【WS】もっと強くなりたい! 〜シルバーランク帯を抜け出したいあなたへ〜【ヴァイスシュヴァルツ】
こんばんは、初めまして。七村といいます。
この間友人と「ヴァイスシュヴァルツってゲーム、ビギナー帯(初心者帯)を抜ける方法は探せばいくつか見つかるけど、いわゆるシルバー帯(初級者帯)を超える方法ってあまり見つからないよね」という話をしたので、できる限り一般化した普遍的な視点で、自分の考えを纏めようと思います。
もしこの記事が、伸び悩む誰かの助けになれば、また、他の意見を持つ誰かがそれを公表するためのキッカケとなれば幸いです。
各ランク帯のイメージ
まず、この記事における各ランク帯がどのようなイメージなのか共有させてもらいます。
・ ビギナーランク
基本的なルールは体得している。
デッキのCX連動や各レベル帯で採用されているカードの役割が分かり、ある程度ゲームの流れに沿ってプレイ出来る。
・ シルバーランク
入賞レシピや記事を元に強いとされているデッキを組むことが出来、記事内の回し方に沿ってある程度プレイの再現性を図ろうとする。
相手のキャラを3面踏むこと、1-6リフ、ストックを積むことといった一般的に強いとされている行動をある程度の理由とともに理解しており、クロックツードローの破棄など、状況ごとのプレイングについて自分で判断できる余地がある。
・ ゴールドランク
自分の力である程度ゲームを作り、コントロールすることが出来る。相手と自分の両方の視点を常にある程度持ってプレイ出来る。
ゲーム中に優位を取れる方法やそれを維持する方法、逆に不利を巻き返す方法を持っており、「ヴァイスシュヴァルツ」というゲームそのものへの理解が深化してきているため、常に一定のパフォーマンスを維持できる。
・ マスターランク
いわゆる上位勢と言われている方々(僕はこのランク帯ではないので推測が多分に含まれます。)
自分の使うデッキや基本的なプレイ全般の精度が高く、事前の研究や経験等からゲーム開始時点で勝利を手にするための効果的なゲームプランを立て、状況により修正・実現することができる。
そのプランに基づいて細部のプレイングを比較し、より良い選択肢を積み重ねることで、高い勝率をキープできる。
体感ですが、このランク帯が離れているプレイヤー同士で対戦すると、かなりの確率で上のランク帯が勝ちます。にも関わらず、ランクの壁を超える方法は確立されておらず、プレイヤー各々で見つけてきたという印象です。
自分事になりますが、私がここで示すシルバーランクを抜ける手がかりを掴むまで、このゲームを始めてから約3年ほどかかりました。人によってはもっと短いでしょうし、長い方も居るかもしれません。
シルバーランクプレイヤーの陥りやすい状況
シルバーランク帯を抜ける方法を考察する前に、シルバー帯のプレイヤーに起こりやすい事象についていくつか挙げたいと思います。これに当てはまらない方やこれ以外を要因にする方もいると思いますが、一例として参考にしてください。
陥りやすい状況の一例
・1人回し等でデッキの動きを再現できるが、対戦ではどうも思ったようにゲームをできない事が頻発する。
・不運なことが起こるとリカバリーが間に合わず、結局運にゲームを振り回されているように感じてしまう。
・大会などで少し上手い人と当たると、有利なゲームをジリジリ捲られたりするが、逆の立場ではそれを能動的にできない。
・細かいプレミをした後、それが足を引っ張ってそのまま負けてしまうことがよくある。
貰ったアドバイスを活かしにくいのは何故?
ネットでこの記事を検索して見つけるくらいにはこのゲームで強くなりたいと感じているあなたは、きっと周囲の自分より上手いプレイヤーにミスが無かったか、どこが間違っていたか質問することもあるでしょう。そういった時
「あのターンの集中は打たない方がいい」「あそこはクロックツードローした方がいい」
等の場面ごとのアドバイスは貰えることがあります。そして、そのタイミングではゲーム中の自分のミスを認識できるでしょう。
しかしながら、「なぜ」その行動がダメなのか、については正確に理解出来ていないことが多いのではないでしょうか?その結果、その指摘の内容を活かせる場面に中々遭遇せず、アドバイスを有効活用できなくて、成長を感じられないと思うことも多いのではないでしょうか?
こういった事象が起こる原因は、アドバイザーと受け手側のゲームに対する視点が一致していないためであると僕は考えています。
ランク帯が違うと想定しているゲーム展開が違うため、それに基づく指摘を貰っても受け手側に再現性がないことが発生しやすいです。「この対面では○○のようなゲーム展開を目指して、その上で××という状況も想定されるから、後の□□のような展開を考えるとするとそこはそうすべき/そうしないべき」という所まで擦り合わせた上でのアドバイスではないと、活用するための再現性が低くなってしまいます。
アドバイスを貰う側は、積極的にその「なぜ」の部分まで聞く方が、貰ったアドバイスを応用しやすいです。次の章では、「なぜ」を導き出すための土壌を自分の中に作る方法を考察したいと思います。
シルバーランクを抜け出すために
ヴァイスシュヴァルツの特性を再認識しよう
TCGはどのゲームも、運と実力の要素があります。ゲームによって違うのは、どの部分に運の要素が大きく絡むのかという部分です。プレイヤーは運の絡む部分を構築やプレイにより抑え、再現性を向上させ、プレイングが干渉できる部分を大きくしようと試行錯誤しています。
僕の知る他TCGと比較した際、ヴァイスシュヴァルツにどんな特徴があるか一度再確認してみます。遊戯王OCGとデュエルマスターズを比較対象としますが、それらを知らない方はそのふたつは読み飛ばしてしまっても問題ないと思います。
・ 遊戯王OCG:互いの初手
サーチ札の枚数やデッキ内のテーマカードと誘発の枚数比から初手の期待値を計算してデッキを構築するが、初手によっては全くゲームにならず1本落とすこともある。逆にある程度動ける札を引いていた場合、相手の妨害の数と種類を予測しつつ、プレイングにより適切な展開をすることが可能 。
運が絡む最大のポイントがゲームの最初に来る代わり、その後は実力の比重が非常に大きい。
・ デュエルマスターズ:初手、引き、ST
初手の比重は大きいものの、ビッグアクションが3~5ターン目であることが多く、それまでの引きやリソースカードによりゲーム中に再現性を向上させることも可能。
マナカーブの存在から何ターン目に何をするか?はある程度明確であり、予測不可能な妨害は少なく(逆転劇等)、基本的には事前に置かれているメタクリーチャー等にどう対応してアクションを通すか?に実力を問われる。運の要素が大きいシールドトリガーも、プレイングによりある程度解答を制御できる。
・ ヴァイスシュヴァルツ:ゲームの展開速度
ゲームの決着までにかかるターン数が長く、デッキ内のあらゆるカードに触れる特性から、初手や引きの比重は他のゲームに比べて小さい。取れる選択肢は広い分、最適なプレイを選ぶ難度は高い。
逆に、キャンセルという要素からゲームの展開速度や有利不利の付き方に運が絡む比重が多く、互角に進んでいたゲームが運の要素でアッサリ傾くことも多い。 総じて、リスクとリターンを比較した時、リスクを許容できる幅が狭くなりやすい。
以上が僕の認識です。ヴァイスシュヴァルツはゲームが長い分、序盤、中盤、終盤の大きな区分での再現性はあるものの、局所的には状況の変化が起こりやすく、取れる選択も広いことから細部のプレイに関する再現性は低くなりやすい特徴があるように感じます。
しかしながら、運による上下のブレは誰しもに起こりうる中で、いわゆる上位勢と呼ばれる方々は常に高い勝率を維持しています。同じ手札、同じ山配置だったとして、勝率は人によって違うでしょう。では、どの部分にプレイ出差をつけているのでしょうか?
「逆算」と「ゲーム展開予想」を重視しよう
私が最も重要だと考えているのは、この項の「逆算」と「ゲーム展開予想」です。
デッキを構築する際、最終的な勝ち方はレシピに現れてきます。強力な詰めテキストを使って相手に打点を押し込むのか?はたまたソウル減やヒールを並べて相手を勝てない状態にし、少しずつ打点を入れていくのか?といったことはデッキのコンセプトとして重要でしょう。
・ 「逆算する」とは?
「逆算」とは、その思い描く勝利の状況から、1ターンずつ遡ってそのターンの行動指針を決めるということです。
想定する「勝利」の状況において手札に必要なキャラ・CX・イベント、必要なストック数、相手のダメージ数や盤面のキャラの状況等は、構築段階で明確な部分が大きいです。また、その必要になるリソースの増え方も、デッキによって差異があれど1ターン当たりでは概ね決まっています。
「勝利」の状況を作るために、自分のデッキがここから何ターンかかるか?は使い手であれば概算可能でしょう。
プレイヤーはその必要なリソースやダメージレース状況と、それが必要になるのが何ターン後であるか?をイメージした上で、このターンにしなくてはならないこと、このターンに使ってもいいリソース等を常に逆算し続けるのが望ましいです。
合わせて、そのイメージを元に、次のターン何をしなければならないか?も考えておけると更に良いです。一般的にはゲームが後半になるほど使えるリソースはシビアになりがちだからこそ、「勝つターン」と「次のターン」の両方から逆算することが重要です。
最終ターンの勝利を見据え、逆算して各ターンにすべきことを明確化する。これを自分の中で組み立てることが「ゲームプランを確立する」ということになります。細かい各プレイの是非は、このゲームプランを達成するのに効果的かどうか?で決まります。
前の章で例に出した、「なぜ」そうすべきなのか/しないべきなのか、はこのゲームプランの達成度合いを軸に考えることで応用性が増します。自分の中で逆算からゲーム毎のプランを立てられるようになると、ヴァイスシュヴァルツというゲーム自体への理解も更に深まると思います。
・ 「ゲーム展開を予想する」とは?
そうは言っても、運の下ブレによっては打点が予想よりも入り、逆算していたターン数が変化することも多々あります。「悪くない山札だったのに、打点が抜けてそのままズルズル負けた」なんてのは毎日のようにある話です。そこで必要なのはリカバリー力になりますが、どうすれば能動的にゲームを立て直すことができるのでしょうか?
その時に重要となるのが「ゲーム展開予想」です。
基本的に、ゲームの状況が大きく悪化したタイミングではリソースの使用可能数が一気に少なくなります。下手をすれば最終ターンまでの残りターン数が何ターンも削られてしまうのですから、必然的に節約することが求められます。
つまり、下ブレを引いてから慌てて対処に動いても間に合わないのです。
そのため、プレイヤーは数ターン先と最終ターンの想定をしつつ、常に複数のゲーム展開を予想しておく必要があります。基本的には
① ある程度想定通りに進んだ場合
② 下ブレを引き、一気に展開が進んだ場合
③ 逆に上ブレを引き、楽なゲーム展開になった場合
を同時に想定します。特に①と②は必須です。
できれば②は細かい複数のパターンに分けられていればなおいいです。
後々起こる「かもしれない」②のために、手札に抱える札やそのターンの使用リソースの節約、プレイの取捨選択を前もってしておくこと。想定外の展開に慌てないよう、予想した上で対処すること。これができるようになれば、運に振り回されていたゲームを、自分の力でコントロールし直すことが出来るはずです。
また、ゲームを立て直す時に大切な着眼がもうひとつあります。それは、「どのタイミングで立て直すか?」ということです。
ゲーム展開が急変した時、対応しようとしてもその瞬間だけで完全に対応し切るのは至難の業です。だからこそ、不利を背負ったその時点で自分が置かれた状況を正確に把握し、「このターンは無理でも、次のターン中に」や「レベル3になる前には」など、ゲームを捲るタイミングを見極める必要があります。
この期間の設定や、その期間中の立て直し方が上手い人ほどじりじりと不利なゲームを捲り、最後には逆転して勝利するシーンが多いです。
まとめると
デッキの勝ち筋から逆算してゲームプランを決める
↓
下ブレを予想しつつ、対応できる準備をしながらこの先の展開をより良くすることを意識してゲームを進める
↓
実際に下ブレを引いた際には、想定に合わせて対応札を使い、ゲームの主導権を引き戻せるようにする
↓
不利なゲームを捲るタイミングを見据え、1つずつ状況を改善させる
↓
当初のゲームプランを微修正し、勝ち筋を通せるゲームに復帰する
このような流れになります。書いてみると凄く当たり前のことを並べているように見えますが、状況が変わり続けるゲーム中において、これらをしっかりと考察するのは割と難しいです。
「望む事象」と「起こる事象」を正確に捉えよう
・ 「望む事象」と「起こる事象」の差とは?
前述した通り、細かいプレイの基準となるのは「自分のゲームプラン達成にどれほど効果的か?」です。
例えば「集中」について見てみると、1周目を早く終わらせたり、リソース源に運用したりと、ゲーム中頻繁に使用するプレイヤーがいます。
ですが、集中を使って確実に起こる事象は、「1ストックを使い、山札の上から3~5枚が控え室に行く」だけです。
手札リソースを得たり、リフレッシュを早めるという目的があったとしても、それが確実に達成できるとは限りません。場合によっては、リソースを無駄に消費した挙句、結局望む結果を得られないことも起こります。
リフレッシュであれば、迎えたいタイミングに山札を削りきれるよう、そこまでに自力で何枚山札を削れるのか、食らっていいダメージはどれだけ猶予があるのか?を「逆算」しなくてはなりませんし、手札リソースであれば、どのタイミングに何枚/特定の札を手に入れるにはどれだけの手段があるか?を「逆算」しなければなりません。その指標として、確実に起こる事象を使って測る必要があります。
もちろん確実に得られる結果だけを考えてプレイすると、逆に運が絡む事象での要求値は跳ね上がります。必要に応じて期待値を計算しつつ不確定な行動も取ることになりますが、そういった場面でもやはり、細かい視点での「ゲーム展開予想」をして、外した場合のリカバリーについては考慮しておくべきです。ゲームの性質上、望む事象が得られなかった場合、その行動自体が下ブレのリスクとなることが多いので。
・ 「望む事象」と「起こる事象」の差を、リスクリターンに当てはめる
「起こる事象」を正確に把握すれば、それをゲーム中のリスク管理の基準にすることが出来ます。正確な基準があれば、ゲームの進度、有利不利状況を計算に加えた上で、得たいリターンと受け入れられるリスクの限界を逸脱しないようにプレイしやすくなります。
お互いの有利不利が拮抗〜こちらが有利な状況ならば、効果の薄い過剰なリターンを求めてリスクを犯すのは避けるべき場面が多くなりますし、逆にこちらが大きく不利を背負っているのであれば、このままリターンがなければ巻き返せず負けるのが自明ですので、最大限リスクを受け入れた上で大きなリターンを得るプレイを目指すのが正しいこともあるでしょう。
今はリスクを抑えて小さいリターンを積み重ねるべきなのか、リスクを犯してでも大きなリターンを求めなければならない状況なのか。どちらの選択肢を選ぶとしても、正確な基準は必要不可欠です。そのなかで一番基礎となる基準が、そのプレイにより確実に「起こる事象」であるわけです。
誰かの思考過程を補助輪に、自分のデッキを言語化しよう
少し話の路線が変わります。
昨今では、良質なnote記事等が増え、使いたいタイトルを決めた時には既に強い構築やプレイング指南を手に入れることができる環境であると言えます。
しかしながら、1つの記事から得られる知見は、その筆者が記事のために切り取った限定的な側面だけである場合が多いです。もちろんそれは、記事という媒体が、筆者の最も伝えたい内容を、読者が読み取りやすい分量で纏めた努力の結晶であることの裏返しなのですが。
そんな中で僕がオススメする方法が、この節題にしている「他人の思考を補助輪に、自分のデッキを言語化する」です。
まず、練度を上げたいデッキがある時や自分でデッキを組む時、似たようなデッキタイプ(8電源のテンポor面重視、1-3連動詰め重視、レベル2リソース獲得重視等)であり、かつ別のタイトルの記事を探します。
そして、その記事の中で、筆者がどのような点を強みにしているか、どういうプランで勝とうとしているか、ということを把握します。
その上で、似たデッキタイプの自分のタイトルでは、そのプラン設定は活かせるのか。参考元と比べて、強みにするには足りていない部分は何か。逆に、そのプラン達成のためにより効果的なカードはないか。同じようなプランを持ちつつも、差異を主張できる部分は何か。ということを使用タイトルのカードやシナジー等を洗い出しつつ紐解いていきます。
他人の思考過程・他のタイトルの強みなどを理解しつつ、自分のデッキについて理解度を深める。これを色々な視点から繰り返すことで、使用タイトルの記事1つから得られる知見だけでなく、デッキとプレイングに対する広く深い理解を得る助けになるはずです。
対戦相手に負荷を掛け、選択肢を狭めよう
ゲームの特性、ゲーム展開に関する考え方、デッキに対する理解の向上と触れてきましたが、カードゲームで対戦する上では、対戦相手というファクターもとても重要です。
同じデッキと対戦したとしても、対戦相手が強ければ厳しいゲーム展開になりやすいですし、その逆も然りです。対戦が始まった以上、自分は相手に勝ちたいですし、相手だって自分に勝ちたいはずです。そのために構築もプレイングも手を尽くしてきた訳ですしね。
ゲームの特性を再認識する所でも書きましたが、ヴァイスシュヴァルツには相手ターンのプレイに能動的に干渉出来る場面は極めて限定的です。一般的なものはカウンターくらいです。
では、相手に負荷を掛けられるポイントとはどこかというと、そのターンまでの自分のプレイと、使うデッキの強みの部分になります。
例として、シルバーランク帯であれば、相手のキャラを3面踏む事で相手に安易なアドバンテージを与えない重要性や、逆にキャラが踏まれずに返ってきたゲームの楽さは知っていると思います。
「相手に負荷を掛ける」ことのスタート地点は、相手に楽をさせない事です。楽が出来るということは、そのターンに消費する各リソースを減らせるということ。結果的に、勝利を実現するためのゲーム展開に余裕ができるということに繋がります。
「負荷を掛ける」というのは、上記の楽をすることの逆です。つまり、相手にリソースを想定より多く使わせること。相手のゲーム展開の余裕を失わせること。相手の「勝利する」ための条件に乗らないこと。そういった状況を能動的に作ってやる必要があります。
・ リソースを過剰に使わせる
リソースを過剰に使わせる方法はいくつかあります。例えば、こちらがパワーの高いキャラを並べて面を取ると、相手はそのキャラを突破しないことで楽にさせてしまうのを嫌がって、突破にリソースを使わざるを得ない状況になることがあります。
この状況では、相手が突破しなければこちらは純粋にその分楽になり、相手が無理をして突破しようとすれば相対的にこちらが有利になります。これがヴァイスシュヴァルツにおいて面取りというプレイが強行動である基本的な理由です。
これは、なにも8電源でキャラのパワーをガチガチに高められるようなデッキだけの話ではありません。
突破される側の盤面に並ぶキャラのパワーが全て500か、全て2000かで考えると分かりやすいでしょうか。どちらもレベル0で出せる現実的なラインですが、パワーラインが全て500であれば突破側はそのターンに出せる全てのキャラが相手に楽をさせない選択肢になるのに、全て2000だとパワー1500以下のキャラは突破側の選択肢から消え、選択肢が足りなければリソースを消費する必要が出てくるわけです。
基本的にはこれを繰り返し、積み重ねていくことで相手の選択肢をじわじわと狭めていくことが可能になります。相手に毎ターン「突破できますか?このターンはできたとして、次のターンはどうですか?」と対応を迫るイメージです。
また、例えばデッキの強みで言えば、「光景」や「山下落下バーン」は相手にリソースを過剰消費させる一因となりやすいですね。
リソースを貯めるという基本的には純粋に強行動となるプレイにリスクを付けられるため、使用タイトルに存在しているだけで強さの幅が広がります。
・ ゲーム展開の余裕を失わせる
ヴァイスシュヴァルツには、デッキごとに「ゲーム中、特に強いタイミング」があります。どのレベル帯なのか、どのくらい強いのかはデッキによって違いますが、相手と自分のデッキにおいて何時がそのタイミングなのか?は抑えておくべきです。
理想的なゲーム展開とは、自分が強いタイミングが長く続き、相手が強いタイミングは短い展開です。
このタイミングを能動的に操作するのに重要なのは、アタック数やソウルの上昇等によるゲームスピードの管理です。こちらが序盤から3パンすれば、相手もこちらのリソースを削るために早期の3パンをするように仕向けることが出来、結果的にお互いのダメージレースが早く進む展開に誘導できます。ゲームスピードが早いということは、相手が強いタイミングで十分に強みを発揮するための準備の時間やリソースの余裕を減らせる可能性が上がります。
逆に、相手の強いタイミングまでにこちらがリソースを稼いでいた方が強いのであれば、序盤から面を意識する等でゲームスピードを落とし、こちらが十分な準備をした上で相手の強みを潰すことで余裕を失わせられるかも知れません。
特定のレベル帯でより強みを発揮しやすい対面であれば、ゲームスピードを上げるタイミングを考え、そのレベル帯だけをより早く終わらせるように準備することも狙えます。
以上は一例ですが、対面相性や展開によって、相手に負荷を掛ける方法はこれ以外にも多くあります。相手のデッキの特性を理解して、相手目線で対応が難しい状況を作為する意識が重要です。
そして忘れてはいけないのは、相手もこちらに負荷を掛け、選択肢を狭めようとしているということです。
相手のデッキの特性を理解していれば、どういう方向性でこちらに負荷を掛けてくるのか想像出来るようになります。自分のゲーム展開予想に、相手が掛けてくる負荷に対処する要領を加えられれば、よりゲームの主導権を握り続けやすくなります。もちろん、その分難易度は上がりますが。
おまけ 上振れ試合で学べること
ゲームによっては運がよく、思った通りに展開が進むこともあります。「ブン回って勝った」以外あまり記憶に残らない、気持ちいいけど振り返りづらいゲームの経験は何度もあると思います。
こういったゲーム展開になった時に練習になるのは、「あらゆる負け筋を消す」という動きです。運良く温存できたリソースを元に、自分で思い付く負けパターンを可能な限りシャットアウトするにはどうすればいいか?に尽力します。現時点で不利な状況であろう相手は、細くても勝ち筋があればそれを通すために全力のはずです。「道中ツイてていい感じだったけど、最後強引に詰められて捲られちゃった」なんてもったいないですからね。リスクリターンの幅を小さくして、今得ているリードを考慮した上で可能な限りリスクを減らす。その尺度を測るチャンスだと思いましょう。
おわりに
ここまで、
「ゲームの特性の理解」
「逆算」
「ゲーム展開の予想」
「起こる事象の正確な把握」
「使用デッキの多面的理解」
「相手に負荷を与え、選択肢を狭める」
について書いてきました。私は、このそれぞれの要素は相関していて、どれかの理解が深まれば、付随して他の要素も理解が深まると思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございます。思ったより文字数が嵩んでしまいましたが、もし何か一つでも、読んでくれた方の知見になる事があればなによりです。
僕は自称ゴールドランク帯ですが、近い実力の人とゲーム中に、お互いの戦略を読み合って如何にゲームのコントロール権を得るか?勝ち筋を通すか?という対話が出来るととても楽しいと感じます。その楽しさは自分がシルバー帯の時より今の方が鮮明です。より多くの方と「いい試合」が出来たらなと思います。
あと、誰か「ゴールドランク帯を抜けたいあなたへ」を書いてくれる人を切実に募集しています。是非。誰か。