素顔が気になる土偶がいます
かわいらしい笑顔と思いきや、それは仮の姿です。
仮面をつけているのです。
仮面の下は、果たしてどんな顔でしょうか。
笑顔、泣いている、怒っている‥いろいろ想像してしまいます。
この仮面土偶は、高さ21.5cmの山梨県韮崎市後田遺跡から見つかった縄文後期のものです。
石が配置されている祭祀や埋葬に関係した場所と思われる遺跡から見つかりました。
全てがバラバラの破片の状態でしたが、幸いにもほとんどが接合されほぼ完成形になっています。
どこかで見たような気がするのは、国宝の仮面の女神にとても良く似ているから。
こちらは、キリっとした仮面の姿。さすがに女神です。
土偶が仮面をつけているとは、何だか妙な気がしますね。いったい何故そのようなことをしているのでしょうか。
毎年冬になると、秋田県男鹿半島のなまはげの「泣ぐ子はいねが~」と仮面をつけた鬼が家の中へ入っていく映像を見かけます。
鬼のようななまはげの仮面を被り、藁のミノなどをまとい、手に木製の出刃包丁を携えてこつぜんとやって来る。
このなまはげは、年越の晩に神が訪れ人々に祝福を与えるという意味があるそうです。
このように、仮面をつけた儀式や祭りは日本のみならず世界各地にあり、
本来の人間の姿でなく別の何者かになるための道具として、言わばシャーマンのような役割を果たすために仮面をかぶるとも言われています。
仮面をつけた土偶だけでなく、土面と言われる人間が実際に被る仮面も見つかっています。どこか遮光器土偶にも似ているこの土面を実際に被って、祭祀をおこなっていたと推測されています。
仮面土偶を側面から見ると、頭にガッチリと、紐のようなもので仮面をつけているのがよくわかります。
乳房はないものの、ふっくらした下半身と女性器が表現されていることから、女性の土偶であることがわかります。
果たしてどんな素顔か‥仮面の隙間から見えないかなと、下から覗いてみたりして。
山梨県韮崎市民俗資料館で仮面小町ウーラとして展示されています。
最後まで読んでいただき有難うございました☆彡
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