにノレちゃうもんやから、、
って、そう考えるとカートコバーンの苦しみも
なんとなくわかるような気がします。
2. Ignorance
テンポ速めのオルタナティブロックナンバー。
前曲が"怒り"なら、こちらは"逆襲"。
ナヨナヨした最近の男なんか瞬殺されます。
3. Playing God
個人的にアルバムで一番好きな曲。
"Playing God"には、女の子の喜び、怒り、
悲しみ、儚さや切なさ、全てが詰まってます。
女の子とは、そういう可愛くて
めんどくさすぎる生き物なのです。
4. Brick by Boring Brick
アップテンポなパンクナンバー。
シンプルにかっこいいし、パラッパパラッパという
コーラスがやけに気持ちいい。
文字に起こすとアホみたいやけど、
聴いたらクセになるのよ、これが。
5. Turn It Off
爽快なミディアムナンバー。
このアルバムの流れ、Pale Wavesの"Who am I?"
に似てると思ったら、案の定意識してた。
素晴らしいバンドをリスペクトした
素晴らしいバンドが素晴らしいアルバムを
作るという連鎖、途切れることなく
続いてほしいですねー。
6. The Only Exception
アコ主体のミディアムバラード。
これがまた、沁みる。
激しめなナンバーの後ということもあるけど、
なんか等身大でありのままな感じが伝わってくる。
この曲聴きながら泣いたことある人、
世界に沢山いるんじゃないでしょうか?
7. Feeling Sorry
ここまでの全ての曲を合わせたような、
オーソドックスなオルタナティブロックナンバー。
男はいつまでもずるずると失くした恋を
引きずるけど、女は振り返ることすらせず
未来へ進み続ける──今さらどんな言葉を
かけたって遅いんだよ、バーロー。
俺もありますけどね、そんな経験。
8. Looking Up
王道のポップパンク。
特に言うことないけど、普通にかっこいい。
9. Where the Lines Overlap
爽快なミディアムナンバー。
やっぱこーいうのが一番気持ちいい。
10. Misguided Ghosts
なんかイギリスのバンドみたいなアコのバラード。
もはやフォークと肉薄する世界観。
このバンドのいいところは、アコ主体の
静かなナンバーでもしっかりと
聴かせてくれるところ。
バラードが退屈なバンドって、
結構いますからねー。
11. All I Wanted
アルバムを締めくくるのは、
エモすぎるバラード"All I Wanted"
ポップというには重すぎるし、
ロックというにも重すぎる。
この無尽蔵のエネルギー、どんな優れた
ロックンロールバンドにも出しっこないです。
ピンで留められ見せ物にされた美しき蝶が、
いつかきらきら、ひらひらと自由に
自分の世界を舞い踊れることを祈ります。