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今日会いに行きたい!気になる土偶#093秋田県立博物館

まるで赤い大きなリボンをつけているみたい!
印象的な髪型は縄文人の髪型を表していると言われています。
東北地方~北海道南部で多く見られる結髪土偶けっぱつどぐうの一種です。

今から約3000年前縄文時代晩期
山形・宮城県に隣接

大きなリボンのように見えるのは、2つの環を描くように結い上げた髪型を表現していると言われています。
赤はウルシ塗りの跡で、もともとは全身が赤で彩色されていました。

斜め上を向いた顔には繊細に刻まれた目と口、小さな孔のある両耳は耳飾りの表現のようです。
両頬にある数本の線は、イレズミや化粧を表しているのかもしれません。

粘土が剝れたような痕跡がある眉と鼻

高さ21.8㎝、幅18.5㎝、厚さ10.6㎝。
両腕を横に広げた上半身は直線的にデフォルメされていますが、下半身は丸みを帯びた人間らしい印象です。
パンツ?のように見える文様があり、大きな足には指の表現もあるようです。

左足先は欠損

横から見ると顔も体もかなり薄く、顔は殆ど上を向いているのが見て取れます。
太く大きな足は、全体のバランスをとる為であることが分かるようです。

結髪土偶けっぱつどぐうは、あの遮光器土偶の流れを引き継いだ形だと考えられています。
遮光器土偶の大きなゴーグルのような目や細かい装飾がシンプルになり、頭の飾りが髪型として写実的に表現されるようになったのです。
大きく張った腰回りなどに、遮光器土偶の面影が見られるようです。

この遮光器土偶の変化のように、時代と共に、また他の地域へと伝わりながら土偶の形は変わっていきました。

この結髪土偶けっぱつどぐうが現われたのは、縄文時代の終わり。これを最後に東北地方の土偶文化は終わりを告げることになります。


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