今日会いに行きたい!気になる土偶#034つがる市木造亀ヶ岡考古資料室
今日も各地から大雪のニュース、
雪一色の景色を見ると、半年ほど前に東北地方の縄文遺跡に関するTV番組で〝冬の竪穴住居〟を再現・検証していたことが思いだされます。
縄文時代の住居である竪穴住居は、土を掘り下げて作っています。
土の中の温度は一年中大きな変化がなく、夏は涼しく、冬は暖かく比較的安定した温度が保てることを、当時の人々は知っていたのです。
竪穴住居は数十㎝位掘り下げているのが一般的ですが、特に寒い地方ではその掘り下げが深い傾向にあり、北海道では100㎝も掘り下げた竪穴住居が見つかっています。
番組では、〝そのような竪穴住居であっても、厳しい冬を過ごすためには、一晩中炉の火を焚いていなければならなかった〟ということでした。
冬の間、火を絶やさず過ごす…今も昔も寒さを凌ぐ苦労は変わりないようです。
そんな東北の厳しい地域で生まれたのが、今日の土偶です。
遮光器土偶の〝しゃこちゃん〟が出土した亀ヶ岡石器時代遺跡地域の畑や庭先から個人が見つけた土偶で、作られた年代など何もわからないものです。
右側は、X字形土偶のようです。
X字形土偶は、縄文時代晩期(今から約3,200年前)の遮光器土偶が栄えた頃に作られた、数㎝~10㎝程のXの形をした土偶です。
顔は省略されていて、手足は同じような形で作られ、乳房がある…人間を大きくデフォルメした形の様です。
左側の土偶は、やや四角く見える頭は髪を結い上げたようにも見えることから、こちらも恐らく遮光器土偶の流れを汲む土偶と思われます。
注目したいのは、右手(小さくて手であるかどうかも定かではありませんが)の下にある丸く大きく膨らんでいる部分です。
正面から見るとはっきりとは分かりませんでしたが、横から見ると、何か容器のようなものであることがしっかりと確認できます。
土器でしょうか?何らかの器を、傍らに持っているように見えます。
収穫の時期に、栗などでいっぱいになった編み籠でしょうか?
この土偶は〝抱えている〟というよりは、衣服の様に身に着けているみたいに見えます。
植物で編んだ籠を腰にぶら下げて木の実を拾っている…そんな当時の人々の姿が浮かんでくるようです。
この地域では雪に閉ざされる3~4か月間、多くの時間を炉の火を焚いた竪穴住居の中で過ごしていたと思われます。
植物や動物の皮を使って衣服などを作ったりと、狭い空間で出来る〝手仕事〟に精を出していたのかもしれません。
縄文土器を作るのにはちょっと狭そうですが、手の平サイズの土偶ならば作ることができますね。
遮光器土偶と同じ時期に作られた土偶たち、こんな冬時間を過ごすことで作りあげられた形なのかもしれませんね。
最後までお読みいただき有難うございました☆彡