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超凱旋!タローマン、「なんだ、これは!」

突然ですが、タローマンを知っていますか?

昨夏よりNHKで放送した5分のミニ番組
「TAROMAN」。
芸術家 岡本太郎
が作り出した
70年代に放映された特撮映像です。

「なんだ、これは!」
TAROMANが世界平和のために奇獣と闘うお話。

いろいろ説明するよりも、
先ずは、観ていただきましょう!


ゆるゆると活躍するヒーローTAROMAN

「芸術は爆発だ!」
「真剣に、命がけで遊べ」…
岡本太郎の力強い言葉がいくつも出てきます。

でも、TAROMANも決して万能選手ではない、
つまずいたり、悩んだりしている姿も見せてくれています。
ちょっと可愛らしいヒーロー。

暑さで疲れ気味な心身に、
ゆる~く効いてくる、秘めた燃え上がる芸術のパワー!

ちょっと悩める⁉頭身大のTAROMAN。
隣に座って写真が撮れるコーナー。


当時はヒットまで至らず、
昨年の再放映でじわりじわりと人気がでてきたそうです。
番組に合わせて各地で開催された展示イベントが、ついに岡本太郎美術館へ帰ってきました。

「超凱旋!タローマン」

川崎市 岡本太郎美術館で開催中!

タローマン1話~10話の上映、撮影当時の衣装や小道具、等身大の奇獣たちやフィギュアや本、カードなどの貴重なグッズも展示されています。

生誕の地・川崎市にある岡本太郎美術館
岡本太郎は作品を殆ど売ることがなかったと言われ、ここには約1800もの作品が寄贈されています。



そして、もう一つ帰ってきたものがありました。


「凱旋!岡本太郎」展

〝おかえりなさい、太郎さん!〟と称された、
昨年、東京、愛知、大阪で開催された大企画展の凱旋展覧会。

絵画からスタートした芸術活動が やがて立体、書、写真、モザイク画、やきもの、インテリア、建築…と次々に表現ジャンルが広がった作品の数々。

「なんだ、これは!」の連発!

タイトル「動物」
キュートな表情とかわいらしいお尻にキュン♡


絵画の中では、尖がって強がって飛び回っている奇獣たち。
タローマンの前では、ちょと情けない姿もさらけ出しています。

「森の掟」


建物だって、ちゃんと脚があります!
青い尖がりは角?

岡本太郎の唯一の建築作品はフラワーデザインの学校「マミ会館」。

東京・大森駅近くの1968年の作品
FRPの模型も愛らしい


「縄文人」だっています。
留まることのない創造の力…!

太郎の「縄文人」は宇宙からやってきたみたい!


岡本太郎

1911年、漫画家の岡本一平と歌人・小説家の岡本かの子の長男として川崎市に生まれました。
18歳のときに両親の取材旅行のために共にフランスに渡り、その後は1人でパリに残って芸術表現を追求しました。
日本へ戻ってからは、各地の民俗行事や遺跡などを取材しつつ、国内外で旺盛な創作活動を展開します。


「なんだ、これは!」

これは岡本太郎が東京国立博物館の一室で、
考古学の遺物として陳列されていた〝異様な形の縄文土器〟に偶然出くわして叫んだ言葉。

岡本太郎は、日本で最初に縄文の美を発見し、
美術的な視点から見た〝縄文土器論〟を発表しました。

もし岡本太郎がいなかったら、
日本美術史に縄文は存在しなかったのです。

前列左「午後の日」は、いくつも作られたカオ。
太郎がこのカオに込めた意味は何であろう?


常設展
では、
岡本太郎の初期の作品からの変遷、個性豊かな両親との暮らし、パリでの生活や日本各地でのフィールドワークなどが、様々な作品と共に紹介されています。


「顔」

これもその1つ。
縄文時代の土偶をモデルにしたかのような立体物。
裏には違うカオと女性の胸が表されています。

全部で3体作られたうちの1つは、
太郎の父・一平の墓石になっているそうです。


「なんだ、これは!」

岡本太郎は、
「人と人との発するエネルギーがぶつかり合って、
  はじめて芸術というものが生まれてくる」
と語っています。

なんか、分かるような、分からないような…。


とにかく岡本太郎は熱い!
でもタローマンのように、ちょっとおどけて、お茶目な一面も。

暑い夏に、熱い岡本太郎…

「なんだ、これは!」にパワーをもらえば、
酷暑を乗り切ることができる、かしら⁉


「母の塔」の下は
太陽から私たちを守ってくれる、休憩スペース


参考図書
美の呪力  岡本太郎

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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