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今日会いに行きたい!気になる土偶#013北杜市考古資料館

5月あたりから気になりだす紫外線。
日焼け止めをしっかり塗って、あとは帽子にするか、日傘にするか?
服装に合わせたり、行く場所によって選びます。

いつもより早く訪れた夏、この厳しい暑さで、帽子で覆われた頭はより一層蒸し熱くなるので、迷うことなく日傘を手に取る日が続いています。

そんな人間たちを尻目に、
涼しそう⁉にすましているのはちゅーた。
異形中空土偶
と言われる、ちょっと変わった形の土偶です。

高さ23.5㎝、頭に大小11個の穴が開いていて、短い胴から2本の脚が出ている、何とも不思議な形。
正面の大きな2つの穴は目を表し、その間の突き出た穴は鼻or口、他の穴は何であるかは分かっていないようです。

縄文晩期
山梨県金生遺跡
233点の土偶と多く石器や装飾品、儀礼的な道具、
イノシシの下顎の骨などと共に発見されました。

ちゅーたが生まれた金生遺跡は、大規模な集落跡と配石遺構がありました。
配石遺構とは、人為的に石を円形や長方形などの形に並べた、墓、もしくは祭祀の場と考えられてる場所です。

その金生遺跡の配石遺構の中でも比較的小さい、石で囲まれた2.5~3mの空間から、仰向けの状態でほぼ完全な形で出土されました。
土偶は多くの場合、長い年月の土の重みで、欠けたり、ヒビ割れてしまいますが、ちゅーたは石の間に大事に埋められていたことで、そのような損傷が殆どなかったようです。

蛸のように尖がった口or鼻は、
まるで土器の注ぎ口のようですが、
先端に行くほど広くなっているところが、
土器とは違っています。

下部分は、渦巻文様と帯状に盛り上がった部分に細かい穴が開いているだけの、シンプルな装飾です。
外側は全体的に丁寧に磨かれていて、やや光沢のあるきれいな肌質です。

〝中空〟とあるように、
下部分も中は空洞になっています。
2本のどっしりとした脚の先はやや丸みを帯びていて、
見た目ほど安定感は良くないようです。

不思議な頭を持っていることや、大切に埋められていたことを考えると、祭りや儀礼で使われた尊い土偶であったと思われます。
縄文時代が終焉を迎えようとしている時、生活のあり方や人々の思いの変化が、このような造形に反映されたのかもしれませんね。


ここ数日の強い陽ざしに、お年を召した男性が雨傘と思われる傘をさしていたり、男性用日傘をさしているおしゃれな男性を見かけます。
快適に過ごすアイテムが、もっとジェンダーに関係なく取り入れられると良いですね。

*北杜市考古資料館「北杜の土偶」参照

お読みいただき有難うございました。




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