今日会いに行きたい!気になる土偶#015尖石縄文考古館
少し前のこと、18歳で成人を迎えた親戚の女の子から、成人のお祝いのお礼の手紙をもらいました。
かわいい丸文字で、これからの進路や夢などが書かれていた最後に、「自立した女性になりたいです」とありました。
幼い頃を思い出し、「ああ、なんて大人になったんだろう」と頼もしく思うのと同時に、時間の経過に驚きます。
自立と言えば、博物館などで土偶を廻っていると、「自立する土偶」「自立しない土偶」という説明がよくあります。
土偶の自立とは、その字のごとく支えるものが無くても「立てる」ということですが、ここにどうしても自立したかった!土偶がいました。
縄文時代中期に作られたこの土偶は、下肢の長さは極端に短く、足は極端に大きく、かなり不自然な形になってしまいましが、どうにか自立するという目的は果たせたようです。
土偶が作られ始めた縄文時代草創期~前期までの土偶は、一部を除いて自立するようには作られてきませんでした。この時期の土偶は小さく手に収まるサイズで、個人や少人数で土偶を見ていたからだと思われます。
約5,000年前位の中期頃になって、太く短い脚で自立する土偶が出てきました。それまでの少人数の集落での生活から、大きなムラという社会が生まれて、祭祀などが行われるようになったと言われる時期です。
その祭祀などのシンボルとして、多くの人が見ることのできる、神秘的で威厳を感じられるような「自立する土偶」や「大きな土偶」が誕生したようです。
この土偶も自立したことで、祭祀などで重要な役割を果たしたことでしょう。
自立するには、土偶も人もなかなか大変ですが、親戚の女の子もこの土偶のように、社会の一員としての役割を果たしてくれることを祈っています。
それにしても、親戚の子や友達の子の成長は何であんなに早く感じるのでしょう?
「この前まで幼稚園に通っていたのに」と、思ったりしてしまいます。
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